公的保障・公的年金
遺族年金は、亡くなった人の年金の4分の3?遺族厚生年金の計算の基本
「遺族年金は、亡くなった人の年金の4分の3」。そう覚えていると、家族の備えを考えるときに、受け取る額を多めに見込んでしまうかもしれません。4分の3は、亡くなった人の年金の総額に掛ける割合ではないからです。この記事では、遺族厚生年金の基本的な計算と、受け取る人の条件、自分の年金との関係を分けて整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
遺族厚生年金の基本的な計算は、亡くなった方の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分の4分の3です。老齢基礎年金まで含めた総額の4分の3ではありません。加入期間の特例や加算などもあり、実際の額は個別の確認が必要です。受給条件も男女・年齢・子の有無などで異なり、配偶者なら誰でも受け取れるわけではありません。
この記事のポイント
- 4分の3の基本は報酬比例部分
- 基礎年金を含む総額の4分の3ではない
- 自分の老齢厚生年金とは支給調整
目次
遺族厚生年金の4分の3は、報酬比例部分に掛ける
会社員などとして働き、厚生年金に入っていた方が受け取る老齢年金には、2つの部分があります。1つは国民年金の老齢基礎年金、もう1つは厚生年金の老齢厚生年金です。遺族厚生年金の基本的な計算で使うのは、このうち老齢厚生年金の報酬比例部分です。報酬比例部分とは、厚生年金に加入していた間の給与などに応じて計算される部分のことです。
亡くなった方の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分に4分の3を掛けたものが、遺族厚生年金の基本的な額の考え方です。老齢基礎年金まで含めた、年金の総額に4分の3を掛けるわけではありません。
- 亡くなった方の老齢基礎年金
- 計算には含めない
- 亡くなった方の老齢厚生年金(報酬比例部分)
- 計算に使う部分
- 掛ける割合
- 4分の3
- 遺族厚生年金の基本
- 報酬比例部分 × 4分の3
※加入期間の特例や加算などもあり、実際の額は個別に確認が必要です。

年金の全部に4分の3を掛けると思っていました。基礎年金の分は入らないんですね。
「年金の総額×4分の3」と覚えると、見込みがずれる
「亡くなった人の年金の4分の3」と覚えていると、老齢基礎年金の分まで含めて見込んでしまいます。その分、遺された家族の生活費の見通しが、実際より多めになってしまうおそれがあります。
よくある覚え方
- 亡くなった人の年金の総額×4分の3
- 配偶者なら、当然に受け取れる
- 自分の年金に、そのまま満額を足せる
実際の考え方
- 報酬比例部分×4分の3が基本
- 男女・年齢・子の有無などで、受給条件が異なる
- 65歳以上で自分の老齢厚生年金があると、支給調整がある
加入期間の特例や加算などもあるため、実際の額は人によって違います。年金の名前と、計算に使う部分を分けて確かめることが大切です。
遺族厚生年金は、配偶者なら誰でも受け取れるわけではない
4分の3の計算は、受け取る条件を満たした場合の額の考え方です。遺族厚生年金を受け取れるかどうかは、いまのルールでは、男女・年齢・子の有無などによって条件が異なります。配偶者であれば当然に受け取れる、というものではありません。
受給の対象になる人の範囲や、加入期間などの条件、特例もあります。自分の家族の場合は、年金事務所で確かめましょう。
なお、遺族厚生年金には見直しの予定があり、遺族厚生年金の見直し予定の記事で、いまのルールと分けて取り上げています。国民年金から出る遺族基礎年金は、別の年金です(遺族基礎年金の対象者の記事)。
65歳以上で自分の老齢厚生年金もあるときは支給調整
受け取る方が65歳以上で、自分の老齢厚生年金もある場合は、その老齢厚生年金と遺族厚生年金を、そのまま満額ずつ足すわけではありません。両方の間で、支給の調整があります。
共働きの夫婦は、とくに気をつけたいところです。お互いに厚生年金に加入していると、片方が亡くなった後の年金を、2人分の足し算で考えてしまいがちです。片方が亡くなった後に受け取る額(手取り)は、別に計算しておきましょう。調整の具体的な扱いは個別の確認が必要なため、年金事務所で確かめます。

自分の老齢厚生年金と遺族厚生年金は、満額どうしの足し算にはなりません。一人になった後の手取りは、別に試算しましょう。
一人になった後の住居費や生活費も含めた家計の考え方は、一人になった後の家計の記事で整理しています。
名前・計算に使う部分・自分の年金との関係を分けて確認
遺族年金を家族の備えに組み込むときは、年金の名前、計算に使う部分、自分の年金との関係の3つを分けて確かめることが出発点です。受給の条件も、あわせて確認しておきましょう。
遺族年金を見込む前に確かめること
- 年金の名前:遺族基礎年金か、遺族厚生年金か
- 計算に使う部分:報酬比例部分×4分の3(基礎年金は含まない)
- 自分の年金との関係:65歳以上で自分の老齢厚生年金があれば支給調整
- 受給の条件:男女・年齢・子の有無などで異なる
家族の備えは、遺族年金などの公的保障を土台に考えます。あいマネの保険相談では、その前提で家計の不足と備え方を一緒に整理し、民間の保険も、貯金や固定費の見直しと同じく方法の一つとして検討します。遺族年金を受け取れるかどうかや額は、年金事務所などで確かめてください。
よくある質問
遺族厚生年金は、亡くなった人の年金の4分の3ですか?
基本的な計算は、亡くなった方の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分の4分の3です。老齢基礎年金まで含めた総額の4分の3ではありません。加入期間の特例や加算などもあり、実際の額は個別の確認が必要です。
配偶者が亡くなったら、誰でも遺族厚生年金を受け取れますか?
いいえ。いまのルールでは、男女・年齢・子の有無などで受給条件が異なり、加入期間などの条件や特例もあります。配偶者なら当然に受け取れるわけではないため、年金事務所で確かめましょう。
65歳以上で自分の年金がある場合、遺族厚生年金はそのまま上乗せされますか?
自分の老齢厚生年金もある場合は、両方を満額ずつ足すわけではなく、支給調整があります。具体的な扱いは個別の確認が必要なため、年金事務所で確かめましょう。
共働きの夫婦でも、遺族年金を試算しておいたほうがよいですか?
片方が亡くなった後に受け取る額は、2人分の年金をそのまま足したものにはなりません。自分の年金との調整も含めて、一人になった後の手取りを別に計算しておきましょう。
※遺族厚生年金には、受給対象者・加入期間などの条件と特例があります。65歳以上の、自分の年金との調整(併給調整)は、個別に確認が必要です。
※受給条件は、男女・年齢・子の有無などによって異なります。配偶者であれば当然に受け取れる、というものではありません。
※民間保険の加入や解約を勧める内容ではありません。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。


