住まい・住宅ローンの選び方
住宅ローンの返済期間を長くすれば、家は買いやすくなる?
住宅ローンの返済期間を長くすれば、毎月の返済は減ります。では、減った分だけ高い家を買っても大丈夫なのでしょうか。返済期間を延ばすと、月々の負担は抑えやすくなる一方で、利息の総額や返し終える年齢も変わります。この記事では、返済期間を決める前に並べておきたい3つの数字と、老後の計画と一緒に確かめたいポイントを整理します。
同じ借入額と金利なら、返済期間を延ばすほど毎月の返済は抑えやすくなります。ただし、一般に利息の総額は増え、完済の年齢も上がります。仮に35歳で40年ローンを組み、繰上返済をしなければ、完済は75歳です。月々払えるかだけで予算を広げず、毎月の返済額・総支払額・完済年齢を並べて確かめましょう。
この記事のポイント
- 月々が減っても、利息の総額は別
- 35歳+40年=75歳で完済の例
- 退職時のローン残高も確認
目次
住宅ローンの返済期間を延ばすと、毎月の返済と利息はどう変わる?
住宅ローンの返済期間を長くすると、同じ金額をより長い期間に分けて返すため、毎月の返済額は抑えやすくなります。その一方で、元金(借りたお金そのもの)が減るペースはゆっくりになり、利息がかかる期間も長くなります。そのため、一般に利息の総額は増えます。
ここでの比べ方は、借入額・金利・返済方式(毎月の返し方の決まり)をそろえ、返済期間だけを変えた場合です。条件が違うローン同士は、期間の違いだけでは比べられません。
返済期間を長くする
- 毎月の返済額を抑えやすい
- 利息の総額は一般に増える
- 完済の年齢が上がる
返済期間を短くする
- 毎月の返済額は大きくなりやすい
- 利息の総額は一般に少なくなる
- 完済の年齢が早まる

月々の返済が減るなら、その分だけ高い家を選べると思っていました。
月々の返済が下がった分をあてにして借入額を増やすと、利息の総額はさらに増え、返済が続く年数も長いままです。毎月払えるかどうかだけで、家の予算を広げないようにしましょう。借りる額そのものを手取りから考える方法は、銀行が貸してくれる額まで、借りていい?で解説しています。
住宅ローンの完済年齢:35歳で40年なら75歳に
返済期間を考えるときは、毎月の金額だけでなく、何歳で返し終えるか(完済年齢)も見ておきましょう。仮に35歳で40年ローンを組み、繰上返済をしなければ、完済は75歳です。
- 借りるときの年齢
- 35歳
- 返済期間
- 40年
- 完済の年齢
- 35歳 + 40年 = 75歳
- 退職の年齢(仮定)
- 65歳
- 退職後も返済が続く期間
- 75歳 − 65歳 = 10年
※年齢・返済期間・退職の年齢は説明用の仮定です。実際に借りられる期間などは、商品によって異なります。
仮に65歳で退職するなら、退職後も10年間、返済が続く計画です。収入の中心が給与から年金に変わった後も、住宅ローンの返済が家計に残ります。
なお、この完済年齢は繰上返済をしない場合です。繰上返済で早めに返し終える予定なら、そのお金を教育費や急な出費への備えから出さないかも確かめておきましょう。くわしくは繰上返済で、教育資金まで使っていない?で解説します。
退職時のローン残高と、年金生活で返せるかを確認
長いローンを組むときに確かめたいのは、「今、月々払えるか」だけではありません。65歳時点でいくら残るか、そして年金生活に入ってからも返せるかを、借りる前に確認しましょう。返済額の試算には、住宅金融支援機構の住宅ローンシミュレーションのような試算ツールも使えます。
退職金でまとめて返す予定なら、もう一つ注意があります。返済に使う分を、老後の生活費にも数えていないかです。同じ退職金を、ローンの返済と老後の生活費の両方に数えると、計画の上では足りていても、実際には足りなくなります。
退職金のうち、ローンの返済に使う分は、老後の生活費には数えません。
退職金に限らず、同じお金を何度も数えていないかの確かめ方は、同じお金を何度も数えていない?で解説します。

長いローンが悪いわけではありません。退職の時点でいくら残り、何で返すのかまで決めておきましょう。
返済期間の決め方:毎月の返済額・総支払額・完済年齢を並べる
長期ローンには、毎月の返済を抑えて、お金のやりくり(資金繰り)を調整できる面があります。長く借りること自体が、一律に不適切なわけではありません。ただし、期間を延ばしても、返す負担が消えるわけではありません。
そこで返済期間を決めるときは、毎月の返済額、総支払額、完済年齢の3つを並べて比べます。
| 並べる数字 | 分かること | あわせて確かめたいこと |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 今の家計で、毎月払えるか | 生活費や将来の積立を続けながら払えるか |
| 総支払額 | 利息を含めて、全部でいくら払うか | 期間を延ばして増える利息を受け止められるか |
| 完済年齢 | 何歳まで返済が続くか | 退職時の残高と、年金生活で返せるか |
返済期間を決める前のチェック
- 借入額・金利・返済方式をそろえて、期間だけを変えて比べた
- 毎月の返済額だけでなく、総支払額も見た
- 完済の年齢を計算した
- 退職の時点でいくら残るか確かめた
- 年金生活に入っても返せるか試算した
- 返済に使う退職金を、老後の生活費にも数えていない

毎月の返済額、総支払額、完済年齢。3つを並べて、住宅と老後を一緒に考えましょう。
よくある質問
住宅ローンの返済期間を長くすると、総支払額は増えますか?
同じ借入額・金利・返済方式なら、返済期間を延ばすほど毎月の返済は抑えやすい一方、一般に利息の総額は増えます。毎月の返済額と総支払額を並べて比べましょう。
35歳で40年の住宅ローンを組むと、何歳で完済しますか?
繰上返済をしなければ、35歳+40年で75歳です。仮に65歳で退職するなら、退職後も10年間返済が続きます。65歳時点でいくら残るか、年金生活で返せるかも確認しましょう。
退職金で住宅ローンを返す予定です。気をつけることは?
返済に使う退職金を、老後の生活費にも数えていないか確認しましょう。同じお金を二重に数えると、計画の上では足りていても、実際には足りなくなります。
返済期間の長い住宅ローンは、避けたほうがいいですか?
一律にそうとはいえません。長期ローンには資金繰りを調整できる面があります。ただし負担が消えるわけではないため、毎月の返済額・総支払額・完済年齢を並べ、老後の収支と一緒に考えましょう。
※年齢・返済期間・退職の年齢は説明用の仮定です。返済期間の比較は、同じ借入額・同じ金利・同じ返済方式の場合を想定しています。
※実際に借りられる期間などの条件は、商品によって異なります。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。


