公的保障・出産・育児
育休の「手取り10割相当」は、ずっと続く?出生後休業支援給付金の条件
「育休中も手取りが10割相当になる」。そう聞いて、育休の間ずっと、いつもの給料と同じ額が入ると思っていませんか? この言葉の背景にあるのは、2025年4月に始まった出生後休業支援給付金です。この記事では、上乗せの仕組みと期間、対象になる条件、育休中の家計の入金予定の立て方を整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
ずっと続くわけではありません。2025年4月に始まった出生後休業支援給付金は、原則として両親がそれぞれ14日以上の育休を取るなど条件を満たす場合に、67%の給付に13%を加え、80%を基本とする支給を最大28日間受けられる仕組みです。手取り10割相当は非課税や社会保険料免除を考えた説明で、額面100%の支給ではありません。
この記事のポイント
- 出生後休業支援給付は条件付きの上乗せ
- 67%+13%=80%が基本。額面100%ではない
- 上乗せは最大28日間。育休中ずっとではない
目次
「手取り10割相当」とは?出生後休業支援給付金の仕組み
出生後休業支援給付金は、2025年4月に始まった育児休業の給付です。条件を満たす場合に、これまでの67%の給付に13%を上乗せし、合計80%を基本とする支給が受けられます。
- これまでの育児休業の給付
- 67%
- 出生後休業支援給付金の上乗せ
- +13%
- 上乗せがある期間の合計
- 80%
※休業前の賃金から求める金額に対する割合です。支給の上限や休業中の賃金の支払い状況などで変わり、給付だけで額面の100%になるわけではありません。
では、なぜ「10割相当」と言われるのでしょうか。給付には税金がかからず(非課税)、育休中は条件を満たすと社会保険料が免除されます。こうした点を考えあわせて、手取りで比べると休業前に近い水準になる、という説明が「手取り10割相当」という言葉です。
つまり、給付そのものの割合は80%が基本で、10割は手取りで見たときの目安の言い方です。給付の割合は、手取りではなく休業前の賃金から求める金額に掛ける点も押さえておきましょう(育休給付67%と手取りの関係)。

「10割」と聞いて、育休の間ずっと、いつもの給料が満額振り込まれると思っていました。
上乗せは最大28日間。育休の間ずっと80%ではない
13%の上乗せが付くのは、最大28日間です。育休の期間全体に付くものではありません。上乗せの期間が終わった後の育児休業の給付の割合は、休業の期間によって変わります。
出産前:夫婦の取得日程を決める
対象期間の中で、それぞれいつから何日育休を取るかを、勤務先と相談して決めます。
上乗せの期間:最大28日間
条件を満たす場合、67%に13%を加えた80%が基本になります。
上乗せの後:13%がなくなる
育児休業の給付だけになり、割合は休業の期間によって変わります。
入金:実際の時期を家計に入れる
給付がいつ入るかを勤務先に確かめ、月ごとの入金予定に書き込みます。
「手取り10割相当」は、上乗せのある最大28日間についての説明です。育休を長く取る予定なら、上乗せがなくなった後の家計も、別に見積もっておく必要があります。
出生後休業支援給付金の条件:両親それぞれ14日以上など
上乗せを受けるには条件があります。原則として、対象期間の中で両親がそれぞれ14日以上の育休を取ることなどが求められます。原則どおりなら、片方だけが育休を取っても対象にならない場合があります。
ただし、配偶者が働いていない場合など、配偶者が育休を取得できない事情があるときは、例外があります。例外に当たるかは、家庭の状況を伝えて確かめましょう。
- 対象期間:決められた期間の中で育休を取っているか
- 取得日数:原則、両親がそれぞれ14日以上か
- 配偶者の例外:配偶者が働いていないなど、育休を取得できない事情があるか
- 賃金の支払い:休業中に給与が出ると、支給に影響することがある
