FP相談・住宅ローン相談・保険相談オンライン/対面(立川)

老後・年金・iDeCo

退職金が先、iDeCoの一時金が後でも「10年」でいい?確かめる期間の違い

会社の退職金を先に受け取り、何年かあとにiDeCoを一時金で受け取る。この順番でも、いわゆる「10年ルール」のように10年空ければよいのでしょうか? 受け取る順番が逆になると、確かめる期間も変わります。この記事では、退職金が先の場合の「前年以前19年内」の考え方と、受取履歴の整理、時期を税金だけで決めない理由をまとめます。

更新 監修 要確認:監修するFP約5分で読めます

鍵のかかった箱と目覚まし時計の3Dイラスト

2026年1月以降に受け取る一時金の改正を含みます。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。投資には元本割れのリスクがあり、制度を使えるかどうかや税の軽減の大きさは、人によって異なります。

結論

退職金が先でiDeCoなどの一時金が後の場合、確かめる期間は「10年」ではなく、一時金を受け取る年の前年以前19年内です。その範囲に会社の退職金などの退職手当等があれば、期間の重複に応じて退職所得控除が調整されることがあります。間隔を空ければ済むと決めつけず、受取履歴を整理して、税額は税務署・税理士に確かめましょう。

この記事のポイント

  1. 退職金が先なら前年以前19年内を確認
  2. 受け取る順番で調整のルールが違う
  3. 税金だけで受け取る時期を決めない
目次
  1. 退職金が先、iDeCo一時金が後なら「前年以前19年内」を確認
  2. いわゆる10年ルールとの違い:受け取る順番で確かめる期間が違う
  3. 前年以前19年内の確かめ方:基準は一時金を受け取る年
  4. 間隔を広げれば得?税金だけで受け取る時期を決めない
  5. まず受取履歴の整理から:過去の退職金と源泉徴収票
  6. よくある質問

退職金が先、iDeCo一時金が後なら「前年以前19年内」を確認

この記事で取り上げるのは、勤め先の退職金を先に受け取り、そのあとでiDeCoなどの老齢一時金を受け取る順番です。老齢一時金は、iDeCoなど確定拠出年金の老後の給付を、一度にまとめて受け取るものです。

この順番では、一時金を受け取る年が基準です。その年の前年以前19年内に、退職手当等(会社の退職金など)を受け取っていないかを確かめます。受け取っていれば、期間の重複に応じて、退職所得控除が調整されることがあります。

よくある疑問

退職金のあと10年空けてからiDeCoを受け取れば、気にしなくていいと思っていました。

期間の重複とは、退職金のもとになった勤務の期間と、iDeCoに加入していた期間が同じ時期にあることです。重複の考え方は一時金が先の場合の記事でも取り上げているので、ここでは退職金が先のときに確かめる範囲を中心に説明します。

いわゆる10年ルールとの違い:受け取る順番で確かめる期間が違う

いわゆる「10年ルール」は、2026年以降にiDeCoなどの一時金を先に受け取り、あとから会社の退職金を受け取る順番で確かめるルールです。順番が逆になると、基準になる年も、さかのぼる範囲も変わります。

一時金が先・退職金が後(いわゆる10年ルール)

  • 基準:会社の退職金を受け取る年
  • 範囲:その前年以前9年内
  • 確かめるもの:2026年以降に受け取ったiDeCoなどの一時金

退職金が先・一時金が後(この記事)

  • 基準:iDeCoなどの一時金を受け取る年
  • 範囲:その前年以前19年内
  • 確かめるもの:会社の退職金などの退職手当等

どちらも「先に受け取ったもの」を確かめる考え方ですが、先にiDeCoを受け取る場合と同じルールではありません。また、同じ年に両方を受け取る場合は、これらとは別に、その年の計算を確かめる必要があります。

前年以前19年内の確かめ方:基準は一時金を受け取る年

数える基準は、退職金を受け取った年ではなく、あとからiDeCoなどの一時金を受け取る年です。その年の前年から過去へ19年の範囲に、退職金などを受け取った年が入るかどうかを見ます。

範囲は年の単位で確かめるもので、受け取った日から日数で数えるものではありません。数え方の細かい点は、国税庁の案内や税務署・税理士で確かめましょう。

確かめる対象は、会社の退職金だけとは限りません。退職手当等として扱われるほかの一時金を受け取っている場合も、個別の確認が必要です。転職したことがある人は、前の勤め先の退職金も忘れずに含めましょう。

