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債券を満期まで持てば、払った金額がそのまま戻る?

満期を迎えた債券の償還金が口座に入り、金額を見たら、買ったときに払った額より少なかった。こうしたことが起こりうるのは、満期に返ってくる金額が、買値ではなく額面で決まっているからです。ここでは、103万円を払って額面100万円の債券を買ったケースを例に、戻る金額と全体の損益の見方、買う前に確かめたいことを整理します。

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債券の証書とコインの3Dイラスト
結論

そのまま戻るとは限りません。ふつうの債券では、満期に支払われる約束の金額は額面と決まっていて、いくらで買ったかは関係しないからです。仮に額面100万円の債券に103万円を払っていれば、満期に予定どおり返ってきても100万円で、上乗せした3万円は戻りません。損益は、満期までの利息と合わせて判断します。

この記事のポイント

  1. 満期に返る約束の金額は「額面」
  2. 103万円払っても、戻る元金は額面の100万円
  3. 利息・発行体の信用・通貨もあわせて確認
目次
  1. 満期に戻るのは「額面」、買値とは別の金額
  2. 103万円で買った債券の損益は、利息と合わせて見る
  3. 満期まで待っても額面どおりにならない2つの場面
  4. 103万円の例で見る、買う前の5つの確認項目
  5. よくある質問

満期に戻るのは「額面」、買値とは別の金額

債券には、満期に返すと約束された金額が決まっています。それが額面で、券面に記された金額です。一般的な債券では、満期に支払われるのはこの額面の金額で、あなたが買ったときの値段は関係しません。

一方で、債券の値段は額面ぴったりとは限らず、上回ることも下回ることもあります。額面を上回る値段で買った場合は、満期に戻る元金が、払った額を下回ります。

たとえるなら、額面は「満期に引き換えてもらえる金額」が書かれた引換券のようなものです。その券をいくらで手に入れても、引き換えで受け取れるのは書かれた金額まで。ただし債券には、満期までの利息が付くという違いがあります。

払った金額と、満期に戻る元金
  • 購入時に払った額103万円
  • 満期に返ってくる額面100万円

※仮の数字で、満期に額面どおり返ってくる場合を示しています。

よくある疑問

満期まで待てば、払った分は全部戻ってくるものだと思い込んでいました。

103万円で買った債券の損益は、利息と合わせて見る

上乗せして払った3万円は、満期になっても戻りません。とはいえ、それだけで損と決まるわけではありません。満期までの間には利息を受け取るので、全体の損益は「受け取った利息」と「戻らない3万円」を差し引きして考えます。

103万円で買った額面100万円の債券を満期まで持つと
払った金額
103万円
満期に返ってくる額面
100万円
戻らない部分
3万円(103万円 − 100万円)
満期までの利息
債券の条件による(合計を確かめる)
差し引きの結果
利息の合計 − 3万円

※税金と費用は入れていません。満期に額面どおり返済されるとした、単純な見方です。

分かれ目は3万円です。税金や費用を考えない単純な見方なら、満期までの利息を全部足して3万円を超えれば全体ではプラス、届かなければマイナスになります。この買値と額面の差まで入れて1年あたりの割合にしたものが利回りで、利率と利回りの違いの記事で計算例を紹介しています。

満期まで待っても額面どおりにならない2つの場面

お金を返す側が支払えなくなったとき

債券の利息や元金を払うのは、債券を出した国や会社など(発行体)です。約束どおりに払われるかどうかは、発行体の信用しだい。経営が行き詰まるなどして支払えなくなれば、満期まで持っていても、額面どおりに戻らない可能性があります。名の知れた会社でも同じことがいえる点は、有名企業の社債についての記事で取り上げています。

外国の通貨で返ってくるとき

外国通貨建ての債券では、満期に額面が外貨で戻ってきます。外貨の金額は約束どおりでも、円に換えるときの為替の水準によって、円で受け取る金額は変わります。その結果、円で数えると損になる場合もあります。くわしくはドル建て債券の記事をご覧ください。

よくある思い込み

  • 満期まで持てば、払った金額が戻る
  • 満期まで待てば、額面は戻ってくるもの
  • 外貨で額面が戻れば、円でも元どおり

実際は

  • 戻る約束は額面まで。上乗せして払った分は戻らない
  • 発行体が支払えなくなれば、額面どおりに戻らないことがある
  • 円に換えるときの為替しだいで、円の金額は増えも減りもする

103万円の例で見る、買う前の5つの確認項目

「満期まで持てば大丈夫」という言葉だけで判断せず、何が、どの通貨で、いくら返ってくる契約なのかを確かめましょう。103万円の例に当てはめると、確かめる項目は次の5つです。

満期に額面で返済される、ふつうの債券(普通債)を前提にしています。返済の条件が特別な債券は、条件を個別に確かめましょう。
確かめる項目103万円の例では見るポイント
購入金額103万円額面より高いか、低いか
額面100万円満期に返る約束の金額
受取利息債券の条件しだい満期までの合計が3万円を上回るか
通貨円(例の場合)外貨なら、円に換えるときの為替
信用リスク発行体による約束どおり支払える相手か
FPのひとこと

満期という言葉に安心する前に、払う金額と額面を並べてみること。何が、いくら、どの通貨で返るかが見えてきます。

よくある質問

満期まで持っていれば、払った金額は戻ってきますか?

そうとは限りません。満期に支払われる約束なのは額面の金額で、いくらで買ったかは反映されないためです。額面を上回る値段で買っていれば、上回った分は満期になっても戻りません。

103万円で買った額面100万円の債券、満期にいくら戻る?

満期に約束どおり支払われた場合、受け取る元金は額面の100万円です。上乗せした3万円は戻らないので、満期までの利息の合計と差し引きして損益を見ます(税金・費用を除く)。

満期まで持つなら、損をする心配はないですか?

損になることもあります。上乗せして払った分が戻らないことに加え、発行体が支払えなくなれば、額面どおりに返ってこないおそれがあります。外貨で返ってくる債券は、円にしたときの金額が為替で動きます。

外貨建ての債券で、満期に額面が戻れば元どおりですか?

外貨の金額としては約束どおりでも、円で見ると元どおりとは限りません。円に換えるときの為替の水準によって、円での受取額が増えることも減ることもあるためです。

債券を選ぶとき、最低限そろえておきたい情報は?

購入金額、額面、受け取る利息、返ってくる通貨、発行体の信用リスクの5つです。この5つがそろうと、満期に何が、いくら戻る契約なのかを具体的に描けます。

※103万円・額面100万円という数字は、説明のための仮の金額です。満期に額面で返済される、ふつうの債券(普通債)を想定しています。

※元金と利息がきちんと支払われるかは、発行体の信用にかかっています。外貨で返済される債券では、円に換えるときの為替で円の受取額が変わります。

※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。

※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

参考にした資料

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