FP相談・住宅ローン相談・保険相談オンライン/対面(立川)

公的保障・仕事・失業・労災

アルバイトの仕事中のけが。労災は使えない?対象の考え方と相談先

「アルバイトだから、仕事中にけがをしても労災は使えない」。そう思い込んで、請求をあきらめていませんか? 労災保険は、原則としてパートやアルバイトを含む労働者が対象です。この記事では、対象になる人の考え方、仕事中と通勤中のけがで確かめる条件、会社が協力してくれないときの相談の進め方を整理します。

更新 監修 要確認:監修するFP約5分で読めます

かばんとヘルメットとコインの3Dイラスト

2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。

結論

使えないとは限りません。労災保険は、原則としてパートやアルバイトを含む労働者が対象で、業務や通勤によるけがや病気について給付があります。ただし、仕事中のことなら何でも認められるわけではなく、業務との関係や、通勤の経路・方法などの条件を確かめて判断されます。会社が協力しない場合も、労働基準監督署に相談できます。

この記事のポイント

  1. パート・アルバイトも原則対象
  2. 業務・通勤との関係を確認
  3. 会社が非協力でも監督署へ相談
目次
  1. アルバイトも労災保険の対象:雇用形態の名前では決まらない
  2. 仕事中のけがは業務災害:業務との関係を確かめて判断
  3. 通勤中のけがは通勤災害:合理的な経路・方法などの条件
  4. 会社が労災に協力してくれないときは労働基準監督署へ
  5. 労災の相談前に整理したい記録と、休む間のお金
  6. 相談・申請先
  7. よくある質問

アルバイトも労災保険の対象:雇用形態の名前では決まらない

労災保険は、仕事や通勤が原因のけがや病気について給付を行う公的な保険です。対象は、原則として会社などに雇われて働く労働者で、パートやアルバイトも含まれます。正社員かどうかといった雇用形態の呼び名で、対象から外れるわけではありません。

よくある思い込み

  • アルバイトやパートは、労災の対象外
  • 仕事中のけがなら、何でも労災になる
  • 会社が認めなければ、請求できない

実際の考え方

  • パート・アルバイトを含む労働者が、原則として対象
  • 業務との関係などを確かめて判断される
  • 会社の承認だけで認定が決まるわけではない
よくある疑問

アルバイトは正社員と違うから、労災は関係ないと思っていました。

一方で、雇われて働く人とは扱いが異なる方もいます。自営業の方や会社の役員などは、そのままでは労働者と同じ扱いにならないことがあり、特別加入(労働者ではない人のうち一定の人が、手続きをして労災保険に加入する仕組み)など、別の確認が必要です。

仕事中のけがは業務災害:業務との関係を確かめて判断

仕事が原因のけがや病気は、業務災害と呼ばれます。ただし、仕事中に起きたことが、何でも労災と認められるわけではありません。どのような作業をしていて、どのように起きたのかなど、業務との関係を確かめたうえで判断されます。

判断のもとになるのは、事故の状況と制度の条件です。会社が「労災だ」「労災ではない」と言ったかどうかだけで、認定が決まるわけではありません。請求を受けた労働基準監督署が、事故の状況などを確かめて個別に判断します。

ポイント

労災に当たるかどうかは、「アルバイトかどうか」ではなく、事故の状況と制度の条件で確かめます。

通勤中のけがは通勤災害:合理的な経路・方法などの条件

家と職場の行き帰りなど、通勤が原因のけがや病気は、通勤災害として給付の対象になる場合があります。ただし、通勤には、合理的な経路や方法であることなどの条件があります。

とくに気をつけたいのが、帰り道の寄り道です。帰宅の途中でどこかに立ち寄った場合、その寄り道がどんなものでも通勤として扱われるわけではありません。どこへ、どんな理由で立ち寄ったかなどによって扱いが変わることがあるため、「対象になる」「ならない」を自分だけで決めつけないようにしましょう。

どちらも、認定には条件があります。対象になるかどうかは、事故の状況などをもとに個別に判断されます。
比べること業務災害通勤災害
どんなけが・病気か仕事が原因のもの通勤が原因のもの
確かめること業務との関係など合理的な経路・方法などの条件
気をつけたい思い込み仕事中なら何でも対象になるどんな寄り道も対象になる
相談先労働基準監督署労働基準監督署

