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債券中心の投資信託なのに、なぜ値下がりする?
「債券中心だから、預金に近い感覚で持てるはず」。そう考えて選んだ投資信託の基準価額が、買ったときより下がっていると戸惑うかもしれません。利息が入っているのなら、少しずつでも増えていきそうなものです。ここでは、債券ファンドの値打ちを形づくる要素を分けて、金利が上がったときに何が起きるのか、選ぶ前に何を確かめればよいのかを見ていきます。
債券ファンドの値打ちは、受け取る利息だけで決まるわけではないからです。組み入れた債券そのものの市場での値段や、外国の資産なら為替も基準価額を動かします。金利の水準が上がる局面では、利率が決まっている一般的な債券は値下がりしやすく、利息を受け取っていてもファンド全体ではマイナスになることがあります。
この記事のポイント
- 利息のほかに債券の時価や為替も効く
- 金利が上がると、債券の値段は下がりやすい
- 期間・信用力・通貨・ヘッジ方針を確かめる
目次
債券ファンドの基準価額は何で動く?利息・時価・為替
債券ファンドは、国債や社債といった債券を中心に組み入れ、その利息を受け取りながら運用する投資信託です。ただ、基準価額(投資信託の値段)は、入ってくる利息を足し上げただけの数字ではありません。
ファンドが持つ債券は、そのときどきの市場での値段(時価)で評価されます。外国の債券であれば、それを円に直すときの為替も関わってきます。
| 基準価額を動かすもの | 働く向き | 動く主なきっかけ |
|---|---|---|
| 受け取る利息 | プラス | 持っている債券の利率 |
| 債券の時価 | プラスにもマイナスにも | 市場金利の変化、発行体の信用力の変化など |
| 為替(外国の債券の場合) | プラスにもマイナスにも | 円高・円安 |
たとえるなら、家賃収入のある部屋を持っているようなものです。家賃は入ってきますが、その部屋をいま売ったらいくらになるかという相場は、別の理由で上下します。家賃を受け取っていても、相場の下がり方のほうが大きければ、財産全体は目減りします。

利息がもらえる商品なのに値下がりするなんて、どういうことでしょう?
金利が上がると、債券の値下がりが利息を上回ることも
基準価額を下げる大きなきっかけのひとつが、市場金利の上昇です。新しく出る債券の利率が高くなると、低い利率のまま決まっている手持ちの債券は、そのままの値段では買い手がつきにくくなります。その結果、固定利付債券(利率が最初から決まっている債券)の時価は、一般に下がる方向に動きます。
このとき、ファンドには利息も入っています。それでも、持っている債券の値下がり幅が利息を上回れば、差し引きで基準価額は下がります。「利息がある=値下がりしない」とはならないのは、このためです。なぜ金利で債券の値段が動くのかは、金利と債券価格の関係を扱った記事でくわしく取り上げています。
影響の大きさは商品によって違い、金利の変化に敏感な商品ほど値動きが大きくなることがあります。一般に、満期までの期間が長い債券ほど、金利が動いたときの値段の変化も大きくなりやすいとされます。この敏感さの目安は満期が遠い債券の値動きを扱った記事で解説しています。
「国債中心」だけでは分からない、債券ファンドの確認点
債券ファンドを比べるとき、国債が中心か社債が中心かは入口にすぎません。値動きの性格を左右するのは、組み入れた債券の期間、発行体の信用力、通貨、そして為替ヘッジの方針です。
債券ファンドの中身を見るチェック
- 主な投資先は国債か、社債か
- 組み入れた債券の期間は長めか、短めか(金利の影響の受けやすさ)
- 発行体の信用力はどうか(利息や元本を約束どおり払えるか)
- 円の債券か、外貨の債券か
- 外貨の場合、為替ヘッジをするか、しないか
手がかりは目論見書(投資信託の説明書)にあります。表紙まわりの商品分類を見れば、主に債券へ投資するファンドか、国内・海外・内外のどこに投資するのかが分かります。為替ヘッジの有無などは、属性区分という欄に示されます。
同じ「債券ファンド」という呼び名でも、こうした中身が違えば、値動きのしかたは変わります。
債券ファンドは預金とどう違う?利息の部分と値段の部分
「債券」という言葉から、利息が付いて増えていく預金のようなものを想像する人もいるでしょう。けれども債券ファンドには、利息で増える部分とは別に、時価で値段が動く部分があります。言葉の響きだけで、預金と同じものとして扱わないことが大切です。
よくある思い込み
- 債券中心なら値動きはほとんどない
- 利息が入っていれば値下がりしない
- 国債か社債かだけ見れば十分
実際は
- 持っている債券の時価で基準価額が動く
- 時価の下がり方が大きければ全体は下がる
- 期間・信用力・通貨・ヘッジ方針でも変わる
なお、個別の債券と債券ファンドも同じではありません。一般的な債券ファンドには、買った金額を満期に返すという約束がない点を、債券と債券ファンドの違いを扱った記事で確かめておきましょう。
利息で増える部分と、時価で動く部分。2つに分けて見ると、基準価額が動く理由がつかみやすくなります。

「債券だから預金と同じ」と考えず、何を、どれくらいの期間、どの通貨で持っているかまで見てみましょう。
よくある質問
債券ファンドは利息が入るのに、なぜ基準価額が下がるのですか?
受け取る利息に加えて、持っている債券の時価や、外国の資産なら為替でも基準価額が動くためです。金利が上がって債券の時価が下がり、その下がり幅が利息より大きければ、全体では値下がりします。
金利が上がったら、債券ファンドはみな同じだけ下がりますか?
そうとは限りません。金利の変化に敏感な商品ほど影響が大きく出ることがあり、組み入れた債券の期間なども関わります。実際の動き方は、何を組み入れ、どう運用しているか、そのときの市場の状況によって変わります。
国債が中心の債券ファンドなら、値下がりしませんか?
そうとは言い切れません。国債が中心でも、利率が決まっている債券であれば、金利が上がると時価は下がる方向に動きます。国債か社債かに加えて、期間、通貨、為替ヘッジの方針も確かめましょう。
債券ファンドと預金は、何が違いますか?
債券ファンドには、利息で増える部分のほかに、持っている債券の時価で値段が動く部分があります。そのため基準価額は上がることも下がることもあります。「債券」という言葉から、預金と同じものと考えないことが大切です。
※ここでの説明は一般的な債券ファンドを想定したものです。実際の値動きは、何を組み入れているか、どんな方針で運用しているか、市場がどう動くかで変わります。
※将来の金利や為替の動きを予想したり、特定の商品をすすめたりするものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

