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iDeCoは非課税だから、受け取るときも税金ゼロ?一時金と年金の違い
iDeCoは運用益が非課税。だから、受け取るときも税金はかからない。そう考えていませんか? 積み立てている間と受け取るときでは、税金の仕組みが違います。この記事では、一時金と年金で変わる所得の区分と控除、会社の退職金や公的年金と合わせて確かめる理由、受け取り方の整理を始める時期をまとめます。
2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。投資には元本割れのリスクがあり、制度を使えるかどうかや税の軽減の大きさは、人によって異なります。
iDeCoは、受け取るときも税金ゼロとは限りません。運用中の利益は非課税でも、受け取ったお金は税金の計算の対象です。一時金で受け取ると退職所得、年金で受け取ると公的年金等に係る雑所得として、それぞれの控除を使って計算します。会社の退職金や公的年金と控除が関係するため、受取額やほかの所得と合わせて確かめましょう。
この記事のポイント
- 運用中と受け取るときの税金は別
- 一時金は退職所得、年金は雑所得
- 会社の退職金・公的年金と一緒に確認
目次
iDeCoは受け取るときも非課税?運用中と受け取りの税金は別
iDeCo(個人型確定拠出年金)の税金は、掛金を出すとき、運用しているとき、受け取るときで扱いが分かれます。掛金は所得控除の対象になり、運用している間は、商品の利益(運用益)に税金がかかりません。
ただし、運用中の利益が非課税だからといって、受け取るときまで非課税になるわけではありません。受け取ったお金は所得として扱われ、税金の計算の対象になります。
運用している間
- 商品の利益(運用益)に税金がかからない
- 投資信託などは値動きがあり、元本割れすることもある
受け取るとき
- 受け取ったお金が所得として扱われる
- 一時金か年金かで、所得の区分と控除が違う
- 受取額やほかの所得によっては、税金がかかる

運用益が非課税なら、受け取るときも税金はかからないと思っていました。
受け取るときの税金は、受取額のすべてに20.315%がかかる仕組みでも、すべて非課税になる仕組みでもありません。受け取り方ごとに決まった所得の区分と控除を使って、税金を計算します。
一時金は退職所得、年金は雑所得:受け取り方で違う控除
iDeCoのお金は、まとめて受け取る一時金と、分けて受け取る年金で、所得の区分が変わります。一時金は退職所得、年金は公的年金等に係る雑所得として扱われ、計算に使う控除もそれぞれ違います。
| 受け取り方 | 所得の区分 | 使う控除 | 一緒に確かめるもの |
|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得 | 退職所得控除 | 会社の退職金(受け取る年と順番) |
| 年金 | 公的年金等に係る雑所得 | 公的年金等控除 | 国民年金・厚生年金などの公的年金 |
| 一時金と年金の組み合わせ | 一時金の部分は退職所得、年金の部分は雑所得 | それぞれの控除 | 会社の退職金と公的年金の両方 |
退職所得控除は、勤めた期間やiDeCoに加入していた期間などの長さに応じて決まる控除です。公的年金等控除は、公的年金などの年金の収入から差し引く控除です。
運営管理機関(iDeCoの窓口になる金融機関)によっては、一時金と年金を組み合わせて受け取る方法もあります。その場合は、一時金の部分と年金の部分を分けて、それぞれの区分と控除で考えます。
個人年金保険の年金は、保険料を負担した本人が受け取る場合、一般に公的年金等以外の雑所得で、iDeCoの年金とは区分が違います(個人年金保険の税金の記事)。
iDeCoだけで判断できない:退職金・公的年金と控除の関係
受け取るときの税金は、iDeCoだけを切り離して判断できません。一時金なら会社の退職金と、年金なら公的年金と、控除の使い方が関係するからです。
一時金:会社の退職金と控除の期間が重なる場合
