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債券は「購入手数料ゼロ」なら、費用もゼロ?
証券会社の画面で、債券の購入手数料が「ゼロ」と表示されているのを見ると、表示された値段だけを払えばよいように感じます。けれども、手数料という名目の費用がないことと、負担がないことは同じではありません。この記事では、注文の前に受渡金額(実際に支払う合計)の中身をどう読み分けるかを、順を追って整理します。
ゼロになるのは、価格とは別に請求される手数料です。証券会社と直接売買する場合は、提示される買値と売値に差があることがあり、買ってすぐ売るとその差が負担になる場合があります。外貨建てなら円と外貨を替える費用も別に確認しましょう。経過利子は手数料とは性質が違うため、受渡金額の内訳で分けて確かめることが大切です。
この記事のポイント
- 手数料ゼロでも、負担ゼロとは限らない
- 売買の価格差と通貨交換の費用を確認
- 経過利子は手数料と分けて内訳で確認
目次
債券の「購入手数料ゼロ」は、何がゼロなのか
証券会社を相手に直接売り買いする取引を、店頭取引といいます。日本証券業協会によると、店頭取引では、取引を行うためのコストがあらかじめ価格に織り込まれているので、手数料を別に払う必要はありません。
ここから分かるのは、「購入手数料ゼロ」が、価格とは別建ての請求がないという意味だということです。負担そのものが消えたのではなく、価格の中に組み込まれていると考えると、実態をつかみやすくなります。

「ゼロ」と書いてあったので、画面の値段のほかは何もかからないと思い込んでいました。
買値と売値の差は、すぐ売ったときに負担として表れる
証券会社が示す値段には、こちらが買うときの値段と、売るときの値段があり、両者に差があることがあります。金券ショップで、同じ商品券でも買い取り価格より販売価格のほうが高く付けられているのと似た構図です。
この差は、明細に「手数料」という名前では出てきません。それでも、同じ条件で買った直後に売り戻すと、差額の分だけ手元のお金が減り、負担になる場合があります。満期まで持つつもりでも、途中で売る可能性があるなら、売るときの値段がどう決まるかを買う前に聞いておきましょう。
名前の付いた費用がなくても、「値段の差」という形の負担はあり得ます。
経過利子は手数料ではなく、利子の受け渡しの調整
利付債(定期的に利子が支払われる債券)の利子は、利払日にその債券を持っている人へ支払われます。すでに発行された債券を利払日と利払日の間に買うと、前回の利払日からの日数に応じた利子を日割りで計算し、売り手に支払うことがあります。これが経過利子です。
経過利子を、販売にかかる手数料と同じものと考えるのは早合点です。自分が売る側になれば、逆に受け取る立場に回ります。次の利払日に受け取る利子とあわせて考えるものなので、金額とともに、次に利子を受け取る日も確かめておきましょう。新しく発行される債券と、すでに出回っている債券の違いは新発債と既発債の違いを解説した記事で紹介しています。
負担になり得るもの
- 買値と売値の差(すぐ売ると表れる)
- 外貨建てで、円と外貨を替える費用
利子の調整(経過利子)
- 前回の利払日からの利子分を、日割りで売り手に渡す
- 売る側になれば、受け取る立場になる
- 次の利払日の利子とあわせて考える
受渡金額の明細は、上から順に読み分ける
画面に出ている債券の価格は、実際に支払う合計と一致するとは限りません。注文の前に、受渡金額がどんな項目でできているかを説明してもらい、次の順に確かめると整理しやすくなります。
債券の代金
提示された価格で計算される、債券そのものの代金です。店頭取引では、取引のコストもここに含まれています。
経過利子
利払日と利払日の間に買う場合に加わることがあります。手数料とは分けて読みます。
通貨を替える費用
外貨建ての外国債券を円で買うときに関わります。受け取った利息や償還金を円に戻すときにも、交換が関わります。
支払いの合計
実際に口座から出ていく金額です。画面の価格との差が、どの項目から来ているかを確かめます。
通貨を替えるときの、買いと売りのレートの開きについては、外貨預金で為替が動かなくても損が出る理由の記事で詳しく取り上げています。
注文ボタンを押す前に聞いておきたい4つの質問
費用の名前が見当たらないことを、無料のしるしと受け取らないことが大切です。注文の前に、次の点を担当者に質問するか、画面の説明で確かめましょう。
債券を注文する前の質問リスト
- 支払いの合計はいくらで、どんな項目が含まれているか
- 同じ債券をすぐに売るとしたら、どんな値段が示されるか
- 経過利子はかかるか。かかるなら、次の利子はいつ受け取れるか
- 外貨建てなら、円と外貨の交換にどんな費用がかかるか

比べたいのは表示の手数料ではなく、実際に払う合計と、売るときに戻る金額です。内訳を尋ねるのは、ごく当たり前の確認です。
よくある質問
債券の購入手数料がゼロなら、ほかに負担はかかりませんか?
価格とは別の手数料がないという意味で、負担がないとは限りません。証券会社との売買では買値と売値に差があることがあり、すぐ売るとその差が負担になる場合があります。外貨建てなら通貨を替える費用も確かめましょう。
債券の経過利子は、手数料の一種ですか?
手数料とは性質が違います。前回の利払日からの利子分を日割りで売り手に渡すもので、自分が売るときには受け取る側になります。扱いは商品や金融機関によって異なるため、内訳で確かめましょう。
債券の受渡金額とは何ですか?
債券を売り買いするときに実際にやり取りする金額で、買うときは実際に支払う合計額にあたります。債券の代金に経過利子などが加わることがあるため、画面の価格だけで判断せず、内訳を説明してもらいましょう。
外貨建ての債券を買うときは、何を追加で確かめればいいですか?
円と外貨を交換する費用です。買うときだけでなく、受け取った利息や償還金を円に戻すときにも交換が関わります。債券の購入手数料とは別のものとして確かめましょう。
※費用や売買の価格差、経過利子の扱いは、商品や金融機関によって異なります。
※債券売買の負担について一般的な仕組みを説明したもので、どこかの金融機関の実際の取引条件を表すものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

