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毎年増配している会社の株なら、来年の配当も安心?

株のアプリで配当の推移を開くと、毎年少しずつ高くなっていく棒グラフ。「この会社なら来年も増やしてくれそう」と感じたことはありませんか。ただ、そのグラフは過去の記録です。記録と約束を分けて考え、配当をこの先も続けられるかを確かめる手がかりを、順番に見ていきます。

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会社のビルとローソク足チャートの3Dイラスト
結論

いいえ、来年の配当まで決まっているわけではありません。配当は、預金のように金額があらかじめ確定したお金ではなく、会社の利益が減ったときや、稼いだお金を事業への投資に回すと決めたときには、減配(配当を減らすこと)や無配(配当を出さないこと)になる場合があります。配当方針、数年分の利益、手元の資金を並べて、続けられる理由を確かめましょう。

この記事のポイント

  1. 増配の記録は、来年の約束ではない
  2. 配当の出どころ(原資)を確かめる
  3. 配当方針・利益・手元資金を並べて見る
目次
  1. 連続増配の株でも、来年の配当は約束されていない
  2. 減配・無配はなぜ起きる?配当の原資から考える
  3. 配当性向の見方:利益のうち配当に回す割合を数年で見る
  4. 続けられる理由を探す:配当方針・数年の利益・手元資金
  5. よくある質問

連続増配の株でも、来年の配当は約束されていない

毎年昇給してきた職場でも、来年の昇給がもう決まっているわけではありません。その年の業績や方針を見て決まるからです。配当も似ていて、これまで増え続けてきたことと、来年いくら支払われるかは、別々に考える必要があります。

配当は、会社が得た利益の一部を、株主が持っている株数に応じて受け取るものです。預金の利息のように、前もって金額の決まったお金ではありません。

よくある思い込み実際は
何年も増配してきたから、来年も増える過去の記録で、来年の支払いは約束されていない
配当は、預金の利息と同じように受け取れる利息と違って確定していない。減配や無配もある
配当性向が低ければ、配当は心配ない単年の数字は特別な利益や損失で動く。それだけでは判断できない
よくある疑問

グラフが毎年きれいに伸びていたので、来年も増えるのが当たり前だと思い込んでいました。

減配・無配はなぜ起きる?配当の原資から考える

配当の額を前の年より減らすのが減配、配当を見送ってゼロにするのが無配です。業績が振るわない年だけでなく、会社が事業への投資にお金を回すことを優先したときにも、配当が減ることがあります。

そこで見たいのが、配当の原資、つまり配当を払うお金の出どころです。配当は利益を株主に分けるものなので、まず利益と配当の関係を確かめます。

たとえば、利益は年々減っているのに、配当だけが増え続けているとしたら、その差を何で埋めているのかを確かめておきたいところです。数年分の配当と利益を同じグラフに重ね、差が開いていないかを見るのも一つの方法です。手元の資金の動きや、会社が配当方針(配当についての考え方)で何を示しているかも手がかりになります。

配当性向の見方:利益のうち配当に回す割合を数年で見る

配当性向は、会社の利益(税金などを差し引いた最終的な利益)のうち、どれくらいを配当に回したかを表す割合です。1株あたりの配当を1株あたりの利益で割り、%で表します。数字が大きいほど、利益の多くを配当に充てていることになります。

配当の額が同じなら、利益が大きいほど配当性向は低く、小さいほど高く出ます。
その年の出来事利益配当性向
一時的な特別の利益があったふくらむ低めに出る
一時的な特別の損失があったしぼむ高めに出る
利益は減り、配当は増やした減る上がる(原資の確認を)

このように配当性向は、その年だけの出来事で上下します。1年分の数字で良し悪しを決めず、数年分を並べて流れを見るのが基本です。

※配当を続けられるかどうかを、配当性向ひとつで決めることはできません。会社ごとに、最新の決算と配当方針もあわせて見てください。

続けられる理由を探す:配当方針・数年の利益・手元資金

増配が何年続いたかより、これからも続けられる理由があるかに目を向けましょう。確かめる順番の一例は、次のとおりです。

  1. 配当方針を読む

    会社が配当について、どんな考え方を示しているかを確かめます。

  2. 数年分の利益と配当を並べる

    利益が減っているのに配当だけ増えていないか、差の開き方を見ます。

  3. 手元の資金を見る

    配当を支えるお金に余裕があるか、減り続けていないかを確かめます。

  4. 最新の決算で確かめる

    以前の数字のままにせず、会社の最新の決算と配当方針で確認します。

増配が続く会社を見るときのメモ

  • これまでの増配と、来年の配当を分けて考えた
  • 配当が利益でまかなえているかを見た
  • 配当性向を数年分の流れで見た
  • 配当方針と手元の資金も確かめた

配当利回りと株価の関係は配当利回りの記事、決算で売上・利益・現金を見る順番は決算の見方の記事で取り上げています。

FPのひとこと

連続増配の年数は、いわば過去の成績表。これから先は、利益と手元の資金で配当を支えられるかで考えましょう。

よくある質問

連続増配の会社は、来年も配当を増やしますか?

決まってはいません。これまでの増配は実績の記録で、将来の支払いを約束するものではないからです。利益が減った年や、投資にお金を回す年には、減配や無配になることもあります。

配当と預金の利息は、どう違いますか?

配当は預金の確定した利息とは違い、会社の利益を株主に分けるものです。前もって金額が約束されてはおらず、業績や会社の判断で増えたり減ったりします。

配当性向が低ければ、配当は減らないと考えていいですか?

そうとは言い切れません。特別な利益や損失でその年の数字が動くため、数年分の流れで見たうえで、配当方針や手元の資金、最新の決算もあわせて確かめましょう。

配当の原資とは何ですか?

配当として株主に払うお金が、どこから出ているかという意味です。配当は利益を株主に分けるものなので、利益が細っているのに配当を増やしているなら、何で支えているのかを確かめましょう。

※個別の会社の配当や株価の良し悪し、将来の見通しを示す記事ではありません。

※配当を続けられるかどうかを、配当性向ひとつで決めることはできません。会社ごとに最新の決算と配当方針を確かめてください。

※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。

※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

参考にした資料

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