間隔を広げれば得?税金だけで受け取る時期を決めない

確かめる期間を知ると、退職金とiDeCoの一時金の間を、できるだけ空けたくなるかもしれません。ただ、間隔を広げることだけが目的になると、その間の生活費や、iDeCoの受け取りを始める期限を見落としかねません。

税額は、一時金の金額や、勤務・加入の期間でも変わります。20年空ければ誰にとっても有利、とは決めつけられません。一時金の額そのものも、投資信託などで運用していれば値動きで変わり、元本割れすることもあるため、見込みとして考えます。

一時金ではなく年金で受け取る方法もあり、受け取り方によって税金の扱いは変わります。一時金と年金の違いは受け取るときの税金の記事で確かめ、退職後に必要なお金と合わせて検討しましょう。

受け取る時期を決める前のチェック

  • 退職から一時金を受け取るまでの生活費の出どころを考えた
  • iDeCoの受け取りを始める期限を確かめた
  • 一時金だけでなく、年金で受け取る方法とも比べた
  • 税額は、税務署・税理士に確かめることにした
FPのひとこと

受け取る時期は、税金だけでなく、その間の暮らしと受け取りの期限まで含めて決めましょう。

まず受取履歴の整理から:過去の退職金と源泉徴収票

確かめる範囲が長いため、記憶だけに頼ると、昔の退職金を見落としがちです。まずは過去の受取履歴を、資料をもとに正確に書き出しましょう。

書類の名前や内容は、受け取った時期や勤め先によって違う場合があります。
書き出すこと手がかりになる資料・確認先
過去に受け取った退職金と、その年(前の勤め先の分も)退職手当の源泉徴収票など
退職金のもとになった勤務の期間退職金を受け取ったときの書類など
退職手当等として扱われるほかの一時金受け取ったときの書類など(扱いは個別に確認)
iDeCoなどに加入していた期間加入している運営管理機関の案内や記録

書き出した受取履歴は、これからの受取計画と並べておくと、税務署や税理士で個別の扱いを確かめるときの材料になります。控除の調整や税額の判断は、そこで確かめましょう。

よくある質問

退職金が先なら、iDeCoの一時金まで10年空ければいいですか?

退職金が先でiDeCoなどの一時金が後の場合は、一時金を受け取る年の前年以前19年内を確かめます。いわゆる10年ルール(前年以前9年内)とは、確かめる期間が違います。

「前年以前19年内」は、どう数えますか?

基準は、iDeCoなどの一時金を受け取る年です。その前年から過去へ19年の範囲に、退職手当等を受け取った年が入るかを見ます。日数で数えるものではなく、細かい数え方は国税庁の案内や税務署・税理士で確かめましょう。

19年内に退職金があると、税金は増えますか?

範囲に入っても、それだけで税金が増えると決まるわけではありません。期間の重複に応じて退職所得控除が調整されることがあり、税額は一時金の金額や勤務・加入の期間でも変わります。個別の税額は税務署・税理士に確かめましょう。

退職金とiDeCoの間を20年空ければ、有利になりますか?

誰にとっても有利とは決めつけられません。税額は金額や期間でも変わり、間隔を広げると、その間の生活費や受け取りの期限も問題になります。一時金と年金の選択肢も含め、退職後に必要なお金と合わせて考えましょう。

過去の退職金は、何で確かめればいいですか?

過去に受け取った退職手当の源泉徴収票などで、受け取った年を確かめます。転職している場合は前の勤め先の分も含めて受取履歴を書き出し、これからの受取計画と並べて整理しましょう。

※確定拠出年金(iDeCoなど)の老齢一時金の退職所得控除に関する一般的な例です。

※受け取りを始める期限、ほかの一時金、重複期間の数え方などは、個別に確認してください。

※退職所得控除の額や計算方法は、この記事では扱っていません。

※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。施行予定の改正は、開始日や手続きが変わることがあります。最新の内容は、金融庁・国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)などの公的な案内と、利用する金融機関でご確認ください。

※投資信託などには値動きがあり、元本割れすることがあります。税金の扱いや控除の効果は、所得や家族などの状況で変わります。個別の税務判断は、税務署や税理士にご確認ください。

※特定の金融商品・金融機関をおすすめするものではありません。

参考にした資料

シミュレーションFPに相談する