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満期が遠い債券ほど価格は大きく動く?修正デュレーションで考える
金利が上がったというニュースのあと、持っている2本の債券の値段を見比べたら、下がり方がずいぶん違っていた。そんな差を読み解く手がかりになる数字に、修正デュレーションがあります。この記事では、その意味を数値5と10の試算で確かめ、満期の長さとの関係や、選ぶ前に見ておきたい点をまとめます。
条件がよく似た債券どうしで比べると、一般に満期までが長いほど、金利が動いたときの価格の振れは大きくなりやすいです。その振れやすさを数字で表したものが修正デュレーションです。仮に5なら金利1パーセントポイントの上昇で価格は約5%、10なら約10%下がると概算できます。大きな金利変化では、この概算と実際の差が広がります。
この記事のポイント
- 修正デュレーションは値動きの「倍率」の目安
- 仮に5なら、金利+1ポイントで約5%下がる計算
- 利回りと一緒に、満期までの長さも見る
目次
修正デュレーションとは?金利の動きを価格に映す倍率
利息があらかじめ決まっている債券は、世の中の金利が上がると、価格が下がる方向に動きます(仕組みは金利と債券価格の関係の記事で解説しています)。ただ、その下がり方は債券ごとに違い、似たような債券どうしでも差が出ることがあります。
その差を見積もる手がかりが修正デュレーションです。金利の変化が、価格の変化におおよそ何倍になって表れるかを示す目安で、この数字が大きい債券ほど、同じ金利の動きでも価格が大きく振れやすくなります。
将来の値段を言い当てる数字ではなく、「金利が動いたら、この債券はどのくらい揺れやすいか」をつかむための物差しだと考えると、使いどころが見えてきます。

金利の動きは同じなのに、債券によって下がり方が違うのが不思議でした。
数値5と10で比べる、金利1ポイント上昇時の値下がり
見積もりの計算は、かけ算ひとつです。価格の変化率は、おおよそ「金利の変化幅 × 修正デュレーション」で求められ、金利が上がる場合は価格が下がる向きになります。ここでいう「1パーセントポイント」は、%で表した金利の値が、ちょうど1だけ増える動きのことです。
- 数値5の債券
- 1ポイント × 5 ≒ 約5%の値下がり
- 数値10の債券
- 1ポイント × 10 ≒ 約10%の値下がり
- 2つの差
- 同じ金利の動きでも、値下がりの目安は2倍
※ほかの条件を一定にした近似です。実際の価格の変化は、この計算とは異なります。
数値が5の債券と10の債券では、同じ1ポイントの金利上昇に対する値下がりの見込みが、約5%と約10%に分かれます。数値が倍になれば、揺れの目安も倍になるという関係です。
ただし、これはほかの条件を変えずに金利だけが動いたと考えた概算です。金利が大きく動いた場面などでは、計算と実際の価格の差が広がります。途中で売るときの値段は、その時点の市場で決まります。
満期まで長い債券ほど値動きが大きくなりやすい理由
条件のよく似た債券どうしなら、一般に、満期までの期間が長いほど、金利の変化による値動きは大きくなりやすいとされます。利息が決まった債券は、市場の金利との差を抱えたまま満期まで進むため、満期が遠いほど、その差を抱える年数が長くなる、と考えるとイメージしやすいでしょう。
市場の金利が上がる
利息が決まっている手持ちの債券は、見劣りする状態になります。
見劣りが続く年数
満期が遠い債券ほど、その状態が長く続きます。
価格で釣り合いを取る
見劣りの分だけ価格が下がる方向に動くため、長い債券ほど値下がりが大きくなりやすくなります。
このため、修正デュレーションも、満期が遠い債券ほど大きくなりやすい数字です。とはいえ、残りの年数をそのまま当てはめたものではないので、数値は債券ごとに確かめる必要があります。
デュレーションをめぐる3つの思い込みと実際
便利な目安ですが、読み違えやすい点もあります。よくある受け止め方と、実際のところを並べました。
思い込み
- 修正デュレーションは、残りの年数と同じ数字
- 計算した値下がり幅のとおりに価格が動く
- 利回りが少し高ければ、期間の長さは気にしなくてよい
実際は
- 残存年数とは別の数字で、一致するとは限らない
- ほかの条件を一定にした概算で、金利の動きが大きいほどずれやすい
- 期間が長いぶん、途中で売るときの値動きも大きくなりやすい
もとになるデュレーションは、利息や元本を受け取るまでの期間を、金額の重みをつけて平均したような数字です。途中で受け取る利息の分なども反映されるため、満期までの年数とは一致しないのがふつうです。
利回りが少し高い長期の債券を選ぶ前の確認
候補の中に、利回りは少し高いけれど、満期がずっと先という債券があったとします。利回りの差は目に入りやすい一方、値動きの大きさは見落とされがちです。その差だけで決めずに、いつまでそのお金を置いておけるか、途中で売ることになったら価格がどの程度動きうるかを、利回りと並べて考えましょう。利回りの読み方は利率と利回りの違いの記事にまとめています。
長い債券を選ぶ前のチェック
- そのお金を使う予定の時期と、満期の時期
- 途中で売る可能性があるかどうか
- 修正デュレーションなど、値動きの目安となる数字
- 利回りの差と、値動きの大きさを並べて考えたか

利回りの少しの差に目を奪われず、いつまで持てるか、途中でどれだけ動きうるかを一緒に見て決めましょう。
よくある質問
修正デュレーションという数字は、何を表していますか?
金利が動いたとき、債券の価格がどのくらい振れやすいかを表す目安です。価格の変化率は、おおよそ金利の変化幅に修正デュレーションを掛けた大きさと見積もれます。数字が大きいほど、価格は振れやすくなります。
修正デュレーション10なら、金利1ポイント上昇で何%下がる?
近似では約10%の値下がりです(1パーセントポイント × 10)。ほかの条件を一定にした概算なので、金利が大きく動いたときなどは、実際の価格の変化とのずれが大きくなります。
満期までの年数と修正デュレーションは、同じですか?
同じではありません。修正デュレーションは金利が動いたときの価格の振れやすさを示す目安で、残りの年数をそのまま表した数字ではありません。両方を別々に確かめましょう。
満期が長い債券のほうが、値動きは大きいのですか?
条件が似た債券どうしなら、一般に満期までが長いほど、金利の変化による値動きは大きくなりやすいです。利回りが少し高くても、保有できる期間と、途中で売る場合の値動きの大きさを合わせて確かめましょう。
金利の「1パーセントポイント上昇」とは、何を指しますか?
%で表した金利の値そのものが、ちょうど1だけ増えることです。「1%上がる」と言うと、もとの金利の1%分と取り違えやすいため、%どうしの差にはポイントという言い方を使います。
※例に挙げた数値5と10、そして1パーセントポイントの金利上昇は、計算の考え方を示すための仮の条件です。ほかの条件を一定にした近似で、実際の価格の変化は計算と異なります。
※残存年数(満期までの残りの年数)と修正デュレーションは、別の数字です。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
