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債券の「利率3%」と「利回り3%」は同じ意味?

債券の案内で「利率3%」という数字を見て、払ったお金が1年で3%増えると受け取っていませんか。利率は債券そのものに付いた条件で、あなたがいくらで買ったかは入っていません。払った金額に対してどれだけ受け取れるかを表すのは、利回りのほうです。ここでは98万円で手に入れた額面100万円の債券を例に、2つの%の違いを計算で確かめます。

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債券の証書とコインの3Dイラスト
結論

いいえ、別の数字です。利率は、毎年の利息が額面の何%かを表すもので、買値とは関係なく決まっています。利回りは、払った金額に対し、利息と満期に戻る額面との差額を合わせてどれだけ受け取れるかを表します。仮に額面100万円・利息年3万円・満期まで1年の債券を98万円で手に入れた場合、利率は3%でも利回りは約5.1%と計算できます(税金・経過利子・費用を除いた単純な計算)。

この記事のポイント

  1. 利率の基準は額面、利回りの基準は払った金額
  2. 利回りには満期に戻る額面との差額も入る
  3. 98万円で買えば利息3万円+差額2万円
目次
  1. 利率と利回りの違いは「割り算の基準」にある
  2. 額面100万円を98万円で買った例で利回りを計算
  3. 利率が高くても利回りが低くなる買い方
  4. 債券の利回りを比べる前に確かめたいこと
  5. よくある質問

利率と利回りの違いは「割り算の基準」にある

どちらも%で表されますが、何を基準に割った数字かが違います。利率は、債券の額面(券面に書かれた、満期に返ってくる約束の金額)を基準に、1年分の利息がその何%にあたるかを示します。額面100万円で利息が年3万円なら、利率は3%です。

利回りは、実際に払った金額を基準にします。受け取るお金には、毎年の利息に加えて、満期に戻る額面と買値との差も含めて考えます。債券はいつも額面ちょうどの値段で買えるわけではないので、同じ債券でも、買った値段によって利回りは変わります。

満期の差額は、残りの年数でならして1年あたりに直して考えます。
比べる点利率利回り
割り算の分母(基準)額面実際に払った金額
割り算の分子(受け取るもの)1年分の利息利息+満期の差額(1年あたり)
買値が変わったときそのまま上がったり下がったりする
よくある疑問

同じ「3%」でも、割る相手が違えば別の数字になるんですね。

額面100万円を98万円で買った例で利回りを計算

例として、満期まであと1年で、額面100万円・利息年3万円の債券を98万円で買えたとします。1年後に利息3万円を受け取り、満期には額面の100万円が予定どおり戻ってくる前提で、利回りを出してみましょう。

98万円で買った債券の1年間(単純な計算)
1年間に受け取る利息
3万円
満期に戻る額面と買値の差
2万円(100万円 − 98万円)
受け取るお金の合計
5万円(3万円 + 2万円)
払った98万円に対する割合
約5.1%(5万円 ÷ 98万円)

※税金・経過利子・費用は含めていません。利息は1年後に3万円、満期に額面どおり償還される前提です。

利率は3%のままでも、額面より2万円安く買えた分が上乗せされ、払った金額に対する割合は約5.1%になりました。利息だけを見ていると、この2万円が抜け落ちてしまいます。

比べるために、同じ債券を額面どおり100万円で買った場合も考えます。このときは差がないので、受け取るのは利息の3万円だけ。3万円 ÷ 100万円で利回りは3%となり、利率とぴったり重なります。2つの%がずれるのは、買値が額面から離れたときだとわかります。

利率が高くても利回りが低くなる買い方

今度は逆に、額面より高い値段で買った場合です。満期に戻ってくるのは額面までなので、額面を超えて払った分は戻りません。この戻らない分が利息の一部を打ち消すため、利回りが利率を下回ることがあります。満期に何が戻るかは満期に戻る金額についての記事でくわしく扱っています。

差の効き方には、残りの期間も関係します。満期の差額は、残りの年数でならして1年あたりに直して考えるのが一般的です。同じ差額でも、残りが長ければ1年あたりの影響は小さく、短ければ大きくなります。

よくある思い込み

  • 利率3%なら、利回りも3%
  • 利回りの差は、利息の多い少ないだけで決まる
  • 利回りが高ければ、それだけで選んでよい

実際は

  • 買値しだいで、利回りは利率より高くも低くもなる
  • 満期の差額と残りの年数も利回りを動かす
  • 返済が滞るリスクや費用は、利回りの数字とは切り分けて確かめる

債券の利回りを比べる前に確かめたいこと

ここまでの計算は、税金や経過利子、費用を含めない単純な例です。経過利子とは、最後に利息が支払われた日から買った日までの間に生じている利息分のお金で、途中の時点で債券を買うと、代金とは別に必要になることがあります。表示された利回りが、こうした要素をどう扱った数字なのかも見ておきましょう。

また、利回りが高く見えても、発行体がお金を返せなくなるリスクや、売り買いのたびにかかるコストは別の問題です。費用の見落としやすい点は購入手数料ゼロでも残る費用の記事で整理しています。

利回りで比べる前のチェック

  • 表示の数字が「利率」なのか「利回り」なのか
  • 買値と額面、どちらが高いか
  • 満期までの残り年数
  • 税金や経過利子、費用をどう扱っているか
  • 発行体が返済できなくなるリスク
FPのひとこと

利率は債券に付いた名札のようなもの。比べるときは、買値と残りの期間を入れた利回りで見ましょう。リスクと費用は別に確認を。

よくある質問

債券の利率と利回りは、どちらを見て比べればいいですか?

比べる中心は利回りです。利率は額面に対する利息の割合で、いくらで買うかが反映されません。利回りなら、買値や満期の差額、残りの期間まで含めて比べられます。ただし、お金が返ってこないリスクや費用は利回りの外にあるので、別に確認しましょう。

どんなときに、利回りが利率を上回りますか?

主に、額面を下回る値段で買ったときです。満期に額面が戻れば、利息に加えて買値との差額も受け取れるからです。たとえば額面100万円・利息年3万円・満期まで1年の債券なら、98万円で買ったときの単純な利回りは約5.1%です(税金・経過利子・費用を除く)。

額面より高い値段で買った債券は、利回りがどうなりますか?

利率を下回ることがあります。満期に返ってくるのは額面までで、上回って払った分は戻らないためです。利息と、戻らない分の両方を合わせて考えましょう。

利回り約5.1%は、どんな計算で出した数字ですか?

利息3万円と、満期に戻る額面100万円と買値98万円の差額2万円を足した5万円を、払った98万円で割った数字です。税金・経過利子・費用を除き、1年後に額面どおり償還される前提の単純な計算です。

※例に使った額面100万円・利息年3万円・残り1年・買値98万円は、仕組みを示すための仮定です。1年後に利息3万円を受け取り、満期に100万円が額面のとおり戻るものとして、税金・経過利子・費用を入れずに計算しました。

※実際の債券には、発行体の返済が滞るリスクや売買のコストもあります。表示される利回りの前提は、商品の説明資料で確かめてください。

※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。

※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

参考にした資料

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