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金利が上がると、なぜ債券の価格は下がる?

「金利が上がるのは、利息を受け取る人にとって良い話」。それなのに、持っている債券の価格は下がることがあります。矛盾しているように見えますが、理由は固定された利息と新しい金利の比較にあります。この記事では、年1%と年2%の債券を例に、その仕組みを順を追って整理します。

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債券の証書とコインの3Dイラスト
結論

持っている債券の利息が固定されているからです。年1%の債券を持っているときに、同じような条件の新しい債券が年2%で買えるようになると、年1%の債券は同じ値段では選ばれにくくなります。そこで、利回りが見合うように価格が下がる方向に調整されます。

この記事のポイント

  1. 市場金利↑→固定利付債の価格↓が基本
  2. 古い利息と新しい金利を比べる
  3. 途中で売るときは価格に注意
目次
  1. 金利が上がると債券価格が下がる理由
  2. 年1%の債券と年2%の債券を比べると
  3. 金利が下がると、債券の価格は上がる方向に
  4. 満期まで持つ予定でも、途中で売るときは価格に注意
  5. よくある質問

金利が上がると債券価格が下がる理由

一般的な固定利付債は、決められた利率の利息が、満期まで変わらずに付く債券です。市場の金利が上がっても、すでに持っている債券の利息は増えません。この「利息が固定されている」ことが、価格が動く理由の出発点です。

たとえば、年1%の固定利息が付く債券を持っているとします。その後、市場の金利が上がり、同じような条件の新しい債券が年2%で買えるようになったら、どうなるでしょうか。

  1. 年1%の債券を持っている

    受け取る利息は、年1%で固定されています。

  2. 市場の金利が上がる

    同じような条件の新しい債券が、年2%で買えるようになります。

  3. 年1%の債券が選ばれにくくなる

    同じ値段なら、利息の多い年2%の債券を選ぶ人が多くなります。

  4. 価格が下がる方向に調整される

    年1%の債券は、利回りが見合うように、価格が下がる方向に動きます。

よくある疑問

金利が上がったのに、持っている債券の値段は下がるんですね。

年1%の債券と年2%の債券を比べると

2つの債券を並べると、価格が動く理由が見えてきます。

同じような条件の債券を比べた一般的なイメージです。利率は説明用の仮定です。
比べるポイント持っている債券新しい債券
利率年1%(固定)年2%(固定)
同じ値段で並んだら選ばれにくい選ばれやすい
価格の動き利回りが見合うよう下がる方向新しい金利の水準で買える

固定利付債の利率は、買った後に変わりません。変わるのは、売り買いされる値段です。利息が同じでも、安い値段で買えれば、払った金額に対する利回り(利息などの受け取りの割合)は高くなります。こうして年1%の債券も、年2%の債券と見合う利回りになるように、価格が下がる方向へ調整されるのです。利率と利回りの違いは利率3%と利回り3%、同じ意味?で解説します。

ポイント

金利の上昇と債券価格の下落は、矛盾ではありません。固定された利息と、新しい金利を比べた結果です。

金利が下がると、債券の価格は上がる方向に

反対に、市場の金利が下がると、すでに発行された固定利付債の価格は上がる方向に働きます。新しい債券の利率が低くなれば、決まった利息を受け取れる既存の債券が、相対的に選ばれやすくなるためです。

市場の金利が上がると

  • 新しい債券の利率が高くなる
  • 持っている債券は選ばれにくくなる
  • 価格は下がる方向

市場の金利が下がると

  • 新しい債券の利率が低くなる
  • 持っている債券は選ばれやすくなる
  • 価格は上がる方向

つまり、市場の金利と固定利付債の価格は、反対の方向に動くのが基本です。金利のニュースを見たら、持っている債券の価格にどちら向きの力が働くかを考えてみましょう。

ただし、これはあくまで基本の動きです。実際の債券価格は、債券を発行した会社などの信用状態によっても動きます。金利だけで価格が決まるわけではありません。

満期まで持つ予定でも、途中で売るときは価格に注意

満期まで持つ予定でも、途中で現金が必要になれば、債券を売ることになるかもしれません。そのときは、この価格変動が関係します。市場の金利が上がった後に売ると、買ったときより低い価格になることもあります。

債券を持つ前のチェック

  • 固定利付債か、ほかの仕組みの債券か確かめた
  • 途中で現金が必要になる可能性を考えた
  • 金利が上がると、価格が下がる方向に動くことを理解した
  • 金利のほかに、信用状態でも価格が動くことを知っている

なお、この記事は通常の固定利付債の一般論です。個人向け国債や特殊な条件の債券は、仕組みが異なる場合があるため、別に確認しましょう。個人向け国債を途中で換金する場合については、個人向け国債を途中で換金すると、いくら引かれる?で解説します。

FPのひとこと

債券の価格は、固定された利息と新しい金利の比べ合いで動きます。途中で売る可能性まで考えておきましょう。

よくある質問

金利が上がると、なぜ債券価格は下がるのですか?

すでに持っている債券の利息が固定されているためです。新しい債券がより高い利率で買えるようになると、古い債券は同じ値段では選ばれにくくなり、利回りが見合うように価格が下がる方向に調整されます。

金利が下がると、債券価格はどうなりますか?

既存の固定利付債券の価格は、上がる方向に働きます。新しい債券の利率が低くなると、決まった利息を受け取れる既存の債券が相対的に選ばれやすくなるためです。ただし、実際の価格は信用状態などでも動きます。

満期まで持つなら、価格の変動は気にしなくていいですか?

途中で現金が必要になって売る場合は、その時点の価格が関係します。満期まで持つ予定でも、途中で売る可能性がないか、近く使う予定のあるお金ではないかを確かめておきましょう。

個人向け国債も、金利が上がると価格が下がりますか?

この記事の説明は、通常の固定利付債の一般論です。個人向け国債や特殊な条件の債券は仕組みが異なる場合があるため、商品ごとに確認しましょう。

※年1%・年2%は説明用の仮定です。通常の固定利付債の一般論で、実際の価格は金利のほか、信用状態などでも動きます。

※個人向け国債や特殊な条件の債券は、仕組みが異なる場合があるため別途確認してください。

※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。

※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

参考にした資料

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