公的保障・公的年金
国民年金と厚生年金、二重に払っている?二階建ての仕組みと保険料
給与明細に「厚生年金」の文字。国民年金とは別に、年金の保険料を二重に払っているのでは、と気になったことはありませんか? 会社員などで厚生年金に加入している方は、原則として国民年金の分も含めた形で負担しています。この記事では、公的年金の二階建ての仕組みと保険料の負担のしかた、転職や独立のときに確かめたいことを整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
原則として、二重に払っているわけではありません。公的年金は、土台の国民年金と、会社員などが加入する厚生年金の二階建てです。厚生年金の加入者は原則として国民年金にも同時に加入していて、その保険料を別に納める必要はありません。厚生年金の保険料は、原則として会社と本人が折半します。年齢などによる例外もあるため、自分の加入記録で確かめましょう。
この記事のポイント
- 国民年金が土台・厚生年金が上乗せ
- 厚生年金加入中は原則まとめて負担
- 転職・独立時は加入区分を確認
目次
公的年金は二階建て:国民年金が土台、厚生年金が上乗せ
日本の公的年金は、2つの制度を重ねた「二階建て」の仕組みです。1階は、基礎となる国民年金。2階は、会社員などが加入する厚生年金で、国民年金の上に積み上がる形になっています。
どの階まであるかは、働き方によって変わります。会社員などは1階と2階の両方に加入します。自営業者などは、1階の国民年金が中心です。
| 働き方の例 | 加入する年金 | 保険料の負担のしかた |
|---|---|---|
| 会社員など | 国民年金+厚生年金(二階建て) | 厚生年金の保険料として、原則まとめて負担 |
| 自営業者など | 国民年金が中心 | 国民年金の保険料を、自分で納める |

給与明細に厚生年金とあったので、国民年金の保険料も別に払っていると思っていました。
老齢厚生年金は、加入期間と給与・賞与の記録で決まる
2階部分にあたる将来の老齢厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や、その間の給与・賞与などの記録に応じて決まります。同じ会社員でも、加入していた期間や給与の記録が違えば、将来の年金額も変わります。
1階部分の老齢基礎年金にも、受け取るための条件と、金額の決まり方があります。加入した期間の長さと金額の関係は、受給資格期間と満額の違いで整理しています。
自営業者などは、1階の国民年金を中心に老後の準備をします。収入が減って保険料を納めるのが難しいときは、条件に応じて免除や納付猶予を申請できる場合があります(保険料が払えないときの記事)。保険料も将来の年金額も、加入履歴などによって人それぞれです。
転職・独立で加入区分は変わる。職業名だけで判断しない
会社員から自営業者へ、自営業者から会社員へ。転職や独立をすると、加入する年金の組み合わせが変わることがあります。たとえば会社員から自営業者になると、それ以降は厚生年金に加入せず、国民年金が中心の形になるのが一般的です。保険料の納め方も変わるため、変わる前後で確かめておきましょう。
大切なのは、いまの職業名だけで判断しないことです。いまは自営業でも、以前に会社員として厚生年金に加入していた期間があれば、その期間の記録も将来の年金にかかわります。年金は、これまでの加入記録の積み重ねで考えます。
いまの加入区分を確かめる
厚生年金に加入しているか、国民年金が中心かを確認します。
変わった後の加入区分を確かめる
転職先や独立後に加入する年金と、保険料の納め方を確認します。
これまでの記録を見る
会社員だった期間と、自営業などだった期間を、期間ごとに確かめます。
分からない点を窓口で確かめる
勤務先の社会保険担当や年金事務所で、自分の場合を確認します。
自分の年金が何階建てか、ねんきんネットで確かめる
自分の年金が何階建てなのかは、ねんきんネットで加入記録を見ると確かめやすくなります。国民年金だけに加入していた期間と、厚生年金にも加入していた期間を、分けて見ておきましょう。記録をもとに、将来の見込額を条件を変えて試算することもできます(ねんきんネットで条件を変えて試算する方法)。
加入記録で確かめたいこと
- いま加入しているのは、国民年金だけか、厚生年金もか
- 会社員だった期間と、自営業などだった期間
- 転職や独立の前後で、加入区分がどう変わったか
- 分からない点を、勤務先や年金事務所で確かめた

肩書きより、これまでの記録。何階建てかが分かると、老後に向けて準備したい部分も見えてきます。
よくある質問
会社員は、国民年金の保険料も別に納める必要がありますか?
原則として、別に納める必要はありません。厚生年金の加入者は国民年金にも同時に加入していて、厚生年金の保険料としてまとめて負担する仕組みです。年齢などによる例外もあるため、自分の加入区分は勤務先や年金事務所で確かめましょう。
厚生年金の保険料は、誰が負担していますか?
原則として、会社と本人が半分ずつ負担(折半)します。給与明細に載っているのは、原則として本人が負担する分です。
会社員から独立すると、年金はどう変わりますか?
加入する年金の組み合わせが変わることがあります。自営業者などは国民年金を中心に老後の準備をする形が一般的で、保険料の納め方も変わります。手続きや納め方は、年金事務所などで確かめましょう。
将来の老齢厚生年金の額は、何で決まりますか?
厚生年金に加入していた期間や、その間の給与・賞与などの記録に応じて決まります。以前に会社員だった期間の記録もかかわるため、いまの職業だけで判断せず、加入記録を確かめましょう。
※加入区分・適用関係には、年齢などによる例外があります。表の働き方と加入する年金は、一般的な例です。
※保険料と将来の年金額は、加入履歴などによって人それぞれ異なります。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。
