公的保障・公的介護
介護サービスの自己負担にも、月の上限がある?高額介護サービス費の仕組み
介護サービスを使う回数が増えると、「この月の自己負担は、どこまで増えるのだろう」と心配になります。介護保険には、対象となる1か月の利用者負担に上限を設けた高額介護サービス費があります。ただし、介護で払うお金のすべてが、その上限に収まるわけではありません。この記事では、上限の対象になる費用とならない費用、医療の高額療養費との違い、申請の確かめ方を整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。年齢・加入歴・所得・家族関係などの条件があり、支給の可否は各制度の窓口が個別に判断します。
月の上限はあります。介護保険の高額介護サービス費は、対象となる1か月の利用者負担が上限を超えた場合に、その超えた分が支給の対象になる仕組みです。上限は本人や世帯の所得などで異なります。ただし、施設の食費・居住費、住宅改修費、福祉用具購入費などは対象外で、支給限度額を超えて自己負担した分も、同じようには扱われません。
この記事のポイント
- 高額介護サービス費で、月の負担を軽減
- 上限は本人や世帯の所得などで違う
- 食費・居住費・住宅改修費などは対象外
目次
高額介護サービス費とは?1か月の利用者負担に上限
介護サービスを使うと、サービスの費用のうち利用者負担(利用者が自分で払う分)を、毎月払うことになります。使うサービスが多い月ほど、この負担も重くなります。そこで介護保険には、対象となる1か月の利用者負担が上限を超えた場合に、その超えた分を支給する高額介護サービス費が設けられています。
上限の金額は一つではなく、本人や世帯の所得などによって異なります。そのため、この記事では具体的な上限額を載せていません。同じ世帯の対象負担を合計できる場合もありますが、合計できる世帯の範囲や、所得区分(所得に応じて分けた区分)の判定には、それぞれ条件があります。
対象の負担を1か月分まとめる
その月に使った介護サービスのうち、対象となる利用者負担を合わせます。
所得などに応じた上限と比べる
上限は、本人や世帯の所得などで異なります。自分がどの区分に当たるかは、市区町村で確かめます。
上限を超えた分が支給の対象に
超えた分が、高額介護サービス費として支給の対象になります。対象外の費用は、別枠のまま残ります。

介護サービスを多く使う月は、自己負担がどこまでも増えると思っていました。月の上限があるんですね。
高額介護サービス費の対象外:食費・居住費・住宅改修費など
ただし、介護に使ったお金が全部、この月の上限に収まるわけではありません。施設の食費や居住費(部屋代など)、住宅改修費(介護のために住まいを改修する費用)、福祉用具購入費などは、高額介護サービス費の対象外です。
| 介護で払うお金の例 | 高額介護サービス費での扱い |
|---|---|
| 対象となる介護サービスの利用者負担 | 1か月の合計が上限を超えた分が、支給の対象 |
| 施設の食費・居住費 | 対象外 |
| 住宅改修費 | 対象外 |
| 福祉用具購入費 | 対象外 |
| 支給限度額を超えて自己負担した分 | 同じようには扱われない |
表の最後にある支給限度額は、介護保険を使って利用できるサービスの上限のことです。自宅で介護サービスを使う場合は、要介護度などに応じた支給限度額があります。限度額を超えてサービスを使い、自己負担した分も、月の上限の対象負担と同じようには扱われません。施設の費用の内訳と限度額の考え方は、介護施設の費用と自己負担の範囲で説明しています。
月の上限で抑えられるのは、対象となるサービス費の部分です。対象外の費用は、この上限の計算とは別に考える必要があります。
高額介護サービス費は、医療の高額療養費とは別の制度
名前が似ていますが、高額介護サービス費は、医療の高額療養費とは別の制度です。高額療養費は公的医療保険の仕組みで、保険診療の自己負担が上限を超えたときに、超えた分が支給の対象になります(高額療養費の仕組みと上限)。介護サービスの利用者負担について月の上限を確かめるのは、介護保険の高額介護サービス費です。
