保険・円建て終身保険
終身保険の保障500万円、20年後も同じ安心?
死亡保障が500万円で決まっている終身保険。20年後も、今と同じだけ家族を支えられるでしょうか? 保険金の金額が変わらなくても、物価が上がれば、そのお金で買えるものの量は減ります。この記事では、仮の物価上昇率で20年後の購買力を計算し、円建ての保障の見方と、保障額の見直し方を整理します。
この記事は、保険の一般的な仕組みを説明するもので、特定の保険商品の勧誘を目的とするものではありません。要確認:募集文書の管理番号
保障額が500万円で決まっている契約なら、20年後に受け取る保険金も500万円で、金額は減りません。ただし、仮に物価が毎年2%ずつ上がると、20年後の500万円で買えるものは、今の約336万円分に相当します。金額と購買力は別と考え、必要な保障額を家計全体で定期的に見直しましょう。
この記事のポイント
- 保険金の金額と購買力は別
- 仮定:物価年2%なら20年後は約336万円相当
- 保障額は家計全体で定期的に見直す
保険金の金額は同じでも、購買力は変わる
この記事では、死亡保障が500万円で決まっている、円建ての終身保険を例にします。保障額が固定の契約なら、20年後に受け取る保険金も500万円です。金額そのものが減るわけではありません。
ただし、金額が変わらなくても、物価が上がれば、そのお金で買えるものの量は減ります。お金で買えるものの量を購買力といいます。物価が上がっていく状態(インフレ)では、同じ500万円で支えられる暮らしの大きさが、少しずつ変わっていきます。

保険金が500万円のままなら、20年後も今と同じだけ役に立つと思っていました。
受け取る保険金は500万円のまま。変わるのは、その500万円で買えるものの量です。
終身保険の死亡保障は、何十年も先に受け取ることもあるお金です。だからこそ、「いくら受け取れるか」という金額と、「そのお金で何が買えるか」という購買力を、分けて考えることが大切です。
物価年2%の仮定で、20年後の500万円の購買力を計算
仮に物価が毎年2%ずつ上がるとして、20年後の500万円が、今のお金でいくら分にあたるかを計算してみましょう。毎年2%ずつ上がると、20年で物価は1.02を20回かけた分、約1.486倍になります。
- 20年間の物価の上がり方
- 1.02の20乗 ≒ 約1.486倍
- 20年後に受け取る保険金
- 500万円(変わらない)
- 今の価値に直す計算
- 500万円 ÷ 約1.486
- 20年後の500万円の購買力
- 今の約336万円分
※物価年2%は仕組みを見るための仮定です。将来の物価を予測した数字ではありません。
| 比べるもの | 今 | 20年後(仮定) |
|---|---|---|
| 受け取る保険金 | 500万円 | 500万円 |
| 今の価値でみた購買力 | 500万円分 | 約336万円分 |
同じ仮定で反対から見ると、今500万円で買えるものを20年後に買うには、500万円×約1.486で、約743万円が必要になる計算です。
これは将来の物価を予測した数字ではなく、仕組みを見るための仮定です。物価の上がり方が違えば、結果も変わります。
円建ての保障は「良いか悪いか」の二択ではない
物価の影響だけを見ると、円で決まった保障額に不安を感じるかもしれません。一方で、保障額が円で決まることには、残せる金額を見通しやすいという面もあります。
金額(受け取る保険金)
- 保障額が固定の契約なら、金額は変わらない
- 残せる金額を見通しやすい
- 20年後も、受け取る額は500万円
購買力(買えるものの量)
- 物価が上がると、買えるものの量は減る
- 仮に物価年2%なら、20年後は今の約336万円分
- 将来の物価は分からないため、仮定で確かめる
大切なのは、円建てが良いか悪いかの二択で考えないことです。そのお金を何のために残すのかという目的と、物価の影響を、分けて考えましょう。
決まった額を受け取る年金保険でも、同じ考え方が必要です。くわしくは定額の年金と物価についての記事で解説します。

受け取る金額と、そのお金で買えるもの。2つを分けて見ると、必要な保障額を考えやすくなります。
死亡保障の見直し方:目的と家計全体で考える
保険で残すお金には、葬儀費用、家族の生活費、相続時の準備など、いろいろな目的があります。そして、それぞれに必要な金額は、時間とともに変わります。
- 葬儀費用:いつごろ、いくらくらい必要になりそうか
- 家族の生活費:誰の暮らしを、いつまで支えたいか
- 相続時の準備:ほかの資産と合わせて、誰に何を残したいか
加入して終わりにせず、家族の状況や預貯金などの資産と合わせて、保障の過不足を定期的に見直しましょう。物価の影響も、見直しのときに確かめたい項目の一つです。
死亡保障を見直すときのチェック
- 契約の保障額が、固定かどうかを確かめた
- 保険金を何のために残すのか、目的を書き出した
- 目的ごとに、必要な金額を今の価値で考えた
- 物価が上がった場合の影響を、仮の数字で確かめた
- 預貯金などの資産と合わせて、過不足を確かめた
- 家族の状況が変わったら、見直すことにした
必要な保障額の目安は、保障の目安のシミュレーションでも計算できます(物価の変化は計算に含みません)。相続時の準備を考えるなら、死亡保険金の非課税枠についての記事もあわせて確かめておきましょう。
よくある質問
終身保険の保険金は、物価が上がると減りますか?
保障額が固定の契約なら、受け取る保険金の金額は変わりません。ただし、物価が上がると、その金額で買えるものの量(購買力)は減ります。金額と購買力は別と考えましょう。
物価が年2%上がると、20年後の500万円はいくら分になりますか?
仮に物価が毎年2%ずつ上がると、500万円÷1.02の20乗(約1.486)で、20年後の500万円の購買力は、今の約336万円分に相当します。物価の予測ではなく、仕組みを見るための仮定です。
保険金そのものが336万円に減るということですか?
いいえ。保障額が500万円で固定の契約なら、受け取る保険金は500万円です。約336万円は、その500万円で買えるものの量を、今の価値に直した目安です。
円建ての保障額は、物価を考えるとどう見ればいいですか?
円建てが良いか悪いかの二択ではありません。保障額が円で決まることには、残せる金額を見通しやすい面があります。残すお金の目的と、物価の影響を分けて考えましょう。
死亡保障の金額は、いつ見直せばいいですか?
加入して終わりにせず、定期的に見直しましょう。葬儀費用、家族の生活費、相続時の準備など、必要な金額は時間とともに変わります。家族の状況や資産と合わせて、保障の過不足を確かめます。
※物価年2%は仮定です。500万円÷1.02の20乗で現在の購買力に換算した計算で、将来の物価を予測するものではありません。
※保障額が固定の契約を想定しています。受け取る保険金の額が336万円に減るという意味ではありません。
※この記事は一般的な仕組みの説明で、特定の商品をすすめるものではありません。保障の内容は契約によって異なります。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
※保険の一般的な仕組みの説明です。保険商品の内容は、各保険会社の資料(パンフレット・契約概要・注意喚起情報など)でご確認ください。


