老後・年金・iDeCo
iDeCoとNISA、どちらから始めればいい?使う時期と所得控除で考える
iDeCoとNISA、始めるならどちらが先か。調べるほど「iDeCoが先」「NISAが先」と答えが分かれて、迷っていませんか? 実は、誰にでも同じ順番が合うわけではありません。この記事では、予備費と近い支出を先に分ける理由と、お金を使う時期・本人の所得控除から順番を考える方法、併用するときの注意点を整理します。
2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。投資には元本割れのリスクがあり、制度を使えるかどうかや税の軽減の大きさは、人によって異なります。
iDeCoとNISAのどちらから始めるかに、誰にでも合う順番はありません。まず予備費と近い支出を分けます。老後まで使わないお金で本人の所得控除を生かせるなら、iDeCoを検討する材料に。途中で使う可能性があるお金なら、売却して引き出せる成人向けNISAの特徴も比べます。2つは併用でき、それぞれ上限まで使う必要はありません。
この記事のポイント
- 最初に予備費と近い支出を確保
- iDeCoと成人向けNISAは併用できる
- 使う時期と本人の税負担で考える
目次
iDeCoとNISA、どちらから?誰にでも合う順番はない
iDeCoとNISAは、どちらも時間をかけてお金を準備するときに使われる制度です。ただ、税金の軽くなり方と、お金を引き出せる時期が違います。そのため、どちらを先に始めるかは、制度の評判ではなく、自分のお金の事情で変わります。
考えるときの軸は2つです。1つは、そのお金をいつ使うか。もう1つは、iDeCoの掛金の所得控除を、本人が生かせるかです。この2つで、お金ごとに比べる材料を整理します。
| お金の性質 | 考える順番・比べる材料 |
|---|---|
| 急な出費への備え(予備費) | 投資の前に、預金などで確保する |
| 近く使う予定のお金 | 投資に回さず、使う時期に間に合う形で確保する |
| 途中で使う可能性があるお金 | 売却して引き出せる成人向けNISAの特徴も比べる |
| 老後まで使わないお金 | 本人の所得控除を生かせるなら、iDeCoを検討する材料になる |

「iDeCoが先」「NISAが先」と両方の意見を見て、どちらを信じればいいのか迷っていました。
始める前に:予備費と近い支出は投資と分けて確保
iDeCoかNISAかを考える前に、まず分けておきたいのが、急な出費への備え(生活の予備費)と、近く使う予定のお金です。どちらの制度で投資するかを選ぶのは、その後です。
iDeCoに入れたお金は、原則として受け取りを始められる年齢になるまで引き出せません。成人向けNISAは売却して引き出せますが、値下がりのリスクは残ります。近い支払いに使うお金を投資に回すと、使うときに値下がりしていても売ることになりかねません。
どちらの制度を先に使うかより前に、投資に回さないお金を決めておきましょう。
預金とNISAをどちらか一つに決めず、使う時期で分けて両立させる考え方は、預金とNISAの使い分けの記事で解説しています。
老後まで使わず、本人の所得控除を生かせるならiDeCoも検討
iDeCoの掛金は、加入者本人の所得控除の対象です。所得控除は、税金を計算するもとの所得から差し引く仕組みで、本人に税金がかかる所得があれば、税負担が軽くなる場合があります。
反対に、本人に税金がかかる所得がなければ、掛金を所得控除しても軽くなる税金はありません。控除で軽くなる額も、所得などによって人それぞれです。
もう一つの前提は、お金を使う時期です。iDeCoは原則、受け取りの年齢まで引き出せないので、老後まで使わないと決められるお金であることが大切です。この2つがそろうなら、iDeCoを検討する材料になります。

所得控除を生かせるか、老後まで手を付けずにいられるか。2つを確かめてから順番を考えましょう。
途中で使うかもしれないお金は、成人向けNISAの特徴も比べる
