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「5年後に償還予定」なら、5年定期と同じ?満期と繰上償還の違い
説明資料に「5年後に償還予定」とあり、ちょうど5年後に使う予定のお金がある。そんなとき、5年定期に預けるのと同じ感覚で考えてよいのでしょうか。この記事では、その「5年後」がどんな種類の日付なのかを見分ける方法と、思っていた時期にお金が戻らない場合への備え方をまとめます。
5年定期と同じ感覚で考えるのは早計です。最初に確かめたいのは、その日が満期か、それとも発行体が償還するかどうかを選べる日か、という点です。永久劣後債のように、返済の期限そのものが決められていない債券もあります。償還できる条項があっても、その日に返してもらえる約束とは限らず、見送られれば持ち続ける期間が想定より延びることがあります。
この記事のポイント
- 満期と、繰上償還できる日は別もの
- 永久債は、満期日そのものがない
- 「予定」を約束された日と読まない
「償還予定」の日付が満期か繰上償還日かを見分ける
債券の説明に出てくる日付には、性質の違う2種類があります。1つは満期、つまりあらかじめ決まった返済の期限です。もう1つは繰上償還(満期より前に返すこと)ができる日で、返すかどうかを発行体が選べる場合があります。
繰上償還ができる日は、いわば発行体だけが押せる「返済ボタン」が使えるようになる日です。ボタンが押されれば償還されますが、押すかどうかを決めるのは投資家ではありません。
| 説明で見かける言葉 | 指しているもの | その日に返ってくるか |
|---|---|---|
| 満期(償還期限) | あらかじめ決まった返済の期限 | 返済が約束された日(発行体の信用リスクはある) |
| 繰上償還できる日 | 発行体が返すかどうかを選べる日 | 返ってくるとは限らない |
| 償還予定・想定 | 見込みとして示された日 | 確定した満期ではない |

5年後の日付が書いてあったので、定期預金の満期日と同じものだと思っていました。
永久劣後債は、償還の期限そのものを持たない
例として、永久劣後債を見てみましょう。名前が示すように、返済の期限があらかじめ決められていない債券です(「劣後」は、破綻したときなどに返済を受ける順番が後になることを指します。くわしくは劣後債のしくみの記事へ)。こうした債券に「5年後に償還予定」と添えられていれば、それは満期ではなく、発行体が償還を選べる日を指している可能性があります。
途中で償還できる条項が付いていても、その日に返済される約束とは限りません。発行体が償還しなければ債券を持ち続けることになり、保有期間は想定より長くなります。その後の利率や支払いの条件は、発行要項(その債券の約束ごとをまとめた書類)で決まります。
償還された場合
- お金が戻り、その債券の保有は終わる
- 戻ったお金の使い道を改めて考える
償還されなかった場合
- 保有が続き、期間が想定より長くなる
- その後の利率や条件は発行要項しだい
- 現金が必要なら、売ることを考える
使う日が決まったお金ほど、償還予定に頼らない
償還を待たずに現金が要る場面では、途中で売って現金にすることになります。その値段は売る時点の状況で決まり、買ったときの金額を下回ることもあります。
5年定期のように、預けた時点で満期日が決まっているものと同じ扱いにすると、計画が狂うおそれがあります。使う時期が決まっているお金ほど、この違いの影響は大きくなります。償還が見送られると、支払いの時期に現金がそろわず、望まない時期に売らざるを得ないこともあり得ます。
見込みを表す「予定」「想定」は、約束された満期とは別ものとして扱いましょう。
預金の場合も、期間はお金を使う予定とあわせて選ぶのが基本です(定期預金の期間の選び方の記事)。
繰上償還付きの債券で確かめたい3つの質問
「償還予定」と説明されたら、次の3点を確かめましょう。答えがはっきりしないまま、使い道の決まったお金を充てるのは避けたいところです。
買う前の3つの質問
- 最初に償還できる日はいつか。それは満期なのか
- 償還するかどうかを決めるのは、誰か
- 償還されなかったとき、利率や条件はどうなるか
償還するかどうか、利率を見直すかどうか、支払いをどう扱うかは、いずれも発行要項に書かれた条件しだいです。償還の時期が保証されているわけではないので、言葉の印象ではなく、条件そのものを読んで判断しましょう。3つの答えがそろうと、「いつ戻るか」だけでなく「戻らない場合に何が起きるか」まで見通せるようになります。

日付を見たら「それは誰が決める日か」を確かめるのが近道です。使い道の決まったお金ほど、償還されない場合まで考えておきましょう。
よくある質問
債券の「償還予定日」と「満期」は同じ意味ですか?
同じとは限りません。満期はあらかじめ決まった返済の期限ですが、償還予定として示される日は、発行体が繰上償還を選べる日の場合があり、その日に返済される約束とは限りません。
永久劣後債にも満期はありますか?
満期はありません。名前が示すとおり返済の期限が決められていない債券で、途中で償還できる条項が付くことはあっても、発行体がそれを使わなければ持ち続けることになります。
繰上償還が見送られると、どうなりますか?
債券を持ち続けることになります。その後の利率や支払いの条件は発行要項で決まるため、購入前に、償還されなかった場合の扱いを確かめておきましょう。
償還を待たずに売れば、買った金額は戻りますか?
戻るとは限りません。売るときの値段はそのときの状況で決まり、買った金額を下回ることもあります。使い道と時期が決まったお金なら、なおさら慎重に考えましょう。
※償還するかどうか、利率の見直し、支払いの条件は、それぞれの債券の発行要項で決まります。この記事は償還の時期を約束するものではありません。
※一般的な仕組みを説明したもので、特定の銘柄の購入を促す意図はありません。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
