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労災で休業すると、給料の80%が戻る?休業補償の計算と4日目からの給付
仕事中のけがで休むことになったとき、「労災なら給料の80%が戻る」と聞いてほっとしていませんか? 80%は2つの給付を合わせた割合で、計算の基礎は手取りの給与ではありません。この記事では、80%の内訳と計算の基礎、給付が始まる日と最初の3日間の扱い、ほかの給付との調整、請求の前に整理したいことを順に確かめます。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
そのままの意味ではありません。療養のため働けず、賃金を受けないなどの条件を満たすと、原則として休業4日目から、休業(補償)等給付60%と休業特別支給金20%、合わせて80%が支給されます。ただし計算の基礎は給付基礎日額で、直前の手取り給与の80%とは別です。最初の3日間の扱いや、ほかの給付との調整も確かめましょう。
この記事のポイント
- 原則、休業4日目から
- 60%+特別支給金20%で計80%
- 給付基礎日額と手取り給与は別
目次
労災の休業補償は80%?60%と特別支給金20%の内訳
仕事中や通勤中のけが・病気で休むとき、労災保険から休業の給付を受けられる場合があります。療養のために働けず、賃金を受け取れないなどの条件を満たすと、原則として休業4日目から支給されます。
「給料の80%」と言われるのは、2つの給付を合わせた割合です。一つは休業(補償)等給付で60%、もう一つは休業特別支給金で20%。この2つを合わせると80%になります。
- 休業(補償)等給付60%
- 休業特別支給金20%
- 合計80%
※給付基礎日額に対する割合です。手取り給与に対する割合ではありません。

給料の80%がそのまま出ると思っていました。2つの給付を合わせた割合なんですね。
80%は、休業の給付を合わせた割合です。労災保険のすべての給付が「給与の80%」という意味ではありません。
計算の基礎は給付基礎日額:手取り給与の80%ではない
60%や20%を掛ける相手は、給付基礎日額です。給付基礎日額は、労災の給付の計算に使う1日当たりの額で、原則として、けがや病気の原因となった事故などの前の賃金をもとに計算します。
一方、手取りは、給与から税金や社会保険料などが差し引かれた後に受け取る額です。もとにする金額が違うので、直前の手取り給与の80%が、そのまま振り込まれるわけではありません。
- 休業(補償)等給付
- 給付基礎日額 × 60%
- 休業特別支給金
- 給付基礎日額 × 20%
- 1日当たりの合計
- 給付基礎日額 × 80%
※対象になる日ごとの計算の考え方です。給付基礎日額は人によって違うため、金額の例は示していません。自分の日額と支給の可否は、勤務先や労働基準監督署で確かめましょう。
給付率の80%だけを覚えて家計の見込みを立てると、実際の額とずれることがあります。まず自分の給付基礎日額を確かめ、そこに割合を掛けて考えましょう。
休業4日目から支給:最初の3日間は業務災害と通勤災害で違う
休業の給付は、原則として休業4日目から支給されます。休業の最初の3日間は待期期間と呼ばれ、この間は労災保険の休業の給付が出ません。
この最初の3日間の扱いは、仕事中の災害(業務災害)と通勤災害で異なります。業務災害の場合は、待期期間について、事業主(勤務先)による休業補償などの扱いを勤務先に確かめましょう。通勤災害の場合も、最初の3日間がどう扱われるかを、勤務先や労働基準監督署で確かめておきましょう。
| 休業した日 | 業務災害(仕事中) | 通勤災害 |
|---|---|---|
| 最初の3日間(待期期間) | 労災の休業の給付は出ない。事業主の休業補償などを確認 | 労災の休業の給付は出ない。業務災害とは扱いが異なる |
| 4日目以降 | 条件を満たす日が給付の対象 | 条件を満たす日が給付の対象 |
傷病手当金など、ほかの給付と重なるときは調整を確認
同じけがや病気について、労災とは別の給付を受ける場合には、調整の確認が必要です。たとえば健康保険の傷病手当金を思い浮かべて、「労災の80%に、傷病手当金も上乗せされる」と考えるのは避けましょう。両方を満額で足した金額を前提に、家計を組まないことが大切です。
傷病手当金は、原則として業務外(仕事が原因ではないもの)の病気やけがを対象にした、健康保険の給付です(病気で会社を休んだときの傷病手当金)。仕事や通勤によるけがや病気は、まず労災保険の給付を確かめることになります。原因がはっきりしないときは、勤務先や労働基準監督署に相談しましょう。
ほかの給付を受けている、または受ける予定があるときは、労災の請求とあわせて、調整の有無を確かめましょう。
労災の休業の給付を請求する前に整理すること
休業の給付を請求するときは、休業した日や給与の支払い状況、医師の証明などを整理し、勤務先や労働基準監督署に相談しながら進めます。給付率だけでなく、対象になる日と計算の基礎を確かめることが大切です。
請求の前に整理すること
- 仕事中・通勤中のどちらのけがや病気か
- 休業を始めた日と、働けなかった日
- 休業中に、給与が支払われた日があるか
- 医師の証明をもらう準備ができているか
- 業務災害なら、最初の3日間の事業主の休業補償などを確かめたか
- 傷病手当金など、ほかの給付を受けていないか・受ける予定はないか

割合の数字より先に、対象の日と計算の基礎を。見込みの額が分かれば、休む間の家計も組み立てやすくなります。
パートやアルバイトの方も、労災保険の対象になるかどうかは雇用形態の名前では決まりません(アルバイトの仕事中のけがと労災)。休業中の家計の不足は、公的保障を前提に、貯蓄や固定費の見直しとあわせて整理しておきましょう。
よくある質問
労災で休業すると、給料の80%が支給されるのですか?
条件を満たす場合、休業(補償)等給付の60%と休業特別支給金の20%を合わせて80%です。ただし計算の基礎は給付基礎日額で、直前の手取り給与の80%が、そのまま振り込まれるわけではありません。
労災の休業の給付は、休んだ初日から出ますか?
原則として休業4日目からです。最初の3日間(待期期間)の扱いは、業務災害と通勤災害で異なります。業務災害の場合は、事業主の休業補償などを勤務先に確かめましょう。
給付基礎日額とは何ですか?手取りとは違いますか?
労災の給付の計算に使う1日当たりの額で、原則として、事故などの前の賃金をもとに計算します。給与から税金や社会保険料などが差し引かれた後の手取りとは、別のものです。
労災の休業の給付と傷病手当金は、両方を足して受けられますか?
同じけがや病気で別の給付を受ける場合は、調整の確認が必要です。両方を満額で足した額を前提に、家計を組まないようにしましょう。傷病手当金の対象は、原則として業務外の病気やけがです。
労災の給付は、どれも給料の80%ですか?
いいえ。80%は、休業(補償)等給付と休業特別支給金を合わせた、休業の給付の割合です。労災保険のすべての給付が、給与の80%という意味ではありません。
※休業の給付には、業務災害・通勤災害の認定、療養のため働けないこと、賃金を受けないことなどの条件があります。
※80%は、給付基礎日額に対する休業(補償)等給付(60%)と休業特別支給金(20%)を合わせた割合で、手取り給与の80%ではありません。
※業務災害の待期期間(最初の3日間)は、事業主の休業補償などを勤務先に確かめてください。
※同じ傷病で傷病手当金などほかの給付を受ける場合は、調整の確認が必要です。両方を満額で足した額を前提にしないでください。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。

