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「5年後に償還予定」なら、5年定期と同じ?満期と繰上償還の違い

説明資料に「5年後に償還予定」とあり、ちょうど5年後に使う予定のお金がある。そんなとき、5年定期に預けるのと同じ感覚で考えてよいのでしょうか。この記事では、その「5年後」がどんな種類の日付なのかを見分ける方法と、思っていた時期にお金が戻らない場合への備え方をまとめます。

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債券の証書とコインの3Dイラスト
結論

5年定期と同じ感覚で考えるのは早計です。最初に確かめたいのは、その日が満期か、それとも発行体が償還するかどうかを選べる日か、という点です。永久劣後債のように、返済の期限そのものが決められていない債券もあります。償還できる条項があっても、その日に返してもらえる約束とは限らず、見送られれば持ち続ける期間が想定より延びることがあります。

この記事のポイント

  1. 満期と、繰上償還できる日は別もの
  2. 永久債は、満期日そのものがない
  3. 「予定」を約束された日と読まない
目次
  1. 「償還予定」の日付が満期か繰上償還日かを見分ける
  2. 永久劣後債は、償還の期限そのものを持たない
  3. 使う日が決まったお金ほど、償還予定に頼らない
  4. 繰上償還付きの債券で確かめたい3つの質問
  5. よくある質問

「償還予定」の日付が満期か繰上償還日かを見分ける

債券の説明に出てくる日付には、性質の違う2種類があります。1つは満期、つまりあらかじめ決まった返済の期限です。もう1つは繰上償還(満期より前に返すこと)ができる日で、返すかどうかを発行体が選べる場合があります。

繰上償還ができる日は、いわば発行体だけが押せる「返済ボタン」が使えるようになる日です。ボタンが押されれば償還されますが、押すかどうかを決めるのは投資家ではありません。

説明で見かける言葉指しているものその日に返ってくるか
満期(償還期限)あらかじめ決まった返済の期限返済が約束された日(発行体の信用リスクはある)
繰上償還できる日発行体が返すかどうかを選べる日返ってくるとは限らない
償還予定・想定見込みとして示された日確定した満期ではない
よくある疑問

5年後の日付が書いてあったので、定期預金の満期日と同じものだと思っていました。

永久劣後債は、償還の期限そのものを持たない

例として、永久劣後債を見てみましょう。名前が示すように、返済の期限があらかじめ決められていない債券です(「劣後」は、破綻したときなどに返済を受ける順番が後になることを指します。くわしくは劣後債のしくみの記事へ)。こうした債券に「5年後に償還予定」と添えられていれば、それは満期ではなく、発行体が償還を選べる日を指している可能性があります。

途中で償還できる条項が付いていても、その日に返済される約束とは限りません。発行体が償還しなければ債券を持ち続けることになり、保有期間は想定より長くなります。その後の利率や支払いの条件は、発行要項(その債券の約束ごとをまとめた書類)で決まります。

償還された場合

  • お金が戻り、その債券の保有は終わる
  • 戻ったお金の使い道を改めて考える

償還されなかった場合

  • 保有が続き、期間が想定より長くなる
  • その後の利率や条件は発行要項しだい
  • 現金が必要なら、売ることを考える

使う日が決まったお金ほど、償還予定に頼らない

償還を待たずに現金が要る場面では、途中で売って現金にすることになります。その値段は売る時点の状況で決まり、買ったときの金額を下回ることもあります。

5年定期のように、預けた時点で満期日が決まっているものと同じ扱いにすると、計画が狂うおそれがあります。使う時期が決まっているお金ほど、この違いの影響は大きくなります。償還が見送られると、支払いの時期に現金がそろわず、望まない時期に売らざるを得ないこともあり得ます。

ポイント

見込みを表す「予定」「想定」は、約束された満期とは別ものとして扱いましょう。

預金の場合も、期間はお金を使う予定とあわせて選ぶのが基本です(定期預金の期間の選び方の記事)。

繰上償還付きの債券で確かめたい3つの質問

「償還予定」と説明されたら、次の3点を確かめましょう。答えがはっきりしないまま、使い道の決まったお金を充てるのは避けたいところです。

買う前の3つの質問

  • 最初に償還できる日はいつか。それは満期なのか
  • 償還するかどうかを決めるのは、誰か
  • 償還されなかったとき、利率や条件はどうなるか

償還するかどうか、利率を見直すかどうか、支払いをどう扱うかは、いずれも発行要項に書かれた条件しだいです。償還の時期が保証されているわけではないので、言葉の印象ではなく、条件そのものを読んで判断しましょう。3つの答えがそろうと、「いつ戻るか」だけでなく「戻らない場合に何が起きるか」まで見通せるようになります。

FPのひとこと

日付を見たら「それは誰が決める日か」を確かめるのが近道です。使い道の決まったお金ほど、償還されない場合まで考えておきましょう。

よくある質問

債券の「償還予定日」と「満期」は同じ意味ですか?

同じとは限りません。満期はあらかじめ決まった返済の期限ですが、償還予定として示される日は、発行体が繰上償還を選べる日の場合があり、その日に返済される約束とは限りません。

永久劣後債にも満期はありますか?

満期はありません。名前が示すとおり返済の期限が決められていない債券で、途中で償還できる条項が付くことはあっても、発行体がそれを使わなければ持ち続けることになります。

繰上償還が見送られると、どうなりますか?

債券を持ち続けることになります。その後の利率や支払いの条件は発行要項で決まるため、購入前に、償還されなかった場合の扱いを確かめておきましょう。

償還を待たずに売れば、買った金額は戻りますか?

戻るとは限りません。売るときの値段はそのときの状況で決まり、買った金額を下回ることもあります。使い道と時期が決まったお金なら、なおさら慎重に考えましょう。

※償還するかどうか、利率の見直し、支払いの条件は、それぞれの債券の発行要項で決まります。この記事は償還の時期を約束するものではありません。

※一般的な仕組みを説明したもので、特定の銘柄の購入を促す意図はありません。

※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。

※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

参考にした資料

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