教育資金・教育資金の貯め方
大学入学の直前まで、教育資金をNISAで全額運用する?
教育資金は、NISAで増やせばいい。そう考えて、積立を始めた方もいるでしょう。では、大学の入学直前まで、全額を投資したままで大丈夫でしょうか。この記事では、NISAでも値下がりはあることを確かめたうえで、近く使うお金の分け方と、運用から支払いへ移す「出口」の考え方を整理します。
入学直前まで全額を投資したままにすると、納付の前に相場が下がったとき、必要な額を用意できないおそれがあります。NISAは運用益が非課税になる制度で、値下がりを防ぐ制度ではありません。まだ先の資金と近く使う資金を分け、進路や納付時期が見えてきたら、必要額を段階的に預貯金などへ移す計画を立てる方法があります。
この記事のポイント
- NISAでも元本割れはある
- 近く使うお金は別に確保
- 積立と同時に出口も決める
目次
NISAでも元本割れはある:非課税と値下がりは別
NISAは、運用で得た利益に税金がかからない、つまり運用益が非課税になる制度です。ただし、値下がりを防ぐ制度ではありません。NISAの口座で買ったものも、相場が下がれば値下がりし、投資したお金を下回る元本割れになることがあります。
教育資金で特に気をつけたいのは、払う日が決まっていることです。入学金の納付前に相場が下がっても、支払いを待ってもらえるとは限りません。値下がりしたところで売るしかなく、必要な額に届かないことも考えられます。

NISAなら税金がかからないぶん、損はしないと思っていました。値下がりはあるんですね。
まだ先の資金と、近く使う資金を分けて考える
そこで大切なのが、教育資金をひとまとめにせず、まだ先に使う資金と、近いうちに使うことが決まっている資金に分けて考えることです。同じ教育資金でも、使う時期によって、お金の置き場所の考え方が変わります。
まだ先に使う資金
- 使う日まで、まだ時間がある
- 家計の余裕と使う時期から、運用に回す額を考える
- 進路や納付時期が見えてきたら見直す
近く使うことが決まっている資金
- 進路や納付時期が見えてきた
- 必要な日に、必要な額を払えることが大切
- 値動きのある運用とは別に確保する
たとえば、入学金のように納付の時期が決まっているお金は、近く使う資金です。何年も先に使うお金とは、使う日までに残された時間が違います。同じように運用し続けてよいかは、分けて考えましょう。
教育資金を段階的に預貯金などへ移す計画
近く使う資金の準備のしかたとして、進路や納付時期が見えてきたら、必要額を段階的に預貯金などへ移す計画を立てる方法があります。一度にすべてを移すのではなく、何回かに分けて移していくイメージです。
進路と納付時期を確かめる
志望する進路や、入学金などを納める時期が見えてきたら、いつ、いくら必要かを確かめます。
近く使う額を決める
納付が近いものから順に、運用とは別に用意しておく額を決めます。
何回かに分けて移す
必要額を一度に移すのではなく、段階的に預貯金などへ移す計画を立てます。
現金化までの日数を確かめる
売却してから使えるお金になるまでの日数を確かめ、納付期限に間に合うように動きます。
いつ移すか、どの程度を運用に残すかは、家計の余裕と使う時期で異なります。「子どもが何歳になったら売る」のように年齢だけで一律に決めるのではなく、自分の家庭の進路の予定と家計から考えましょう。
売却から現金化までの日数と、預貯金の注意点
運用しているお金を支払いにあてるときは、売却から現金化までの日数も確認しましょう。売却の手続きをしても、その日のうちに使えるお金になるとは限りません。売却や受渡し(売った代金を受け取ること)にかかる日数は商品などで異なり、いつ現金化するかは個別に判断が必要です。
納付期限から逆算して、いつまでに売却の手続きをすればよいかを確かめておきましょう。投資信託を売ってから使えるまでの流れは、投信の売却ボタンを押せば、今日使えるお金になる?で解説します。
また、2027年から始まる予定の子ども向けのNISA(つみたて投資枠)は、払出しに条件があり、大人のNISAのように、売ったお金を自由に引き出せるわけではありません。くわしくは子どものNISAの払出しの記事で解説しています。
なお、預貯金に移せば何も気にしなくてよい、というわけではありません。物価が上がると、同じ金額で買えるものが減る(インフレ)など、預貯金にも気をつけたい点があります。そのうえで、払う日が決まっているお金は、値動きのある運用と分けておくことが大切です。
教育資金の運用は、入口と出口をセットで決める
教育費の運用は、増やす入口だけでなく、使うための出口までがセットです。積立を始めるときに、いつ、どのくらいを、どこへ移して使うのかも一緒に考えておくと、納付の時期にあわてずにすみます。
すぐ使う分と、先まで運用する分を分ける考え方は、老後資金を取り崩すときも同じです。老後資金の使い方は運用しながら老後資金を使う記事で取り上げています。
教育資金の出口を決めるチェック
- NISAでも元本割れがあることを知っている
- まだ先の資金と、近く使う資金を分けた
- 進路と納付時期から、いつ、いくら必要かを確かめた
- 預貯金などへ段階的に移す計画を立てた
- 売却から現金化までの日数を確かめた
- 移す時期を、年齢だけでなく家計と使う時期から考えた

増やす入口だけでなく、使うための出口まで。必要な日に払えることを、忘れないでください。
支払いと入金の予定を月ごとに整理するやり方は、教育費は、授業料だけ準備すれば大丈夫?にまとめています。出口の時期を決めるときの参考にしてください。
よくある質問
教育資金をNISAで運用すれば、元本割れしませんか?
いいえ。NISAは運用益が非課税になる制度で、値下がりを防ぐ制度ではありません。投資には元本割れのリスクがあり、入学金の納付前に相場が下がっても、支払いを待ってもらえるとは限りません。
教育資金の運用は、子どもが何歳になったらやめればいいですか?
年齢だけで一律に決めるものではありません。いつ移すか、どの程度を運用に残すかは、家計の余裕と使う時期で異なります。進路や納付時期が見えてきたら、必要額を段階的に預貯金などへ移す計画を立てる方法があります。
投資信託などを売れば、すぐに入学金の支払いに使えますか?
すぐに使えるとは限りません。売却や受渡しにかかる日数は商品などで異なります。納付期限から逆算して、売却から現金化までの日数を確かめておきましょう。
預貯金に移しておけば、心配はありませんか?
預貯金にも、物価が上がると同じ金額で買えるものが減る(インフレ)などの注意点があります。そのうえで、払う日が決まっているお金は、値動きのある運用とは分けて考えることが大切です。
※投資には元本割れのリスクがあります。NISAは運用益が非課税になる制度で、値下がりを防ぐ制度ではありません。
※売却・受渡しにかかる日数は商品などで異なり、現金化の時期は個別に判断が必要です。
※預貯金にも、インフレなどの留意点があります。移す時期や運用に残す額は、家計の余裕と使う時期で異なります。
※この記事は一般的な考え方の説明で、特定の商品をすすめるものではありません。
※掲載している内容は、2026年10月1日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。