会社が労災に協力してくれないときは労働基準監督署へ

「会社が労災の加入手続きをしていないらしい」「手続きに協力してくれない」。そんなときも、それだけを理由に請求をあきらめる必要はありません。事故の状況や受診先、勤務の記録を整理して、労働基準監督署に相談しましょう。

  1. 受診する

    病院では、仕事中や通勤中のけがであることを伝えます。

  2. 記録を残す

    事故の日時・場所・状況、受診した医療機関、勤務の記録を手元にまとめます。

  3. 勤務先に伝える

    けがをしたことと、その状況を伝えます。協力が得られない場合も、記録は残しておきます。

  4. 労働基準監督署に相談

    記録をもとに、請求の進め方や必要な書類を相談します。

  5. 判断を待つ

    労災に当たるかどうかは、事故の状況などをもとに個別に判断されます。

FPのひとこと

会社に言い出しにくくても、まずは記録を残すことから。日付や状況のメモが、相談のときの助けになります。

受診のときに、仕事や通勤に関係するけがだと伝えておくことも大切です。窓口での手続きや必要な書類は、受診する医療機関でも確かめましょう。

労災の相談前に整理したい記録と、休む間のお金

相談の場では、いつ、どこで、何をしていてけがをしたのかを順に説明することになります。記憶があいまいにならないうちに、次のことを書き出しておきましょう。

労働基準監督署に相談する前に整理すること

  • けがをした日時・場所と、そのときの作業や移動の様子
  • 受診した医療機関と、仕事や通勤のけがだと伝えたか
  • 勤務の記録(シフト表、出勤・退勤の記録など)
  • 通勤中のけがなら、ふだんの経路・方法と当日の経路
  • 勤務先に伝えた日と、そのときのやりとり

けがで仕事を休むことになったときの休業中の給付は、労災で休業したときの給付で説明しています。仕事や通勤と関係のない病気やけがで休む場合は、健康保険の傷病手当金を確かめます(病気で会社を休んだときの傷病手当金)。

FPのひとこと

雇用形態で決めつけず、まず記録と相談を。休む間の家計は、給付の見込みが分かってから組み直しましょう。

休んでいる間も、家賃や保険料などの支払いは続きます。公的保障を前提に、貯蓄や固定費の見直しとあわせて、家計の不足と備え方を整理しておきましょう。働く人向けのほかの公的保障は、仕事・失業・労災の公的保障の一覧から探せます。

よくある質問

アルバイトやパートでも、労災保険は使えますか?

原則として、パートやアルバイトを含む労働者が労災保険の対象です。ただし、業務や通勤との関係などの条件を確かめて判断されるため、仕事中のけがが何でも認められるわけではありません。

会社が労災の手続きに協力してくれないときは、どうすればいいですか?

それだけを理由に、請求をあきらめる必要はありません。事故の状況、受診先、勤務の記録を整理して、労働基準監督署に相談しましょう。

会社に「労災ではない」と言われたら、請求できないのですか?

会社の承認だけで、労災の認定が決まるわけではありません。事故の状況と制度の条件をもとに判断されるため、記録を整理して労働基準監督署に相談しましょう。

帰り道に寄り道をしてけがをしても、通勤災害になりますか?

どんな寄り道でも対象になるわけではありません。通勤には合理的な経路や方法などの条件があり、立ち寄った場所や理由などで扱いが変わることがあります。労働基準監督署で確かめましょう。

自営業や会社の役員でも、労災保険の対象になりますか?

自営業の方や役員などは、労働者と扱いが異なることがあり、特別加入など別の確認が必要です。自分がどの仕組みに当たるかを、労働基準監督署などで確かめましょう。

※業務災害・通勤災害の認定には条件があります。仕事中や通勤中のけがでも、そのまま認められるとは限りません。

※通勤中のけがは、合理的な経路や方法などの条件で判断されます。寄り道をした場合は、その理由などによって扱いが変わることがあります。

※自営業者や役員などは、特別加入など別の確認が必要です。

※労災に当たるかどうかは、会社の承認だけで決まるものではありません。

※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。

※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。

参考にした資料

シミュレーションFPに相談する