老後・年金・iDeCo
iDeCoは70歳未満まで(予定)。60代なら年齢だけで加入できる?
iDeCoに加入できる年齢が、70歳未満まで広がる予定です。では、60代なら年齢さえ合えば、だれでも加入できるのでしょうか? この記事では、2026年12月からの対象の条件と、年金の受け取り方との関係、経過措置の意味、加入を考えるときに年金を受け取る計画と一緒に確かめたいことを整理します。
2026年12月1日施行予定の改正を含みます。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。投資には元本割れのリスクがあり、制度を使えるかどうかや税の軽減の大きさは、人によって異なります。
年齢だけでは加入できません。2026年12月から、60歳以上70歳未満で、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていない人などに対象が広がる予定ですが、いまiDeCoの加入者・運用指図者であること、または企業年金から資産を移すことなどの条件があります(施行から3年間は、加入歴などの条件に経過措置があります)。マッチング拠出との同時利用もできません。
この記事のポイント
- 2026年12月、70歳未満へ対象拡大(予定)
- 年金の受給・加入の状況などに条件あり
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金を区別
目次
iDeCoの70歳未満への拡大(予定):年齢だけでは加入できない
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、2026年12月から、一定の条件を満たす人について、70歳未満まで加入の対象が広がる予定です。2026年12月1日施行予定の改正で、そのための新しい加入区分(第5号加入者など)が設けられます。
ただし、60代なら年齢だけで加入できる、というわけではありません。新しく対象になるのは、60歳以上70歳未満で、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていない人などです。そのうえで、iDeCoとのいまの関係などの条件があります。
新しい対象に当たるかのチェック(2026年12月から予定)
- 60歳以上70歳未満か
- 老齢基礎年金を受け取っていないか
- iDeCoの老齢給付金を受け取っていないか
- いまiDeCoの加入者・運用指図者か、企業年金から資産を移すか(施行から3年間は経過措置あり)
- 企業型DCのマッチング拠出をしていないか

70歳未満まで広がるなら、60代になってから、だれでも新しく始められると思っていました。
条件は「いまiDeCoの加入者・運用指図者」や企業年金からの移換
条件の一つが、iDeCoとのいまの関係です。いまiDeCoの加入者であることや、運用指図者(掛金を止めて、運用だけを続けている人)であること、または企業年金からiDeCoへ資産を移す(移換する)ことなどが求められます。過去に加入していたことがある、というだけで当てはまるわけではありません。
施行から3年間は、加入歴などの条件に経過措置(制度の切り替えの時期に設ける特別な取扱い)が設けられます。ただし、経過措置は、老齢基礎年金などを受け取っていないことといった要件まで外すものではありません。中身や自分が当てはまるかは、運営管理機関(iDeCoの窓口になる金融機関)で確かめましょう。
企業型DCのマッチング拠出(会社の掛金に本人も上乗せする仕組み)と同時に使うこともできません(マッチング拠出とiDeCoの記事)。また、対象になる人も、自動で加入者になるわけではなく、加入するには改めて手続きが必要です。
年金を受け取ったら加入できない?基礎と厚生を分けて考える
年金を少しでも受け取っていたら、だれも加入できない、という説明も正確ではありません。老齢年金には、国民年金の老齢基礎年金と、厚生年金の老齢厚生年金があり、この2つは分けて考えます。
加入できることがある
- 老齢基礎年金を繰り下げている
- 老齢厚生年金だけを受け取っている
- ほかの条件も満たしている
新しい対象に当たらない
- 老齢基礎年金を受け取っている
- iDeCoの老齢給付金を受け取っている
- マッチング拠出をしている
老齢基礎年金を繰り下げ(受け取り始める時期を遅らせること)、老齢厚生年金だけを受け取っている場合は、加入できることがあります。受給の状況は人によって違うため、自分の場合は運営管理機関で確かめましょう。

加入できる年齢と、年金を受け取り始める時期は、別々の時間軸で見ていきましょう。
加入のためだけに年金を待たない:60代の生活費と一緒に
iDeCoに加入するためだけに、年金の受け取りを遅らせるのは考えものです。待っている間は、その年金が入らない分の生活費をどう賄うかも、あわせて確かめる必要があります。繰下げ受給の制度上の注意点は、繰下げ受給の注意点の記事で取り上げています。
また、「70歳未満」は、70歳になるまでという意味です。70歳以降も掛金を出し続けられる、という話ではありません。60代から掛金を出せる期間は限られるので、出せる額と生活費の両方を見て考えましょう。
年金の受給状況を確かめる
老齢基礎年金・老齢厚生年金・iDeCoの老齢給付金を、それぞれ受け取っているか確かめます。
iDeCoとの関係を確かめる
いま加入者・運用指図者か、企業年金から資産を移すかを確かめます。
60代の生活費を書き出す
年金を待つ期間があるなら、その間の生活費も並べます。
出せる掛金を考える
70歳になるまでの期間で、家計から無理なく出せる額を考えます。
60代から掛金を出す場合も、iDeCoで選ぶ投資信託などには値動きがあり、元本割れすることもあります。お金を使う時期と値動きの両方を確かめてから、加入するかどうかを考えましょう。
よくある質問
iDeCoは、70歳を過ぎても掛金を出せますか?
「70歳未満」は70歳になるまでという意味で、70歳以降も掛金を出せるわけではありません。2026年12月からの拡大(予定)も、条件を満たす人が70歳になるまで加入の対象になる、という内容です。
年金を受け取っていると、iDeCoに加入できませんか?
受け取っている年金によります。老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っている人は、2026年12月からの新しい対象(予定)に当たりませんが、老齢基礎年金を繰り下げ、老齢厚生年金だけを受け取っている場合は、加入できることがあります。
以前iDeCoに入っていたことがあれば、加入できますか?
過去に加入していたことだけでは、当てはまるとは限りません。条件は、いまiDeCoの加入者・運用指図者であることや、企業年金から資産を移すことなどです。ただし、施行から3年間は加入歴などの条件に経過措置が設けられるので、自分の場合は運営管理機関で確かめましょう。
経過措置があれば、年金を受け取っていても加入できますか?
経過措置は、施行から3年間、加入歴などの条件に設けられる取扱いです。老齢基礎年金などを受け取っていないことといった要件まで外すものではありません。くわしくは運営管理機関で確かめましょう。
条件に当てはまれば、手続きなしで加入者になりますか?
自動で加入者になるわけではありません。加入を希望する場合は、改めて手続きが必要です。受付の方法や時期は、利用している運営管理機関の案内で確かめましょう。
※新設の第5号加入者などについての説明です(2026年12月1日施行予定)。
※老齢基礎年金・iDeCoの老齢給付金を受け取っているか、加入の状況、経過措置などは、運営管理機関で確認してください。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。施行予定の改正は、開始日や手続きが変わることがあります。最新の内容は、金融庁・国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)などの公的な案内と、利用する金融機関でご確認ください。
※投資信託などには値動きがあり、元本割れすることがあります。税金の扱いや控除の効果は、所得や家族などの状況で変わります。個別の税務判断は、税務署や税理士にご確認ください。
※特定の金融商品・金融機関をおすすめするものではありません。

