税金・寄附の注意点と制度の改正
2026年10月の改正で、寄附の6割がすぐ自治体に残る?基準の段階的な移行
2026年10月、ふるさと納税のルールが変わりました。「これで寄附の6割が自治体で使えるようになった」という説明を見かけた方もいるかもしれません。この記事では、自治体の基準が段階的に移行する中身と、費用の公表などの見直し、寄附する人の返礼品や控除の上限とは別の話であることを整理します。
2026年10月以降の指定期間。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。控除の額や申告の要否は、収入の種類・家族・ほかの控除などで変わります。具体的な判断は、税務署や税理士、お住まいの市区町村に確かめましょう。
2026年10月の改正で、寄附の6割がすぐ自治体に残るようになったわけではありません。募集費用を差し引いた寄附金活用可能額を60%以上とする自治体の基準には段階的な移行があり、2026年10月〜2027年9月の指定期間は52.5%以上、その後55%、57.5%と上がり、2029年10月から60%以上です。返礼品の還元率や控除率の話ではありません。
この記事のポイント
- 2026年10月からは52.5%以上
- 2029年10月から60%以上へ
- 返礼品の還元率や控除率ではない
目次
2026年10月の改正は「すぐ6割」ではない。基準は段階的に
2026年10月、ふるさと納税のルールが変わりました。ただ、「寄附の6割が自治体で使えるようになった」という説明は、正確とはいえません。
見直されたのは、自治体が受け取った寄附金から、募集にかかる費用を差し引いた額(寄附金活用可能額)についての基準です。これを60%以上とする基準には、段階的な移行が設けられています。
「すぐ6割」と考えると
- 2026年10月から、寄附の6割が自治体に残る
- 寄附した人が、6割分の返礼品を受け取れる
- 自分の控除の上限も、同じ割合になる
実際の見直し
- 基準は52.5%以上から段階的に上がる
- 自治体の募集や使途などについての基準
- 返礼品の額や、個人の控除上限とは別

10月から、すぐに寄附の6割が自治体に残るようになったのかと思っていました。
52.5%・55%・57.5%・60%:指定期間ごとの基準
基準は、自治体の指定の対象期間ごとに段階的に上がります。2026年10月からの指定期間(2026年10月〜2027年9月)は52.5%以上です。その後、55%、57.5%と上がり、2029年10月から60%以上になります。
- 2026年10月〜2027年9月52.5%
- その後の期間55%
- さらにその後の期間57.5%
- 2029年10月から60%
※いずれも「以上」の基準です。受け取った寄附金のうち、寄附金活用可能額が占める割合の基準で、返礼品の還元率や個人の控除率ではありません。
この期間は、自治体の指定の対象期間です。2026年10月〜2027年9月のように年の途中で区切られており、所得税の「年分」の区切りとは違います。国税の年分と、自治体の指定の対象期間は分けて考えましょう。
いまの指定期間(2026年10月〜2027年9月)の基準は52.5%以上。60%以上になるのは2029年10月からです。
費用の支払先の公表と、地域内で生じる価値の明確化
割合の基準のほかにも、見直しが進められています。費用の支払先などの公表や、一定の返礼品について、地域内で生じる価値を明確にすることです。
地域内で生じる価値の明確化は、所定の地場産品基準の対象となる、一定の返礼品についての話です。すべての返礼品が同じように対象になるわけではありません。
自治体の案内では、たとえば川俣町が、募集費用などに関する公表のページを設けています。公表の中身は、寄附を考えている自治体の案内で確かめましょう。

割合の基準と、費用の公表は別の見直しです。気になる自治体は、公表の中身もあわせて見てみましょう。
返礼品の還元率や控除の上限とは別。自分の税金と分けて確認
この見直しは、自治体の募集や使途などについての基準です。寄附をした人が一律に6割の返礼品を受け取れる、という意味ではありません。自分の控除の上限が同じ割合になる、という話でもありません。
寄附する人の住民税の特例控除の上限の見直しは、この基準とは別の改正です(特例控除の定額の上限)。仲介サイトを通じたポイントの規制も、これより前に始まった別の変更です(ポイント規制の記事)。
改正のニュースを見たときのチェック
- 自治体の基準の話か、自分の税金の話かを分けた
- いまの指定期間の基準が、52.5%以上だと確かめた
- 60%以上になるのは、2029年10月からだと確かめた
- 指定の対象期間と、所得税の年分を混ぜていない
- 返礼品の条件は、寄附先の案内で確かめた
- 自分の控除の上限は、自分の所得や控除で確かめた
制度の変更と、自分の税金は分けて理解しておきましょう。返礼品の条件や自治体の公表を確かめたうえで、寄附額は自分の上限の目安と家計の予算から考えます。
よくある質問
2026年10月から、寄附の6割が自治体に残るようになったのですか?
すぐに6割になったわけではありません。募集費用を差し引いた寄附金活用可能額を60%以上とする基準には段階的な移行があり、2026年10月〜2027年9月の指定期間は52.5%以上です。60%以上は2029年10月からです。
寄附した人が受け取る返礼品も、寄附額の6割になるのですか?
いいえ。この基準は、自治体の募集や使途などについてのものです。寄附した人が6割分の返礼品を受け取れる、という意味ではありません。返礼品の条件は、寄附先の案内で確かめましょう。
この改正で、自分のふるさと納税の上限も変わりますか?
この基準によって、自分の控除の上限が同じ割合になるわけではありません。控除の上限は、その年の所得や控除などで変わる目安です。制度の見直しと自分の税金は、分けて確かめましょう。
52.5%や60%の期間は、所得税の年分と同じ区切りですか?
同じではありません。基準は自治体の指定の対象期間ごとに決まり、52.5%以上は2026年10月〜2027年9月の期間です。所得税の年分とは区切りが違うため、混ぜないようにしましょう。
※52.5%〜60%は、自治体の寄附金活用可能額の基準です。2026年10月〜2027年9月は52.5%以上で、返礼品の額や個人の控除上限とは別です。
※地域内で生じる価値の明確化は、所定の地場産品基準の対象となる一定の返礼品の話で、すべての返礼品が対象ではありません。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。確定申告は2026年分の所得税(原則2027年に申告)、ふるさと納税は2026年の寄附(原則2027年度の住民税)を中心に説明しています。制度は改正されることがあります。
※税額の計算や申告の判断など、個別の税務相談は税務署や税理士にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や資料、希望を整理する窓口です。
※特定の金融商品や、ふるさと納税の寄附先・返礼品・仲介サイトをおすすめするものではありません。
