公的保障・公的年金
公的年金は、老後だけのものではない?3つの年金の全体像
「年金は、年を取ってから受け取るお金」。そう思っていませんか? 公的年金には、老後を支える年金のほかに、病気やけがのときや、家族が亡くなったときの年金もあります。この記事では、3つの年金の全体像と、受け取れるかどうかを左右する条件、民間の保険を考える前に確かめたい順番を整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
公的年金は老後だけのものではありません。老齢年金のほかに、病気やけがで生活や仕事に制限が出たときの障害年金と、家族が亡くなったときの遺族年金があり、若い世代の暮らしにも関係します。ただし、病名や家族の死亡だけで受け取れるとは限りません。加入していた制度、保険料の納付状況、障害の程度、家族構成などの条件を確かめましょう。
この記事のポイント
- 年金は老後だけのものではない
- 老齢・障害・遺族の3つの年金がある
- 公的保障を知ってから、不足分を考える
目次
公的年金の種類は3つ:老齢年金・障害年金・遺族年金
公的年金と聞くと、老後に受け取るお金を思い浮かべる方が多いでしょう。たしかに、老後の暮らしを支える老齢年金は公的年金の柱です。ただ、公的年金にはほかに、障害年金と遺族年金があります。
| 年金の種類 | どんなときの年金か | 関係する世代 |
|---|---|---|
| 老齢年金 | 年を取ってからの暮らしを支える | 主に老後 |
| 障害年金 | 病気やけがで、生活や仕事に制限が出たとき | 若い世代も含む |
| 遺族年金 | 家族が亡くなったとき、遺された家族に | 若い世代も含む |
公的年金は、国民年金と、会社員などが加入する厚生年金からなる仕組みです。障害年金や遺族年金にも、国民年金から出る「基礎年金」と、厚生年金から出るものがあり、どの年金の対象になるかは、加入していた制度などによって変わります。

年金って、年を取ってからの話だと思っていました。病気やけがのときにも関係するんですね。
障害年金・遺族年金は、若い世代にも関係する
病気やけがは、年齢に関係なく起こります。障害年金は、病気やけがで生活や仕事に制限が出たときの年金です。老後になって初めて関係する制度ではなく、若い世代や働き盛りの世代にとっても、知っておきたい保障の一つです。
遺族年金も同じです。家族が亡くなったときの年金なので、子育て中の世帯など、若い家族の暮らしにもかかわります。たとえば遺族基礎年金の主な対象は、亡くなった方に生計を維持されていた、子のいる配偶者や子で、子の年齢などにも条件があります。厚生年金から出る遺族厚生年金は、これとは別に条件を確かめます。くわしくは遺族基礎年金の対象者の記事で取り上げます。
よくある思い込み
- 年金は、年を取ってから受け取るもの
- 若いうちは、年金とは関係がない
- 病名や家族の死亡で、受け取りが決まる
実際の仕組み
- 老齢・障害・遺族の3つの年金がある
- 病気やけが、家族の死亡は若い世代にも起こる
- 加入・納付・障害の程度・家族構成などの条件がある
受け取れるかを左右する条件:加入・納付・障害の程度など
ただし、病気になった、家族が亡くなったというだけで、受け取りが決まるわけではありません。それぞれの年金には受給要件があり、主に次のような点で条件が変わります。
- 加入していた制度:国民年金か、厚生年金か
- 保険料の納付状況:未納の期間がないか
- 障害の程度:生活や仕事に、どのくらい制限が出ているか
- 家族構成:亡くなった方との関係や、子どもの有無など
受け取れる場合の金額も一律ではなく、加入の記録や家族構成などによって人それぞれです。ほかの人の例や平均の金額を、そのまま自分に当てはめないようにしましょう。
また、3つの年金は互いに関係することがあります。たとえば老齢年金の受け取りを早める繰上げ受給は、一度請求すると取り消せず、その後の障害年金の請求などに影響する場合があります(繰上げ受給の減額と注意点)。
※各年金には受給要件があります。病名や家族の死亡だけで受給が決まるものではありません。自分が対象になるかは、年金事務所や市区町村の国民年金窓口などで確かめましょう。
民間保険の前に、公的保障・勤務先・貯蓄の順に確かめる
病気やけが、家族の死亡に備えようとするとき、いきなり民間の保険を選ぶ前に、まず自分にどんな公的保障があるかを確かめましょう。そのうえで、勤務先の保障や貯蓄と合わせ、それでも不足する部分を考えるのが順番です。
公的年金を確かめる
加入している制度と、保険料の納付状況を確認します。分からない点は年金事務所などへ。
勤務先の保障を確かめる
病気やけが、死亡のときに、勤務先独自の制度があるかを確認します。
使える貯蓄を確かめる
もしものときに、生活費として使える貯蓄がいくらあるかを把握します。
不足する部分を考える
ここまでで足りない部分に、どう備えるかを考えます。民間の保険は、その方法の一つです。

保険を選ぶ前に、まず公的年金でどんな保障があるかを確認。足りない分を考えるのは、そのあとです。
公的保障を家計全体に当てはめる考え方は、公的保障を知ったら、民間保険は不要?で整理しています。年金を老後だけの話にせず、いまの家計を守る準備の一つとして確かめてみましょう。
よくある質問
公的年金には、どんな種類がありますか?
老後を支える老齢年金、病気やけがで生活や仕事に制限が出たときの障害年金、家族が亡くなったときの遺族年金の3つです。それぞれに、国民年金から出る基礎年金と、厚生年金から出るものがあります。
若い世代でも、障害年金や遺族年金は関係ありますか?
関係します。病気やけが、家族の死亡は、年齢に関係なく起こりうるためです。ただし受け取れるかどうかは、加入していた制度や保険料の納付状況、障害の程度、家族構成などの条件で決まります。
病気になったら、障害年金はもらえますか?
病名だけで決まるものではありません。加入していた制度、保険料の納付状況、障害の程度などの受給要件があります。自分の場合は、年金事務所や市区町村の国民年金窓口などで確かめましょう。
障害年金や遺族年金があるなら、民間の保険はいりませんか?
それだけでは決められません。まず自分が対象になりうる公的年金と条件を確かめ、勤務先の保障や貯蓄と合わせて、不足する部分があるかを考えます。民間の保険は、その不足に備える方法の一つです。
※各年金には受給要件があります。病名や家族の死亡だけで受給が決まるものではありません。
※受給額や支給の可否は、加入していた制度、保険料の納付状況、障害の程度、家族構成などによって異なり、一律ではありません。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。