会社の退職金も退職所得です。退職金とiDeCoの一時金で、控除の計算に使う期間が重なる場合は、受け取る年や順番によって、退職所得控除が調整されることがあります。2026年以降に一時金を先に受け取る場合のいわゆる「10年ルール」は一時金が先の場合の記事、逆の順番は退職金が先の場合の記事で解説しています。
年金:公的年金と合わせて控除を使う場合
iDeCoを年金で受け取ると、国民年金や厚生年金などと同じ「公的年金等」の区分に入ります。公的年金と合わせて年金の控除を使う場合があるので、iDeCoの年金額だけを見ても、税金がかかるかどうかは決まりません。
どちらの場合も、受取額やほかの所得によっては税金がかかります。税金がかかるかどうか、いくらになるかは人によって違うため、個別の判断は税務署・税理士に確かめましょう。

iDeCoの受取額だけでは、税金は決まりません。退職金と公的年金の見込みを並べてから考えましょう。
受け取り方は出口の計画:退職金の見込みが分かったら整理
いつ、どの方法で受け取るかは、iDeCoの出口の大切な計画です。税金だけで決めず、受け取るときにかかる手数料や、受け取った後の生活費も確かめましょう。
受け取る金額も、まだ決まってはいません。投資信託などで運用していれば値動きがあり、元本割れすることもあります。見込みの金額で整理しておき、受け取りが近づいたら更新します。
整理を始める時期は、受け取る直前ではなく、会社の退職金の見込みが分かった段階が目安です。退職金の時期と金額が見えると、iDeCoの受け取り方を比べる材料がそろいます。
受け取り方を考える前に書き出すこと
- 会社の退職金の見込額と、受け取る予定の年
- 公的年金の見込額と、受け取りを始める予定の年
- iDeCoの受取見込額と、加入している期間
- 運営管理機関で選べる受け取り方(一時金・年金・組み合わせ)
- 受け取りにかかる手数料と、受け取った後の生活費
よくある質問
iDeCoは運用益が非課税なのに、受け取るときは税金がかかりますか?
受け取ったお金は所得として扱われ、税金の計算の対象です。一時金は退職所得、年金は公的年金等に係る雑所得として、それぞれの控除で計算し、受取額やほかの所得によっては税金がかかります。
iDeCoの受取額には、20.315%の税金がかかりますか?
受取額に20.315%をかけて計算する仕組みではありません。受け取り方ごとの所得の区分と控除で計算するため、税金がかかるかどうかや金額は、受取額やほかの所得などによって変わります。
一時金と年金を組み合わせて受け取ることはできますか?
運営管理機関によっては、一時金と年金を組み合わせる方法があります。その場合は、一時金の部分を退職所得、年金の部分を公的年金等に係る雑所得として、それぞれの控除で考えます。選べる方法は加入先で確かめましょう。
一時金と年金、税金が少なくなるのはどちらですか?
一概には言えません。一時金は会社の退職金と、年金は公的年金と控除が関係するため、iDeCoだけでは比べられません。税額の判断は税務署・税理士に確かめ、手数料や受け取った後の生活費も合わせて考えましょう。
受け取り方は、いつごろから考え始めればいいですか?
受け取る直前ではなく、会社の退職金の見込みが分かった段階で整理を始めるのが目安です。退職金・公的年金・iDeCoの受取見込額を1つの年表に並べると、受け取る時期と方法を比べやすくなります。
※所得の区分・控除・税額は、受け取り方や契約、受取状況などによって異なります。
※一時金と年金を組み合わせる受け取り方を選べるかどうかは、運営管理機関によって違います。
※この記事では、退職所得控除・公的年金等控除の額や計算方法は扱っていません。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。施行予定の改正は、開始日や手続きが変わることがあります。最新の内容は、金融庁・国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)などの公的な案内と、利用する金融機関でご確認ください。
※投資信託などには値動きがあり、元本割れすることがあります。税金の扱いや控除の効果は、所得や家族などの状況で変わります。個別の税務判断は、税務署や税理士にご確認ください。
※特定の金融商品・金融機関をおすすめするものではありません。

