保険・個人年金保険
個人年金保険の返戻率120%なら、年利20%?
「返戻率120%」と書かれた年金保険。毎年20%ずつ増えるように見えるかもしれません。でも、返戻率と年あたりの利回りは別の数字です。この記事では、返戻率の計算を仮の数字で確かめ、何年かけて払い、いつから受け取るかで意味が変わる理由と、比べるときのポイントを整理します。
この記事は、保険の一般的な仕組みを説明するもので、特定の保険商品の勧誘を目的とするものではありません。要確認:募集文書の管理番号
返戻率120%は、年利20%という意味ではありません。返戻率は、年金などの受取総額を、払込保険料の総額で割った割合です。仮に合計300万円を払い、合計360万円を受け取るなら120%です。ただし、何年かけて払い、いつから何年に分けて受け取るかで、運用としての意味は変わります。
この記事のポイント
- 300万円→総額360万円なら返戻率120%
- 何年かけて払い、受け取るかも重要
- 返戻率と年利は別の数字
返戻率とは:受取総額÷払込保険料の総額
ここでいう返戻率は、年金などの受取総額を、払込保険料の総額で割った割合です。払った合計に対して、受け取る合計が何%にあたるかを表します。
仮に合計300万円を払い、合計360万円を受け取るなら、360万円÷300万円で、返戻率は120%です。下の計算で、金額を変えて確かめてみましょう。
自分の数字で計算してみる
この計算には、何年かけて払ったか、いつから何年に分けて受け取ったかという期間が入っていません。受取総額と払込総額の差は60万円(360万円−300万円)です。でも、それが1年で生まれた差なのか、長い年月をかけた結果なのかは、返戻率だけでは分かりません。

120%と書いてあると、毎年20%ずつ増えるのかと思っていました。
返戻率と年利の違い:何年かけて払い、受け取るか
返戻率が同じ120%でも、何年かけて払い、いつから何年に分けて受け取るかで、運用としての意味は変わります。払ったお金を置いておく期間が変わるためです。
たとえば、一時払いの300万円と、毎月少しずつ払った300万円では、お金を置く期間も同じではありません。受け取りを始める時期が同じなら、一時払いは最初から300万円全体を置いておくことになります。毎月払いでは、後から払ったお金ほど、置く期間が短くなります。
一時払いで300万円
- 最初に300万円をまとめて払う
- 300万円全体を、受け取りが始まるまで置いておく
- 受け取りを始める時期を確かめる
毎月払って合計300万円
- 何年もかけて、少しずつ払う
- 後から払った分ほど、置く期間が短い
- 払い終える時期と、受け取りを始める時期を確かめる
また、この例の360万円は、何年かに分けて受け取る年金を合計した金額です。一度にまとめて受け取れる金額という意味ではありません。払い方と受け取り始める時期の関係は、一時払いと受取開始の時期についての記事で解説します。
返戻率・年あたりの利回り・税引後の手取りは別
返戻率、年あたりの利回り、税引後の手取り。この3つを同じ数字だと思わないようにしましょう。それぞれ、表しているものが違います。
| 数字 | 表すもの | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 返戻率 | 受取総額÷払込保険料の総額 | 払う期間・受け取る期間は入っていない |
| 年あたりの利回り | 1年あたりの増え方の割合 | 払う時期と受け取る時期で変わる |
| 税引後の手取り | 税金を引いた後に受け取る金額 | 契約や受取方法に応じて税金が関係する |
さらに、その受取総額が保証される金額なのか、配当などを含む見込みなのかも確認が必要です。見込みの金額は、保証された金額とは分けて考えます。
返戻率などの指標は、商品によって定義が違うことがあるため、脚注を確認しましょう。費用がどこまで反映されているかも、商品ごとに確かめる必要があります。受け取り方と税金の関係は、年金受取と一括受取の税金についての記事で解説します。

返戻率は入口の数字です。支払日と受取日を並べて、保証か見込みかまで確かめましょう。
個人年金保険の返戻率を比べるときのチェック
比べるなら、受取総額だけでなく、支払日と受取日を並べることが大切です。いつ、いくら払い、いつ、いくら受け取るのかを、同じ時間軸の上に書き出してみましょう。書き出すと、お金を置く期間の長さや、受け取りが終わる時期も見えてきます。
返戻率を見るときのチェック
- 何年かけて払うかを確かめた
- いつから、何年に分けて受け取るかを確かめた
- 受取総額が保証か、配当などを含む見込みかを確かめた
- 費用がどこまで反映されているかを確かめた
- 返戻率の定義を脚注で確かめた
- 税引後の手取りを、別の数字として確かめた
学資保険を返戻率で比べるときの注意点は、学資保険の選び方の記事で解説しています。
よくある質問
返戻率120%は、年利20%という意味ですか?
いいえ。返戻率は、年金などの受取総額を払込保険料の総額で割った割合で、何年かけて払い、いつから受け取るかは含まれていません。年あたりの利回りとは別の数字です。
返戻率はどうやって計算しますか?
受取総額を、払込保険料の総額で割って計算します。仮に合計300万円を払い、合計360万円を受け取るなら、360万円÷300万円で120%です。商品によって定義が違う場合があるため、脚注も確認しましょう。
一時払いと月払いで返戻率が同じなら、同じ意味ですか?
同じとは限りません。一時払いの300万円と、毎月少しずつ払った300万円では、お金を置く期間が違います。支払日と受取日を並べて比べましょう。
受取総額の360万円は、まとめて受け取れる金額ですか?
いいえ。この例の360万円は、何年かに分けて受け取る年金を合計した仮の金額です。一度にまとめて受け取れる金額という意味ではありません。
返戻率の受取総額は、保証された金額ですか?
保証される金額なのか、配当などを含む見込みなのかは、商品によって異なります。保証と見込みの区分や、費用の反映範囲を、商品ごとに確かめましょう。
※金額・割合は仮定で、税金等は省略しています。
※年金総額の保証・見込の区分や、費用の反映範囲は商品で確認が必要です。返戻率などの指標の定義は商品によって違うため、脚注を確認してください。
※この記事は一般的な仕組みの説明で、特定の商品をすすめるものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
※保険の一般的な仕組みの説明です。保険商品の内容は、各保険会社の資料(パンフレット・契約概要・注意喚起情報など)でご確認ください。

