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基準価額5,000円の投信は、2万円より割安?

証券会社のアプリで投資信託を探していると、基準価額5,000円のファンドと2万円のファンドが並んでいることがあります。「同じお金でたくさん買える5,000円のほうが得では?」と感じたら、少し立ち止まりましょう。この記事では、基準価額という数字の成り立ちと、仮に同じ金額で買ったときの計算、見比べるときの着眼点を順に確かめます。

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いろいろな玉とコインが入ったかごの3Dイラスト
結論

低いから割安、とは言えません。基準価額とは、ファンドの純資産を総口数で割った「持ち分の値段」で、ふつうは1万口当たりなどの単位で示されます。同じ金額なら低いほうは口数が増えるだけで、投資先が同じ割合で動くなら、値上がり率が大きくなるわけでもありません。数字の差には、運用開始の時期や分配の履歴も表れています。

この記事のポイント

  1. 低い基準価額は「割安」の印ではない
  2. 数字の差には開始時期や分配の履歴も映る
  3. 比べるなら中身と条件をそろえて
目次
  1. 基準価額とは?純資産を口数で割った「持ち分の値段」
  2. 仮に同じ金額で買ったら?口数と持ち分の計算
  3. 基準価額に差がつくのは?始めた時期と分配金の回数
  4. 投資信託の比べ方:基準価額より先に見る4つの点
  5. よくある質問

基準価額とは?純資産を口数で割った「持ち分の値段」

投資信託は、大勢から集めたお金をひとつの財布にまとめて運用し、一人ひとりの持ち分を「口(くち)」という単位で数えます。基準価額は、その財布の中身の正味の金額である純資産を、全体の口数で割って出す数字です。

表示は1口ごとではなく、1万口当たりなどのまとまりで行うのが一般的です。1万口当たり5,000円なら、1口に直すと5,000円 ÷ 1万口 = 0.5円。何口当たりの数字かは商品によって違うので、2つを並べる前に単位を見ておきましょう。

よくある疑問

1万口で5,000円なら、2万円のファンドの4分の1の値段。それだけ安いということでは?

ここでたとえに使いたいのが両替です。お札を細かいお札に替えると枚数は増えますが、財布の合計は変わりません。口数と基準価額もこれに似ていて、1口が安いからといって、中身を多く手にできるわけではないのです。

仮に同じ金額で買ったら?口数と持ち分の計算

数字で確かめてみます。仮に、2つのファンドを2万円分ずつ買うとします。表示はどちらも1万口当たりで、費用はかからないものとします。

仮に2万円ずつ買った場合(どちらも1万口当たりの表示)
5,000円のファンドで買える口数
2万円 ÷ 5,000円 × 1万口 = 4万口
2万円のファンドで買える口数
2万円 ÷ 2万円 × 1万口 = 1万口
5,000円のファンドの持ち分
4万口 × 5,000円 ÷ 1万口 = 2万円
2万円のファンドの持ち分
1万口 × 2万円 ÷ 1万口 = 2万円
口数は4倍違っても、持ち分の金額は
どちらも2万円

※費用や分配を考えない、説明のための単純な計算です。

口数が4倍あっても、1口の値段は4分の1。掛け合わせた持ち分の金額は同じです。この先、2つの投資先が同じ割合で値動きするなら、持ち分の増え方も減り方も同じ割合になります。基準価額が低いことを理由に、値上がり率が大きくなるわけではありません。

ポイント

「値段が半分なら2倍お得」という買い物の感覚は、基準価額には持ち込まないようにしましょう。

株式でも事情は似ていて、1株の値段の大小だけでは、安い株かどうかは決められません(株の値段の安さを考えた記事)。

基準価額に差がつくのは?始めた時期と分配金の回数

では、なぜファンドによって5,000円だったり2万円だったりするのでしょうか。数字の差には、割安かどうかより、それぞれのファンドがたどってきた道のりが映っています。

似たような投資先のファンドでも、こうした事情が違えば、基準価額の水準は離れていきます。
基準価額を動かしてきたもの数字への表れ方
運用を始めた時期スタートからの値動きが積み重なった結果が、いまの数字になる
分配金を出した回数分配金はファンドの財産から払われるため、出したぶん基準価額は下がる
投資先何を持っているかで、値動きのしかたそのものが変わる

長く運用してきたファンドと、最近スタートしたファンドでは、値動きが積み重なった年月がまるで違います。分配金をこまめに出してきたファンドは、そのたびに基準価額が下がっています。数字の高い低いは、成績の良し悪しや割安さを、そのまま示すものではないのです。

分配金と基準価額の関係は、毎月分配型の投資信託を取り上げた記事でくわしく扱っています。

投資信託の比べ方:基準価額より先に見る4つの点

別々のファンドを見比べるときに大切なのは、値札の数字ではなく中身と条件です。比べる2本は投資先が近いものを選ぶと、差がどこから来るのかをつかみやすくなります。

  1. 何に投資しているか(国内か海外か、株式か債券か など)
  2. どんなリスクを取っているか
  3. 費用がどれくらいかかるか
  4. 分配金をどう出す方針か

基準価額を見たときのセルフチェック

  • 何口当たりの表示か、単位を確かめた
  • 「低い=割安」「高い=割高」と決めつけていない
  • 数字の差に、開始時期や分配の履歴が混ざっていると分かった
  • 投資先・リスク・費用・分配方針を見比べた

こうした中身は、投資信託の説明書である目論見書で確かめられます。読み始める場所に迷ったら、目論見書の読み方の記事も参考にしてください。

FPのひとこと

基準価額は、そのファンドの持ち分の値段を示す数字。安さを測る物差しではないと覚えておきましょう。

よくある質問

基準価額が低い投資信託のほうが、たくさん買えて有利ですか?

同じ金額なら、基準価額が低いほど買える口数は増えます。ただ、1口の値段が低いぶん、持ち分の金額は変わりません。投資先が同じ割合で動くなら、基準価額が低いほうの値上がり率が大きくなるわけでもなく、口数の多さで有利かどうかは決まりません。

基準価額の「1万口当たり」とは、どういう意味ですか?

1万口ぶんの値段で表しているという意味です。たとえば1万口当たり5,000円なら、1口は0.5円です。表示の単位は商品によって違うことがあるため、数字を比べる前に確かめましょう。

似た投資先なのに、基準価額が大きく違うのはなぜですか?

運用を始めた時期や、これまでに分配金を出した回数などが違うためです。分配金はファンドの財産から払われるので、出すたびに基準価額は下がります。数字の差は、割安さを示すものではありません。

基準価額が高い投資信託は、成績がよかったということですか?

そうとは限りません。基準価額の水準には、始めた時期や分配の履歴も関わります。中身を知りたいときは、投資先、リスク、費用、分配方針などを、条件をそろえて見比べましょう。

※1万口当たりなど、基準価額をどの単位で示すかは商品ごとに違います。異なるファンドどうしは、基準価額の水準の高低だけでは比べられません。

※計算例は、表示単位をどちらも1万口当たりとし、費用や分配を考えない仮の例です。特定の商品をすすめるものではありません。

※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。

※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

参考にした資料

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