住宅や教育など、老後より前に使う可能性があるお金もあります。こうしたお金は、売却して引き出せる成人向けNISAの特徴も比べられます。NISAは運用益を非課税にする制度で、投資したお金が所得控除になる仕組みではありません。
成人向けNISAでできること
- 売却して、途中で引き出せる
- 運用益が非課税になる
NISAでも気をつけたいこと
- 値下がりのリスクは残る
- 売るときの値段で、受け取る額が変わる
- 投資したお金は所得控除にならない
引き出せることと、値下がりしないことは別の話です。近い支払いに使うお金までNISAで投資に回すこととは、分けて考えましょう。投資信託などは、元本割れすることもあります。
ここで比べているのは成人向けのNISAで、施行予定の子ども向けのNISAは払出しに条件があるため、子どものNISAの払出しの記事で確かめてください。
iDeCoとNISAは併用できる:上限より使い道から制度を選ぶ
iDeCoと成人向けNISAは、併用できます。どちらか一方を選ぶのではなく、使う時期の違うお金ごとに組み合わせを考えられます。ただし、掛金や積立額を、それぞれ上限まで使う必要はありません。
上限は「ここまで使える」という枠で、積み立てる目標の額ではありません。住宅・教育・老後のお金は同じ家計から出ていくので、全体を並べて、続けられる額を決めましょう。iDeCoとNISAで選んだ商品の中身が重なり過ぎていないかも、確かめたい点です。
NISA・iDeCo・個人年金保険を、税金・費用・保証・使える時期で並べる比べ方は、3つの制度の比べ方の記事で解説しています。お金を使う時期ごとに分ける作業は、お金の3つの箱に自分の金額と時期を入れて試せます。
どちらから始めるかを決める前のチェック
- 急な出費への備えと、近く使うお金を分けた
- 残りのお金を、いつ使うかで分けた
- 掛金を出す本人に、税金がかかる所得があるか確かめた
- 老後まで使わないと決められる額を考えた
- 上限ではなく、続けられる額で考えた
- iDeCoとNISAで、商品の中身が重なり過ぎていないか見た
よくある質問
iDeCoとNISA、どちらを先に始めるのが正解ですか?
誰にでも同じ順番が合うわけではありません。予備費と近い支出を分けたうえで、そのお金を老後まで使わないか、途中で使うかもしれないか、本人が掛金の所得控除を生かせるかで考えます。
老後のためのお金なら、iDeCoから始めればいいですか?
老後まで使わないお金でも、本人の所得控除を生かせるかで考え方が変わります。本人に税金がかかる所得がなければ、掛金の控除で軽くなる税金はありません。原則として受け取りの年齢まで引き出せないことも踏まえて比べましょう。
iDeCoとNISAは、両方を同時に使えますか?
併用できます。どちらの上限も使える枠で、積み立てる目標の額ではありません。制度から金額を決めるより、住宅・教育・老後のお金を同じ家計で確かめ、続けられる額をそれぞれ決めましょう。
NISAなら引き出せるので、近く使うお金も入れていいですか?
成人向けNISAは売却して引き出せますが、値下がりのリスクは残ります。使うときに値下がりしていることもあるため、近い支払いに使うお金は、投資とは分けて確保しておきましょう。
※この記事のNISAは成人向けのNISAです。施行予定の子ども向けのNISAとは、払出しの条件が違います。
※お金の分け方や制度を検討する順番は、考え方の一例です。iDeCoとNISAのどちらかを優先するようすすめるものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。施行予定の改正は、開始日や手続きが変わることがあります。最新の内容は、金融庁・国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)などの公的な案内と、利用する金融機関でご確認ください。
※投資信託などには値動きがあり、元本割れすることがあります。税金の扱いや控除の効果は、所得や家族などの状況で変わります。個別の税務判断は、税務署や税理士にご確認ください。
※特定の金融商品・金融機関をおすすめするものではありません。


