老後・年金・iDeCo
専業主婦・主夫の自分がiDeCoに入ると、配偶者の税金は減る?
専業主婦や主夫の自分がiDeCoに入れば、働いている配偶者の税金が少しでも減るのでは? そう考える方もいるでしょう。iDeCoの掛金の控除は、加入した本人のものです。この記事では、収入のない人が加入したときの税金の扱いと、残る特徴・手数料・引き出しの制限、夫婦で並べて考えるポイントを整理します。
2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。投資には元本割れのリスクがあり、制度を使えるかどうかや税の軽減の大きさは、人によって異なります。
専業主婦・主夫がiDeCoに入っても、その掛金で働いている配偶者の税金が減ることはありません。掛金の所得控除は加入者本人のもので、配偶者の所得から差し引くことはできないためです。本人に所得税や住民税が課される所得がなければ、税負担の軽減もありません。運用益の非課税などは残りますが、手数料や引き出しの制限も残ります。
この記事のポイント
- 掛金控除は加入者本人のもの
- 本人の課税所得がなければ軽減なし
- 手数料・引き出し制限も比較
目次
掛金の控除は加入者本人のもの。配偶者の所得からは引けない
iDeCoの掛金は、所得控除(税金を計算するもとの所得から差し引くもの)の対象です。この控除を受けるのは、iDeCoに加入している本人です。
専業主婦や主夫の人が加入して掛金を払っても、その掛金を、働いている配偶者の所得から自由に差し引くことはできません。iDeCoの控除を、夫婦のもう一方へ移すことはできないのです。
収入のない本人(加入者)
- 掛金の控除を受けるのは本人
- 税金がかかる所得がなければ、軽減はない
- 控除を配偶者へ移すことはできない
働いている配偶者
- 本人の掛金を、自分の所得から差し引けない
- 本人のiDeCoで、自分の税金は軽くならない
- 控除の対象は、自分が加入者の掛金

私がiDeCoに入れば、配偶者の税金が少しは減るものだと思っていました。
家族の掛金や保険料を払った人の控除はどうなるのか、国民年金保険料の社会保険料控除とはどう違うのかは、家族の国民年金とiDeCoの控除の記事で取り上げています。iDeCoの掛金の控除と、社会保険料控除は別のものです。
本人に課税所得がなければ、掛金による税の軽減はない
掛金の控除で税金が軽くなるのは、差し引く先の所得に税金がかかっている場合です。本人に所得税や住民税が課される所得がなければ、掛金を差し引いても軽くなる税金がなく、税負担の軽減はありません。
掛金で税金がどのくらい軽くなるかの仮の計算は、iDeCoの掛金と税金の記事で紹介しています。ただし、その計算は本人に税金がかかる所得があることが前提です。所得控除による効果は、本人の課税の状況で変わります。
なお、専業主婦・主夫だからといって、iDeCoに加入できないわけではありません。国民年金の第3号被保険者(会社員などに扶養されている配偶者)も加入できます。自分がどの区分に当たるかを含め、加入資格は確かめておきましょう。
加入できることと、税金が必ず軽くなることは別です。
税の軽減がなくても残る特徴と、残る手数料・制限
税の軽減がないからといって、iDeCoのほかの特徴までなくなるわけではありません。たとえば運用益の非課税は、本人に課税所得がなくても変わらない特徴です。
一方で、手数料と引き出しの制限は残ります。口座の管理などの手数料は、税の軽減がなくてもかかり続けます。iDeCoのお金は、原則として老後に受け取れる年齢まで引き出せません。投資信託などで運用すれば値動きがあり、元本割れすることもあります。
| iDeCoの特徴 | 収入がない本人の場合 |
|---|---|
| 掛金の所得控除 | 課税所得がなければ、税の軽減はない |
| 運用益の非課税など | なくなるわけではない |
| 手数料 | 税の軽減がなくても、かかる |
| 引き出しの制限 | 原則、受け取れる年齢まで引き出せない |
税の軽減がない分、手数料や引き出しの制限とのつり合いは、税金がかかる人とは違ってきます。不利だと決めつけず、ほかの方法と並べて比べましょう。
同じ月1万円でも、誰がどの制度で準備するかで違う
同じ月1万円を老後のために準備するとしても、誰がどの制度を使うかで、家計への影響は変わります。月1万円は、1年で12万円(1万円×12か月)です。この12万円を収入のない本人のiDeCoに入れるのか、NISAや預貯金に置くのかで、税金の扱いや使える時期が違ってきます。
働いている配偶者が自分でiDeCoに加入している場合、その掛金は配偶者本人の控除の対象です。夫婦のどちらが、どの制度を使うのかを並べて考えましょう。
あわせて、復職の予定、教育費がかかる時期、夫婦それぞれの老後資金も書き出します。まず本人の所得を確かめ、NISAや預貯金も含めてお金の置き場所を考えます。iDeCoとNISAのどちらから始めるかの考え方は、iDeCoとNISAの記事で取り上げます。
夫婦で並べて確かめること
- 本人の所得に、所得税・住民税がかかるかを確かめた
- 国民年金の区分など、加入資格を確かめた
- 復職の予定と、その時期を書き出した
- 教育費がかかる時期を書き出した
- 夫婦それぞれの老後資金を並べた
- 手数料と引き出しの制限を、ほかの方法と比べた

加入できるかと、税金が軽くなるかは別の話です。夫婦それぞれの所得と、お金を使う時期を並べてから考えましょう。
よくある質問
専業主婦・主夫でも、iDeCoに加入できますか?
加入できないわけではありません。国民年金の第3号被保険者もiDeCoに加入できます。ただし、自分の区分などの加入資格は確かめましょう。掛金による税の軽減は、本人に課税所得があるかどうかで変わります。
収入のない人の掛金を、働いている配偶者の控除にできますか?
できません。iDeCoの掛金の所得控除は、加入者本人のものです。収入のない人が払う掛金を、働いている配偶者の所得から自由に差し引くことはできません。
税金が軽くならないなら、iDeCoに入る意味はありませんか?
そうとは言い切れません。運用益の非課税などの特徴は残ります。一方で、手数料や引き出しの制限も残り、投資信託などは元本割れすることもあります。NISAや預貯金と並べて、家計に合うかを考えましょう。
復職したら、掛金の控除は使えますか?
本人に所得税や住民税が課される所得があれば、本人の掛金の所得控除で、税負担が軽くなる場合があります。効果は本人の課税の状況で変わるため、復職の予定や時期も含めて考えましょう。
※所得控除による効果は、加入者本人の課税状況で異なります。国民年金第3号被保険者など、加入資格の確認も必要です。
※iDeCoの掛金の控除(小規模企業共済等掛金控除)は、国民年金保険料などの社会保険料控除とは別の控除です。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。施行予定の改正は、開始日や手続きが変わることがあります。最新の内容は、金融庁・国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)などの公的な案内と、利用する金融機関でご確認ください。
※投資信託などには値動きがあり、元本割れすることがあります。税金の扱いや控除の効果は、所得や家族などの状況で変わります。個別の税務判断は、税務署や税理士にご確認ください。
※特定の金融商品・金融機関をおすすめするものではありません。

