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老後資金を取り崩すときは、平均利回りだけで計算しない
老後の資金を、運用しながら毎年取り崩して使いたい。そのとき、「平均で何%増えるか」だけで計画を立てていませんか? 運用しながら引き出す場合は、同じ値動きでも、上がる順番と下がる順番によって結果が変わることがあります。この記事では、その理由と、計画を立てるときの準備を整理します。
運用しながら引き出す場合は、値上がりと値下がりの順番も結果に影響するためです。早い時期に大きく下がり、その時点で生活費を引き出すと、残る資産が小さくなります。その後に相場が戻っても、回復に参加できる元手が減っています。一定の利回りが毎年続く前提だけで取り崩せる額を決めず、不利な順番も想定しましょう。
この記事のポイント
- 取り崩し中は値動きの順番も重要
- 下落時の売却で元手が減る
- 生活費と運用資金を分けて考える
老後資金の取り崩しでは、値動きの順番も影響する
老後の資金計画では、「平均で何%増えるか」という数字を使って考えることがあります。しかし、運用しながら引き出す場合は、平均の数字だけでなく、値上がりと値下がりの順番も結果に影響します。
お金を出し入れせずに持ち続けるだけなら、同じ値動きの順番が入れ替わっても、最後の資産額は計算上同じです。ところが、途中で生活費を引き出すと、どの時点で、どれだけ残っている資産から引き出すかによって、結果が変わります。
下落が先に来る順番
- 早い時期に大きく下がる
- 下がった時点で生活費を引き出す
- 回復に参加できる元手が減る
同じ値動きが逆の順番
- 大きな下落は後の時期に来る
- 早い時期の引き出しは、下落前の資産から
- 残る資産が変わることがある

平均で増える割合が同じなら、結果も同じだと思っていました。
早い時期の下落で、取り崩しの元手が減る理由
特に気をつけたいのは、取り崩しの早い時期に大きく下がる場合です。下がった時点で生活費を引き出すと、値下がりした資産を売ってお金を用意することになり、残る資産が小さくなります。
その後に相場が戻っても、回復に参加できる元手は減っています。引き出して使った分は、相場が戻っても運用には戻りません。そのため、同じ値動きが逆の順番で起きた場合と、結果が変わることがあります。
取り崩し中は、平均の数字だけでなく、値動きの順番も結果に影響します。
退職後に運用しながら使い始めるときの注意点は、退職後に運用しながら使う記事でも解説しています。
取り崩せる額は、一定の利回りの前提だけで決めない
一定の利回りが毎年続く前提で計算すると、値下がりする年がなく、順番による違いも生まれません。しかし実際の運用では、値上がりする年も値下がりする年もあり、その順番は前もって分かりません。
| 計画の前提 | 見落としやすい点 |
|---|---|
| 一定の利回りが毎年続く | 実際は、値上がりの年も値下がりの年もある |
| 平均の利回りで計算する | 取り崩し中は、値動きの順番も結果に影響する |
| 一定の割合で取り崩す | 資金の維持が保証されるわけではない |
だから、一定の利回りが毎年続く前提だけで、取り崩せる額を決めないことが大切です。老後の計画は、平均の数字だけでなく、不利な順番も想定して確かめてみましょう。運用の利回りを高めに置いて不足を埋める考え方の注意点は、利回りを上げれば解決?で解説しています。
取り崩しに備える準備:生活費と運用資金を分ける
不利な順番が来ても、下がった資産を慌てて売らずに済むように、前もって準備しておくことが大切です。たとえば、次のような方法があります。
近く使う生活費を別に確保する
近く使う生活費は、運用している資金と分けて用意しておきます。下落した時期に、資産を売らなければならない場面を減らすためです。
取り崩す金額を調整できるか考える
下落したときに、取り崩す金額を調整できる余地があるかを考えておきます。
不利な順番も想定する
早い時期に大きく下がった場合でも、計画が成り立つかを確かめます。
積み立てる時期と使う時期では、考える点も変わります。増やすための計画とあわせて、使うときの計画も立てておきましょう。

平均の数字だけでなく、不利な順番が来ても暮らせるかを、一度確かめておきましょう。
よくある質問
老後資金の取り崩しを、平均利回りで計算してはいけませんか?
平均の数字だけで決めないことが大切です。運用しながら引き出す場合は、値上がりと値下がりの順番も結果に影響し、同じ値動きでも逆の順番なら結果が変わることがあります。不利な順番も想定しましょう。
なぜ早い時期の値下がりが影響するのですか?
下がった時点で生活費を引き出すと、残る資産が小さくなるためです。その後に相場が戻っても、回復に参加できる元手が減っています。
取り崩しの時期に値下がりしたら、どうすればいいですか?
あらかじめ、近く使う生活費を別に確保しておく、下落時に取り崩す金額を調整できるか考えておく、といった準備が大切です。生活費と運用資金を分けて考えましょう。
毎年一定の割合で取り崩せば、資金はずっと維持できますか?
一定の割合で取り崩しても、資金の維持が保証されるわけではありません。一定の利回りが毎年続く前提だけで、取り崩せる額を決めないことが大切です。
積み立てる時期と取り崩す時期で、考え方は違いますか?
考える点も変わります。取り崩す時期は、運用しながら引き出すため、値上がりと値下がりの順番も結果に影響します。近く使う生活費を別に確保するなどの準備が大切です。
※一般的な取り崩しリスクの説明です。一定率の取崩しが資金の維持を保証するものではありません。
※将来の運用成果を予想するものではありません。特定の商品や取り崩し方をすすめるものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。


