税金・住宅ローン控除
住宅ローン残高3,000万円なら、21万円戻る?控除率0.7%と控除の上限
住宅ローンの年末残高が3,000万円で、控除率は0.7%。それなら21万円が戻ってくる。そんな計算で、返済の計画を立てていませんか? この21万円は、条件を省いた計算です。この記事では、計算の前提、対象になる残高の上限、所得税と住民税で控除できる範囲、家計の計画での見込み方を整理します。
2026年分所得税を中心に解説。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。控除の額や申告の要否は、収入の種類・家族・ほかの控除などで変わります。具体的な判断は、税務署や税理士、お住まいの市区町村に確かめましょう。
残高3,000万円でも、21万円がそのまま戻るとは限りません。仮に年末残高3,000万円×0.7%=21万円は、条件を省いた計算です。対象になる残高には住宅の区分などによる上限があり、控除できるのは実際の税額の範囲までです。所得税から引ききれない分を翌年度の住民税から控除する場合にも上限があり、現金で振り込まれる給付金でもありません。
この記事のポイント
- 3,000万円×0.7%は条件を省いた例
- 対象残高と実際の税額が関係
- 住民税の控除にも上限
目次
残高3,000万円×0.7%=21万円は、条件を省いた計算
住宅ローン控除の計算は、ローンの年末残高に控除率をかけるのが基本の形です。仮に年末残高が3,000万円、控除率が0.7%なら、計算は次のようになります。
- ローンの年末残高(仮定)
- 3,000万円
- 控除率
- × 0.7%
- 計算上の控除額
- 21万円
※説明用の仮定で、条件を省いた計算です。対象になる残高の上限、実際の税額、住民税の控除の上限、入居年などによって、実際の控除額は異なります。
この21万円は、確認を始める入口の数字です。ここから、対象になる残高の上限、その年の税額、住民税での控除の上限を順に確かめていくと、自分が実際に控除できる見込みに近づきます。

残高3,000万円なら、21万円がそのまま口座に戻ってくると思っていました。
対象になる残高には上限。取得対価や補助金、贈与も確認
まず、税制で控除の対象になる借入残高には、住宅の区分などによる上限があります。年末残高が3,000万円あっても、上限がそれより低ければ、計算に使えるのは上限までです。
また、住宅の取得対価(住宅を取得するために支払った金額)や、受け取った補助金、非課税の贈与なども、対象額を考えるときに確認が必要です。親からの資金援助で非課税の特例を使う場合の注意は、親の住宅資金援助の記事で取り上げます。
計算上の控除額を出す
仮に年末残高3,000万円×0.7%=21万円。条件を省いた数字です。
対象になる残高を確かめる
住宅の区分などによる上限や、取得対価・補助金・非課税の贈与との関係を見ます。
その年の所得税額と比べる
差し引けるのは、実際の所得税額の範囲までです。
住民税での控除を確かめる
所得税から引ききれない分は、一定の範囲で翌年度の住民税から控除されます。ここにも上限があります。
税額から差し引く制度。所得税と翌年度の住民税にも上限
住宅ローン控除は、所得から差し引く所得控除ではなく、税額から差し引く税額控除です。計算上の控除額が、給付金のように現金で振り込まれるわけではありません。
差し引けるのは、その年の所得税額の範囲までです。所得税から引ききれない部分は、一定の範囲で翌年度の住民税から控除されますが、こちらにも上限があります。そのため、税額が少ない年は、計算上の控除額を使いきれないことがあります。
給付金のように考えると
- 計算した額が、現金で振り込まれる
- 税額の大小に関係なく、同じ額になる
- 毎月の給与の天引き額で、効果が分かる
税額控除として考えると
- その年の税額から差し引く
- 所得税と住民税で、控除できる範囲がある
- 効果は、1年分の最終的な税額で確かめる
会社員の場合、毎月の給与から天引きされる所得税は、年の途中で差し引かれている額で、1年分の最終的な税額と同じとは限りません。控除の効果は、天引きの額ではなく、年末調整や確定申告で計算した1年分の税額で確かめましょう。

住宅ローン控除は「振り込まれるお金」ではなく「税額から差し引く額」です。差し引ける税額がどれだけあるかを見ましょう。
所得が減る年も。返済の計画は控除と分けて考える
育休や働き方の変更で所得が減る年は、税額も変わるため、同じ税効果になるとは限りません。働き方の予定がある場合は、その年の税額の見込みもあわせて確かめておきましょう。
家計の計画では、広告の最大額ではなく、自分が実際に控除できる見込みを確認することが大切です。そのうえで、控除を受けることと、無理なく返済できることは別に考えましょう。返せる額を手取りから考える手順は、借りられる額まで借りていいかの記事で取り上げています。
控除の見込みを確かめるチェック
- 残高×0.7%の計算は、条件を省いた数字だと分かった
- 対象になる残高の上限を、住宅の区分などで確かめた
- 取得対価・補助金・非課税の贈与との関係を確かめた
- その年の所得税額の見込みを確かめた
- 住民税で控除される分にも上限があることを確かめた
- 控除がなくても返済できるかを、別に確かめた
FP相談では、住宅ローンの返済と、毎月の手取りや支出を並べて整理できます。控除額や税額がいくらになるかは、税務署・税理士に確かめましょう。
よくある質問
住宅ローン残高3,000万円なら、21万円が戻るのですか?
そのまま戻るとは限りません。仮に3,000万円×0.7%=21万円は、条件を省いた計算です。対象になる残高の上限、実際の税額、住民税の控除の上限、入居年などで、実際の控除額は変わります。
住宅ローン控除は、現金で振り込まれるのですか?
現金の給付ではありません。住宅ローン控除は税額から差し引く税額控除で、差し引けるのはその年の税額の範囲までです。所得税から引ききれない分は、一定の範囲で翌年度の住民税から控除されます。
所得税から引ききれない分は、住民税からすべて控除されますか?
すべてとは限りません。所得税から引ききれない部分は、一定の範囲で翌年度の住民税から控除されますが、こちらにも上限があります。上限の額は、この記事では示していません。
育休で所得が減る年も、同じだけ控除を受けられますか?
同じ税効果になるとは限りません。所得が減ると税額も変わるため、計算上の控除額を使いきれない場合があります。働き方の予定がある年は、税額の見込みも確かめましょう。
毎月の給与の天引き額を見れば、控除の効果が分かりますか?
天引きの額だけでは分かりません。控除は1年分の最終的な税額から差し引くため、年末調整や確定申告で計算した税額で確かめましょう。
※年末残高3,000万円・控除率0.7%は説明用の仮定です。控除の対象になる残高・取得対価・税額・入居年などによって、実際の控除額は異なります。
※住宅ローン控除は税額から差し引く税額控除で、現金の給付ではありません。所得税から引ききれない分の住民税からの控除にも上限があります(この記事では上限額を示していません)。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。確定申告は2026年分の所得税(原則2027年に申告)、ふるさと納税は2026年の寄附(原則2027年度の住民税)を中心に説明しています。制度は改正されることがあります。
※税額の計算や申告の判断など、個別の税務相談は税務署や税理士にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や資料、希望を整理する窓口です。
※特定の金融商品や、ふるさと納税の寄附先・返礼品・仲介サイトをおすすめするものではありません。
