公的保障・公的年金
学生納付特例なら、年金額も満額に近づく?追納と期限の確認
学生のとき、国民年金の学生納付特例を使った。これで将来の年金額も、保険料を納めた場合と同じになると思っていませんか? 学生納付特例は、保険料が免除される制度ではなく、納付を猶予する制度です。この記事では、年金額への反映のされ方、追納の期限、就職したら確かめたいことを整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
学生納付特例を使っただけでは、年金額は保険料を納めた場合と同じになりません。承認された期間は老齢年金の受給資格期間に入りますが、追納しない限り、老齢基礎年金の額には反映されません。追納は原則10年以内で、承認期間の翌年度から数えて3年度目以降は加算額が付く場合があります。就職したら記録と期限を確かめましょう。
この記事のポイント
- 学生納付特例は、納付の猶予
- 追納しないと年金額に反映されない
- 追納は原則10年以内
目次
学生納付特例とは?在学中の保険料の納付を猶予する制度
学生のうちは収入が少なく、国民年金の保険料を納めるのが難しいこともあります。学生納付特例は、本人の所得などの条件に応じて、在学中の保険料の納付を猶予する制度です。保険料の納付が免除されるのではなく、納付が猶予される(待ってもらえる)仕組みです。
対象になるかどうかは、本人の所得のほか、在学している学校が対象かどうかなどの条件で決まります。保護者の所得が多いことだけを理由に、対象外だと決めつけないようにしましょう。利用するには申請が必要で、承認を受けた期間が特例の対象になります。

親の収入が多いと使えないと思い込んでいました。本人の所得などで見る制度なんですね。
承認期間は資格期間に入るが、追納しないと年金額に反映されない
学生納付特例で承認された期間は、老齢年金の受給資格期間(受け取るために必要な期間)に入ります。一方で、追納しない限り、老齢基礎年金の額には反映されません。受け取る資格があることと、受け取る金額は、分けて考える必要があります。
受給資格期間(受け取れるか)
- 承認された期間は、資格期間に入る
- 何もしない未納の期間とは扱いが違う
老齢基礎年金の額(いくらか)
- 追納しない限り、反映されない
- 追納すると、年金額に反映される
老齢基礎年金の満額は、20歳から60歳までの40年間、保険料を納めた場合が基本です(受給資格期間と満額の違い)。学生納付特例の期間を追納しないままにすると、その期間は年金額に反映されないため、特例を使っただけで満額に近づくわけではありません。
学生納付特例・免除・未納の違い
学生納付特例は、保険料の「猶予」の一つです。保険料の「免除」や、何も手続きをしない「未納」とは扱いが異なるため、3つを分けて整理しておきましょう。
| 比べる点 | 学生納付特例(猶予) | 免除 | 未納 |
|---|---|---|---|
| 受給資格期間 | 入る(承認された期間) | 入る(承認された期間) | 入らない |
| 老齢基礎年金の額 | 追納しない限り反映されない | 猶予とは反映の仕方が違う | 反映されない |
| 障害年金などの納付要件 | 未納とは違い、意味がある | 未納とは扱いが異なる | 続くと満たせなくなる場合がある |
とくに見落としやすいのが、障害年金などの納付要件(保険料の納付状況についての条件)です。学生納付特例の承認期間は、未納とは違い、この条件を考えるうえでも意味があります。保険料が払えない時期の手続きは、保険料が払えないときの記事でも取り上げています。
追納は原則10年以内。3年度目以降は加算額が付く場合も
学生納付特例の期間の保険料は、あとから納める追納の仕組みがあります。追納できるのは、原則として10年以内です。期限が過ぎないうちに、記録と期限を確かめておきましょう。
また、承認期間の翌年度から数えて3年度目以降の追納には、加算額が付く場合があります。追納を考えるなら、期限だけでなく、いつ納めるかによる違いも確かめておきましょう。
追納は「いつか払えばいい」ものではなく、期限のある手続きです。承認期間ごとに、期限と加算額の有無を確かめましょう。
※追納できる期間、加算額、納める順序には決まりがあります。具体的な内容は、年金事務所で確かめてください。
就職したら、学生時代の記録と追納の期限を確かめる
働き始めたら、まず学生時代の記録を確かめましょう。学生納付特例が承認されている期間はいつか、追納の期限はいつまでかを把握しておくと、落ち着いて計画を立てられます。記録や期限は、年金事務所や市区町村の国民年金窓口で確かめられます。
学生時代の記録を確かめる
学生納付特例が承認されている期間を確認します。
追納の期限を確かめる
追納できるのは原則10年以内です。期間ごとの期限を把握します。
加算額が付くかを確かめる
承認期間の翌年度から数えて3年度目以降は、加算額が付く場合があります。
今の生活費と並べて考える
追納するか、いつ納めるかを、生活費や貯蓄とのバランスで考えます。納める順序は年金事務所で確かめます。

追納は、期限と今の生活費の両方を見て考えたいもの。まず記録と期限を確かめるところから始めましょう。
学生のときの手続きと、働き始めてからの確認は、セットで考えておくことが大切です。
よくある質問
学生納付特例を使った期間は、年金額に反映されますか?
追納しない限り、老齢基礎年金の額には反映されません。承認された期間は、老齢年金の受給資格期間には入ります。受け取る資格と金額は、分けて考えましょう。
学生納付特例の追納は、いつまでできますか?
追納できるのは原則10年以内です。承認期間の翌年度から数えて3年度目以降の追納には、加算額が付く場合があります。追納できる期間や納める順序は、年金事務所で確かめましょう。
親の所得が多いと、学生納付特例は使えませんか?
学生納付特例は、本人の所得などの条件に応じて納付を猶予する制度です。保護者の所得だけで対象外と決めつけず、在学している学校が対象かどうかも含めて、市区町村の国民年金窓口や年金事務所で確かめましょう。
学生納付特例と免除・未納は、何が違いますか?
学生納付特例は納付の猶予で、承認された期間は受給資格期間に入りますが、追納しない限り老齢基礎年金の額には反映されません。免除は猶予と年金額への反映の仕方が違い、未納は資格期間に入りません。未納とは、障害年金などの納付要件での扱いも異なります。
※学生納付特例には、本人の所得や在学している学校などの条件があります。承認されるかどうかは、申請先の機関が判断します。
※追納できる期間、加算額、納める順序は、年金事務所で確かめてください。
※学生納付特例(猶予)・免除・未納では、受給資格期間や年金額への反映、障害年金などの納付要件での扱いが異なります。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。
