税金・住宅ローン控除
借り換えや繰上返済で、住宅ローン控除はどうなる?控除期間と10年の判定
借り換えれば、住宅ローン控除の期間も最初からやり直せる。繰上返済をしても、残りが10年あれば大丈夫。そう考えていませんか? どちらも、そうとは限りません。この記事では、借り換え後に控除を続けるための条件、繰上返済で確かめたい10年の判定、利息・費用・控除額・手元の現金の比べ方を整理します。
2026年分所得税を中心に解説。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。控除の額や申告の要否は、収入の種類・家族・ほかの控除などで変わります。具体的な判断は、税務署や税理士、お住まいの市区町村に確かめましょう。
借り換えをしても、住宅ローン控除を受けられる年数は延びず、期間を最初からやり直すこともできません。借り換え後も控除を続けるには、新しい借入れが元の住宅ローンの返済に充てられたことが明らかであるなどの条件があります。繰上返済で、最初の返済から最後の返済までの期間が10年未満になると、以後の控除に影響する場合があります。
この記事のポイント
- 借り換えで控除期間は延びない
- 返済期間10年の判定を確認
- 利息・費用・税効果・現金を比較
目次
住宅ローンを借り換えても、控除の期間は延びない
住宅ローンを借り換えると、借入先や金利などが変わることがあります。しかし、住宅ローン控除の期間が、借り換えた時点から数え直しになるわけではありません。借り換えによって、控除を受けられる年数が延びることはありません。
借り換えた後も控除を続けるには、条件を満たす必要があります。その一つが、新しい借入れが元の住宅ローンの返済に充てられたことが明らかであることです。ほかの条件もあるため、借り換えの前に確かめましょう。
よくある思い込み
- 借り換えれば、控除の期間を最初からやり直せる
- 借入先が変わっても、控除はそのまま続く
- 借り換え後も、残高はそのまま対象になる
確かめたいこと
- 控除を受けられる年数は延びない
- 元のローンの返済に充てたことが明らかか、などの条件
- 借り換え後の借入額などで、対象残高を調整する場合がある
※借り換え後の借入金額などによって、控除の対象になる残高を調整する場合があります。契約ごとに確かめましょう。

借り換えたら、控除の期間も新しく数え始めるのだと思っていました。
繰上返済で返済期間が10年未満に?「残り10年」ではない
繰上返済には、返済期間を短くする方法があります。この方法で期間を短くした結果、最初の返済から最後の返済までの期間が10年未満になると、以後の住宅ローン控除に影響する場合があります。
ここでの10年は、今から数えて残りが10年あるか、という意味ではありません。判定に使うのは償還期間(借りたお金を返していく期間)で、最初に返済した時から、短くなった後の最後の返済までの期間です。くわしい定義は、国税庁の案内で確かめましょう。
「残り10年」で考えると
- 起点は、今日
- 今から最後の返済まで、何年残るかを見る
- 控除の判定には、この見方を使わない
償還期間で考えると
- 起点は、最初の返済
- 最初の返済から、短くした後の最後の返済までを見る
- それが10年未満になると、以後の控除に影響する場合がある
繰上返済に回すお金が、教育資金や急な出費への備えまで減らしていないかの確かめ方は、繰上返済の記事で取り上げています。

「残り何年か」ではなく「最初の返済から最後の返済まで何年か」を見ます。繰上返済の前に、返済予定で確かめましょう。
利息・費用・控除額・手元の現金を、同じ期間で比べる
借り換えや繰上返済を考えるときに比べたいのは、減る利息、借り換えの費用、控除額、手元に残る現金です。どれか一つだけを見て決めると、家計全体では差が出ることがあります。
| 比べるもの | 確かめたいこと |
|---|---|
| 減る利息 | 借り換えや繰上返済で、これから払う利息がどれだけ減るか |
| 借り換えの費用 | 借り換えにかかる費用を含めても、効果があるか |
| 控除額 | 条件や対象残高が変わり、控除額がどう変わるか |
| 手元に残る現金 | 返済に回した後も、使う予定のお金や急な出費への備えが残るか |
控除を残すためだけに利息を払い続けるのでも、利息だけを見て手元の現金を減らすのでもなく、同じ期間の家計全体で確かめることが大切です。借り換えのときの総支払額の比べ方は、借り換えの比べ方の記事で取り上げています。
控除だけ、利息だけで決めず、利息・費用・控除額・手元の現金を同じ期間でそろえて比べます。
借り換え・繰上返済の前に確かめるチェックリスト
最後に、借り換えや繰上返済を決める前に確かめたいことをまとめます。控除の扱いは契約ごとに違うため、迷う点は早めに確認しておきましょう。
借り換え・繰上返済の前のチェック
- 借り換えで、控除を受けられる年数が延びないことを確かめた
- 新しい借入れが、元のローンの返済に充てられたと明らかにできるか確かめた
- 借り換え後の借入額などで、対象残高が調整されないか確かめた
- 繰上返済後の、最初の返済から最後の返済までの期間を確かめた
- 減る利息・費用・控除額・手元の現金を、同じ期間で比べた
- 契約ごとの条件を、借入先や税務署などで確かめた
住宅ローン相談では、借り換えや繰上返済をした場合の返済と、家計に残るお金を並べて比べられます。控除の適用や税額の判断は、税務署・税理士に確かめましょう。
よくある質問
住宅ローンを借り換えたら、控除の期間は延びますか?
延びません。借り換えによって、住宅ローン控除を受けられる年数が延びることはありません。借り換え後も控除を続けるには、新しい借入れが元のローンの返済に充てられたことが明らかであるなどの条件を満たす必要があります。
繰上返済で、残りの返済期間が10年未満になったら控除は受けられませんか?
判定は「残り10年」ではありません。最初の返済から、短くなった後の最後の返済までの期間が10年未満になると、以後の控除に影響する場合があります。償還期間の定義は、国税庁の案内で確かめましょう。
借り換え後も、年末残高はそのまま控除の対象になりますか?
借り換え後の借入金額などによって、対象になる残高を調整する場合があります。契約ごとに確認が必要なため、借り換えの前に確かめましょう。
控除を受けている間は、繰上返済をしないほうがよいですか?
一つには決まりません。控除を残すためだけに利息を払い続けるのでも、利息だけを見て現金を減らすのでもなく、減る利息・費用・控除額・手元の現金を、同じ期間の家計全体で比べましょう。
※借り換え後の借入金額などによって、控除の対象残高を調整する場合があります。契約ごとに確認が必要です。
※繰上返済後に控除を受けられるかは、償還期間(最初の返済から最後の返済までの期間)の公式の定義で判断します。10年は、今からの残りの期間ではありません。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。確定申告は2026年分の所得税(原則2027年に申告)、ふるさと納税は2026年の寄附(原則2027年度の住民税)を中心に説明しています。制度は改正されることがあります。
※税額の計算や申告の判断など、個別の税務相談は税務署や税理士にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や資料、希望を整理する窓口です。
※特定の金融商品や、ふるさと納税の寄附先・返礼品・仲介サイトをおすすめするものではありません。