- 支給の上限:休業前の賃金が高いと、上限で抑えられることがある
※支給されるかどうかと金額は、申請の内容をもとに個別に決まります。対象期間や例外の扱いは、勤務先と管轄のハローワークで確かめましょう。
額面100%ではない。給付だけでは10割にならない
「手取り10割相当」は、給与の額面の100%が、育休中ずっと支給されるという意味ではありません。思い込みと実際の仕組みを並べてみます。
よくある思い込み
- 育休中ずっと、給料と同じ額が入る
- 給付だけで、額面の100%になる
- どちらか一人が取れば、条件を問わず上乗せが付く
実際の仕組み
- 上乗せは最大28日間
- 給付は67%+13%=80%が基本
- 原則、両親それぞれ14日以上など(例外あり)
さらに、支給には上限があり、休業中に給与が支払われると、その状況によって支給額が変わることもあります。手取りで比べても、休業前とぴったり同じ額になるとは限りません。

「10割」は手取りで見た目安の言葉です。上乗せの日数と条件を確かめて、入金予定を月ごとに書き出してみましょう。
出産前に、夫婦の取得日程と家計の入金予定を組む
上乗せの対象になるかは、夫婦それぞれの育休の取り方で変わります。出産前に、誰がいつから何日休むかを話し合い、勤務先に対象の条件を確かめておきましょう。
出産前に夫婦で確かめること
- 夫婦それぞれの育休の開始日と日数を決めた
- 対象期間の中で、それぞれ14日以上取れるかを確かめた
- 配偶者が育休を取得できない場合の例外に当たるかを確かめた
- 休業中に給与が出るか、支給の上限に当たるかを確かめた
- 上乗せの28日間と、その後の期間を分けて見積もった
- 給付が入る時期を、家計の入金予定に書き込んだ
手取りに近い水準を左右する社会保険料の免除にも、月ごとの条件があります(育休中の社会保険料の免除)。家計では、上乗せのある期間とその後を分けて見積もり、入金までの支払いに回すお金を、手元に分けておきましょう。ほかの給付は出産・育児の公的保障の一覧から確かめられます。
よくある質問
育休中の「手取り10割相当」は、いつまで続きますか?
上乗せをする出生後休業支援給付金は、最大28日間です。その後は13%の上乗せがなくなり、育児休業の給付だけになります。育休の期間全体で同じ水準が続くわけではありません。
出生後休業支援給付金の条件は何ですか?
原則として、対象期間に両親がそれぞれ14日以上の育休を取るなどの条件があります。配偶者が働いていない場合など、配偶者が育休を取得できない場合には例外があります。勤務先と管轄のハローワークで確かめましょう。
給付だけで、給料の100%が支給されるのですか?
いいえ。給付は67%に13%を加えた80%が基本で、額面の100%ではありません。非課税や社会保険料の免除を考えあわせた説明が「手取り10割相当」で、実際の手取りと完全に一致するとは限りません。
配偶者が働いていない場合は、上乗せの対象外ですか?
配偶者が働いていない場合などには、配偶者についての条件に例外があります。ただし、自分の育休の日数などほかの条件もあるため、対象になるかは勤務先や管轄のハローワークで確かめましょう。
出生後休業支援給付金は、どこで確かめればよいですか?
勤務先と管轄のハローワークです。出産前に夫婦の取得日程を伝え、対象になるか、上乗せの期間はいつか、給付がいつ入るかを確かめておくと、家計の入金予定を組みやすくなります。
※出生後休業支援給付金は2025年4月に始まった制度です。対象期間、配偶者についての条件の例外、休業中の賃金の支払い、支給の上限などの条件があります。
※「手取り10割相当」は、非課税や社会保険料の免除を考えあわせた説明です。給付だけで額面の100%になるものではなく、手取り額と完全に一致するとは限りません。
※13%の上乗せは最大28日間で、育休の期間全体に付くものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。
