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債券を満期まで持てば、払った金額がそのまま戻る?
満期を迎えた債券の償還金が口座に入り、金額を見たら、買ったときに払った額より少なかった。こうしたことが起こりうるのは、満期に返ってくる金額が、買値ではなく額面で決まっているからです。ここでは、103万円を払って額面100万円の債券を買ったケースを例に、戻る金額と全体の損益の見方、買う前に確かめたいことを整理します。
そのまま戻るとは限りません。ふつうの債券では、満期に支払われる約束の金額は額面と決まっていて、いくらで買ったかは関係しないからです。仮に額面100万円の債券に103万円を払っていれば、満期に予定どおり返ってきても100万円で、上乗せした3万円は戻りません。損益は、満期までの利息と合わせて判断します。
この記事のポイント
- 満期に返る約束の金額は「額面」
- 103万円払っても、戻る元金は額面の100万円
- 利息・発行体の信用・通貨もあわせて確認
満期に戻るのは「額面」、買値とは別の金額
債券には、満期に返すと約束された金額が決まっています。それが額面で、券面に記された金額です。一般的な債券では、満期に支払われるのはこの額面の金額で、あなたが買ったときの値段は関係しません。
一方で、債券の値段は額面ぴったりとは限らず、上回ることも下回ることもあります。額面を上回る値段で買った場合は、満期に戻る元金が、払った額を下回ります。
たとえるなら、額面は「満期に引き換えてもらえる金額」が書かれた引換券のようなものです。その券をいくらで手に入れても、引き換えで受け取れるのは書かれた金額まで。ただし債券には、満期までの利息が付くという違いがあります。
- 購入時に払った額103万円
- 満期に返ってくる額面100万円
※仮の数字で、満期に額面どおり返ってくる場合を示しています。

満期まで待てば、払った分は全部戻ってくるものだと思い込んでいました。
103万円で買った債券の損益は、利息と合わせて見る
上乗せして払った3万円は、満期になっても戻りません。とはいえ、それだけで損と決まるわけではありません。満期までの間には利息を受け取るので、全体の損益は「受け取った利息」と「戻らない3万円」を差し引きして考えます。
- 払った金額
- 103万円
- 満期に返ってくる額面
- 100万円
- 戻らない部分
- 3万円(103万円 − 100万円)
- 満期までの利息
- 債券の条件による(合計を確かめる)
- 差し引きの結果
- 利息の合計 − 3万円
※税金と費用は入れていません。満期に額面どおり返済されるとした、単純な見方です。
分かれ目は3万円です。税金や費用を考えない単純な見方なら、満期までの利息を全部足して3万円を超えれば全体ではプラス、届かなければマイナスになります。この買値と額面の差まで入れて1年あたりの割合にしたものが利回りで、利率と利回りの違いの記事で計算例を紹介しています。
満期まで待っても額面どおりにならない2つの場面
お金を返す側が支払えなくなったとき
債券の利息や元金を払うのは、債券を出した国や会社など(発行体)です。約束どおりに払われるかどうかは、発行体の信用しだい。経営が行き詰まるなどして支払えなくなれば、満期まで持っていても、額面どおりに戻らない可能性があります。名の知れた会社でも同じことがいえる点は、有名企業の社債についての記事で取り上げています。
外国の通貨で返ってくるとき
外国通貨建ての債券では、満期に額面が外貨で戻ってきます。外貨の金額は約束どおりでも、円に換えるときの為替の水準によって、円で受け取る金額は変わります。その結果、円で数えると損になる場合もあります。くわしくはドル建て債券の記事をご覧ください。
よくある思い込み
- 満期まで持てば、払った金額が戻る
- 満期まで待てば、額面は戻ってくるもの
- 外貨で額面が戻れば、円でも元どおり
実際は
- 戻る約束は額面まで。上乗せして払った分は戻らない
- 発行体が支払えなくなれば、額面どおりに戻らないことがある
- 円に換えるときの為替しだいで、円の金額は増えも減りもする
103万円の例で見る、買う前の5つの確認項目
「満期まで持てば大丈夫」という言葉だけで判断せず、何が、どの通貨で、いくら返ってくる契約なのかを確かめましょう。103万円の例に当てはめると、確かめる項目は次の5つです。
| 確かめる項目 | 103万円の例では | 見るポイント |
|---|---|---|
| 購入金額 | 103万円 | 額面より高いか、低いか |
| 額面 | 100万円 | 満期に返る約束の金額 |
| 受取利息 | 債券の条件しだい | 満期までの合計が3万円を上回るか |
| 通貨 | 円(例の場合) | 外貨なら、円に換えるときの為替 |
| 信用リスク | 発行体による | 約束どおり支払える相手か |

満期という言葉に安心する前に、払う金額と額面を並べてみること。何が、いくら、どの通貨で返るかが見えてきます。
よくある質問
満期まで持っていれば、払った金額は戻ってきますか?
そうとは限りません。満期に支払われる約束なのは額面の金額で、いくらで買ったかは反映されないためです。額面を上回る値段で買っていれば、上回った分は満期になっても戻りません。
103万円で買った額面100万円の債券、満期にいくら戻る?
満期に約束どおり支払われた場合、受け取る元金は額面の100万円です。上乗せした3万円は戻らないので、満期までの利息の合計と差し引きして損益を見ます(税金・費用を除く)。
満期まで持つなら、損をする心配はないですか?
損になることもあります。上乗せして払った分が戻らないことに加え、発行体が支払えなくなれば、額面どおりに返ってこないおそれがあります。外貨で返ってくる債券は、円にしたときの金額が為替で動きます。
外貨建ての債券で、満期に額面が戻れば元どおりですか?
外貨の金額としては約束どおりでも、円で見ると元どおりとは限りません。円に換えるときの為替の水準によって、円での受取額が増えることも減ることもあるためです。
債券を選ぶとき、最低限そろえておきたい情報は?
購入金額、額面、受け取る利息、返ってくる通貨、発行体の信用リスクの5つです。この5つがそろうと、満期に何が、いくら戻る契約なのかを具体的に描けます。
※103万円・額面100万円という数字は、説明のための仮の金額です。満期に額面で返済される、ふつうの債券(普通債)を想定しています。
※元金と利息がきちんと支払われるかは、発行体の信用にかかっています。外貨で返済される債券では、円に換えるときの為替で円の受取額が変わります。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