高額介護サービス費
- 介護保険の仕組み
- 介護サービスの利用者負担が対象
- 上限は本人や世帯の所得などで異なる
- 確かめる先は市区町村
高額療養費
- 公的医療保険の仕組み
- 保険診療の所定の自己負担が対象
- 上限は年齢や所得区分などで異なる
- 確かめる先は加入している医療保険
医療費と介護費の両方がかかっている世帯には、医療と介護の対象となる自己負担を、年単位で合わせて確かめる制度もあります(医療費と介護費を合わせて確かめる制度)。月ごとの上限とは別に、1年の区切りで見る仕組みです。
高額介護サービス費の申請と、残る生活費の把握
通知や申請の方法は、住んでいる市区町村に確かめましょう。出典に挙げた新宿区のページは、自治体の案内の一例です。通知が届くかどうかや申請の手順が、どこでも同じとは限りません。通知を待つだけでよいと決めつけず、市区町村の介護保険給付の担当に、自分の場合の手続きを聞いておきましょう。
高額介護サービス費を確かめるチェック
- 毎月の明細(請求書や領収書)を、月ごとに保管している
- 明細を、対象のサービス費とそれ以外に分けた
- 本人や世帯の所得区分を、市区町村で確かめた
- 同じ世帯の対象負担を合計できるか確かめた
- 通知や申請の方法を、住んでいる市区町村の案内で確かめた
- 医療費の自己負担は、高額療養費として別に確かめた
家族で予算を考えるときは、毎月の明細を、上限が関係する対象のサービス費と、上限とは関係なく続く費用に分けます。施設の食費・居住費などの対象外の費用に、本人の暮らしの生活費も加えて、月ごとの合計で見ておきましょう。
残る費用を本人の年金や貯蓄で払い続けられるか、家族がどこまで支えるかも、早めに話し合っておくと慌てずに済みます。介護が長く続きそうなら、あいマネのFP相談で、公的保障を前提に家計の不足と備え方を整理することもできます。

上限があるのは、対象のサービス費だけ。明細を分けて、毎月残る費用まで見ておきましょう。
よくある質問
高額介護サービス費とは、どんな制度ですか?
介護保険の仕組みで、対象となる1か月の利用者負担が上限を超えた場合に、その超えた分が支給の対象になります。上限は本人や世帯の所得などで異なり、同じ世帯の対象負担を合計できる場合もあります。
介護施設の食費や居住費も、高額介護サービス費の対象ですか?
対象外です。施設の食費・居住費のほか、住宅改修費や福祉用具購入費なども対象になりません。支給限度額を超えて自己負担した分も、同じようには扱われません。上限とは別に、予算に入れておきましょう。
高額介護サービス費と高額療養費は、同じ制度ですか?
別の制度です。高額介護サービス費は介護保険の仕組みで、介護サービスの利用者負担が対象です。高額療養費は公的医療保険の仕組みで、医療費の自己負担は、加入している医療保険で確かめます。
高額介護サービス費の申請は、どうすればいいですか?
通知や申請の方法は、住んでいる市区町村の介護保険給付の担当に確かめましょう。ある自治体のやり方が、どこでも同じとは限りません。毎月の明細を保管し、市区町村の案内に従って申請します。
※合算する世帯、所得区分、対象費用などには条件があります。申請は、住んでいる市区町村の案内に従ってください。
※高額介護サービス費の上限額は、本人や世帯の所得などで異なるため、この記事では具体的な金額を示していません。
※出典の新宿区のページは、自治体の案内の一例です。通知や申請の方法は、市区町村によって異なる場合があります。
※高額介護サービス費は、医療の高額療養費とは別の制度です。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。給付・免除には所定の条件があります。詳細は加入先・公的窓口でご確認ください。
※あいマネの相談(FP相談・保険相談)は、家計の整理をお手伝いする窓口です。公的給付の支給を決める窓口ではありません。

