公的保障・医療・病気
病気で会社を休んだら、給料の代わりはある?傷病手当金の条件と額
病気で働けなくなり、会社を休むことに。給料が出ない間、生活費はどうなるのでしょうか? 会社員などが加入する健康保険には、条件を満たすと支給される傷病手当金があります。この記事では、対象になる条件と、いつから・いくら・いつまでの考え方、申請の流れを、手取りや暦との違いに気をつけながら整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
会社員などの健康保険には、業務外の病気やけがで働けず、給与が十分に支払われない場合に、条件を満たすと支給される傷病手当金があります。連続3日間の待期のあと、4日目以降の対象日が支給の対象です。額は標準報酬月額を基にした日額のおよそ3分の2で、手取りの3分の2と同じとは限りません。期間は支給開始から通算1年6か月が基本です。
この記事のポイント
- 連続3日の待期のあと、4日目から
- 標準報酬を基にした日額の3分の2
- 通算1年6か月が基本・申請が必要
目次
傷病手当金とは:病気で休む間の収入を補う給付
傷病手当金は、会社員などが加入する健康保険の給付です。病気やけがで働けず、給与が十分に支払われないときに、条件を満たすと支給されます。対象は、健康保険の被保険者本人です。
原則として、仕事が原因ではない(業務外の)病気やけがが対象です。入院している場合に限らず、入院せずに自宅で療養している場合も、条件を満たせば対象になることがあります。
- 業務外の病気やけがで、働けないこと(原則)
- 給与が十分に支払われていないこと
- 連続する3日間の待期を終えていること
- 医師や勤務先の証明などをそろえて申請すること
※このほか、給与などとの調整や、加入期間などの条件があります。自分が当てはまるかは、加入している健康保険で確かめましょう。

給料が止まったら家賃も払えない…と思っていました。休む間に、健康保険から出るお金があるんですね。
傷病手当金はいくら?3分の2は手取りの3分の2ではない
額は、標準報酬月額をもとにした日額の、およそ3分の2です。標準報酬月額とは、毎月の給与などを決められた幅(等級)に当てはめた金額で、健康保険の保険料や給付の計算に使われます。
一方、手取りは、給与から税金や社会保険料などが差し引かれた後に受け取る金額です。計算の土台が違うため、いまの手取り給与の3分の2と同じになるとは限りません。
思い込みやすい見方
- いまの手取り給与の3分の2が出る
- 給料日のように、決まった日に振り込まれる
実際の考え方
- 標準報酬月額をもとにした日額の、およそ3分の2
- 給与が支払われる日があれば、調整されることがある
- 申請してから振り込まれるまで、時間差がある
自分の標準報酬月額は、勤務先や加入している健康保険で確かめられます。休みが長くなりそうなときは、早めに見込みの額を聞いておくと、家計の準備を進めやすくなります。
いつから・いつまで?4日目から、通算1年6か月
傷病手当金には、待期という期間があります。病気やけがで働けない日が連続して3日間あったあと、4日目以降の対象日について支給されます。
1〜3日目:待期
働けない日が、連続して3日間続くことが必要です。この3日間は支給されません。
4日目以降:支給の対象
働けず、給与が十分に支払われない日が対象になります。
申請
医師や勤務先の証明などをそろえて、加入する健康保険へ申請します。
振込
申請から振込までには時間差があります。入金の時期は、加入先の手続きによります。
支給される期間は、支給開始から通算1年6か月が基本です。「通算」は、同じ病気やけがで支給された期間を合計して数えるという意味です。途中で仕事に戻り、支給されなかった期間は数えません。
| 比べること | 暦で数える(誤解しやすい例) | 通算で数える(傷病手当金) |
|---|---|---|
| 数える期間 | 支給開始日からカレンダーどおり | 同じ病気やけがで支給された期間の合計 |
| 途中で仕事に戻った期間 | 数えに入れてしまう | 支給されない期間は数えない |
| 終わる時期 | 支給開始日から1年6か月後 | 途中に復帰があれば、暦より後になることがある |
傷病手当金の申請:必要な証明と労災の確認
傷病手当金を受けるには、申請が必要です。医師の証明や勤務先の証明などをそろえて、加入する健康保険組合や協会けんぽへ申請します。まず勤務先の担当者に、手続きの流れを確かめましょう。
申請から振込までの時間差も見込んでおきます。最初の入金までの生活費を、貯蓄などでどうまかなうか考えておきましょう。
傷病手当金の対象は、原則として業務外の病気やけがです。仕事や通勤による病気・けがは、労災保険の給付を確認する必要があります。仕事や通勤が原因かもしれないときは、勤務先に伝えて扱いを確かめましょう(労災で休業したときの給付)。
申請の前に確かめること
- 仕事や通勤が原因の病気・けがではないか(原因なら労災を確認)
- 働けない日が連続3日間あり、4日目以降も休んでいるか
- 休んだ日に、給与が支払われるかどうか
- 医師と勤務先の証明を、いつ・誰に頼むか
- 申請先と申請の方法(勤務先経由かどうか)
- 振り込まれるまでの生活費を、どうまかなうか
病院代の保障と、休業中の収入の保障は別
病気で休むときのお金は、病院に払う医療費と、休んでいる間の生活費に分かれます。医療費には、対象となる自己負担が上限を超えた分が支給される高額療養費制度があります(高額療養費の仕組み)。
一方、傷病手当金は、休業中の収入を補う給付です。片方があっても、もう片方の代わりにはなりません。家賃や住宅ローン、保険料など、休んでいる間も続く支払いを書き出し、傷病手当金の見込みと貯蓄で足りるかを確かめましょう。
足りない分の備え方には、貯蓄を増やす、固定費を見直す、民間の保険を検討するなど、いくつかの方法があります。どれを選ぶかを比べる手順は、公的保障と民間保険の関係の記事が参考になります。

病院代の備えと、休む間の生活費の備えは別の箱。まず勤務先と加入先で、条件と見込みの額を確かめましょう。
よくある質問
傷病手当金は、手取りの3分の2が支給されるのですか?
そうとは限りません。額は、標準報酬月額をもとにした日額のおよそ3分の2で、いまの手取り給与の3分の2と同じになるとは限りません。給与が支払われる場合などは調整もあります。見込みは加入先で確かめましょう。
傷病手当金は、休んだ初日から支給されますか?
いいえ。働けない日が連続して3日間ある待期のあと、4日目以降の対象日について支給されます。最初の3日間は支給の対象になりません。
支給期間の1年6か月は、カレンダーどおりに数えるのですか?
支給期間は、支給開始から通算1年6か月が基本です。同じ病気やけがで支給された期間を合計して数えるため、途中で仕事に戻った期間があると、暦の1年6か月とは終わる時期が変わることがあります。
入院していなくても、傷病手当金の対象になりますか?
入院していない自宅療養でも、条件を満たす場合は対象になることがあります。医師や勤務先の証明などが必要なため、勤務先と加入している健康保険に確かめましょう。
仕事中のけがでも、傷病手当金を申請できますか?
傷病手当金の対象は、原則として業務外の病気やけがです。仕事や通勤による病気・けがは、労災保険の給付を確認しましょう。まずは勤務先に相談してください。
※傷病手当金は、健康保険の被保険者本人が対象です。給与などとの調整や、加入期間などの条件があります。
※仕事や通勤による病気・けがは、労災保険の給付を確認してください。
※「3分の2」は、標準報酬月額をもとにした日額に対するおよその割合で、手取り給与に対する割合ではありません。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。

