税金・医療費控除
医療保険の給付金は、医療費全部から引く?医療費控除の補てん金の差し引き方
医療費控除を計算しようとしたら、医療保険の給付金や高額療養費が入金されていた。これは、家族の医療費全部から差し引くのでしょうか? 基本は、その給付の対象になった医療費から差し引きます。この記事では、仮の数字を使った差し引き方、給付金の引き忘れの注意、支給額が決まっていないときの扱い、領収書と支給通知の対応のさせ方を整理します。
2026年分所得税を中心に解説。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。控除の額や申告の要否は、収入の種類・家族・ほかの控除などで変わります。具体的な判断は、税務署や税理士、お住まいの市区町村に確かめましょう。
医療保険の給付金や高額療養費などは、医療費全部から引くのではなく、基本はその給付の対象になった医療費から差し引きます。仮に入院費10万円に対して給付金が15万円なら、その入院費から引くのは10万円までで、余った5万円を別の病気の通院費から引く必要はありません。未確定の給付は見込額で計算し、後で再確認します。
この記事のポイント
- 給付の対象になった医療費から差し引く
- 余った給付金を別の医療費から引かない
- 未確定の給付は後で再確認
目次
補てん金は、その給付の対象になった医療費から差し引く
医療費控除は、支払った医療費から、保険金などで補てんされた金額を差し引いて計算します。補てんされた金額には、医療保険の給付金や、健康保険の高額療養費などがあります。
差し引くときの基本は、その給付の対象になった医療費から差し引くことです。家族の医療費の合計から、入金をまとめて差し引くのではありません。入院の給付金なら、その入院の費用と組にして考えます。

給付金は、1年分の医療費の合計から、まとめて引くものだと思っていました。
仮に入院費10万円・給付金15万円なら、引くのは10万円まで
仮に、入院費が10万円で、その入院費を補てんする給付金が15万円あったとします。この場合、その入院費から差し引く額は、入院費と同じ10万円までです。
- 入院費
- 10万円
- その入院に対応する給付金
- 15万円
- 入院費から差し引く額
- −10万円(入院費の額まで)
- この入院費のうち、控除の計算に残る額
- 0円
※金額は仮定です。余った5万円(15万円−10万円)は、別の病気の通院費から差し引く必要はありません。
給付金のほうが多くても、余った5万円を、別の病気の通院費から差し引く必要はありません。別の病気の通院費は、その通院に対応する補てんがあるかどうかで考えます。
給付の対象になった入院
- 入院費10万円
- 対応する給付金15万円
- 差し引くのは10万円まで
別の病気の通院
- 入院の給付金の余り5万円は引かない
- その通院に対応する補てんがあるかを確かめる
※医療費を補てんする給付を想定した例です。給付の目的や、どの費用に対応するかは、個別に確かめてください。
給付金の引き忘れも誤り。所得を補う給付は一括りにしない
反対に、同じ入院に対応する給付金を差し引かず、医療費だけを申告するのも誤りです。給付金の入金が医療費の支払いより後になると見落としやすいので、入院や手術の費用ごとに、対応する給付がないか確かめましょう。
また、何のための給付かで扱いが変わります。傷病手当金のように、仕事を休んでいる間の所得を補う給付もあり、医療費を補てんする給付と一括りにはできません。傷病手当金そのものの仕組みは、病気で会社を休んだときの給付の記事で取り上げています。
入金をひとまとめにせず、「何の費用のための給付か」を、支払った費用とセットで確かめます。
未確定の給付は見込額で。領収書と支給通知を対応させる
申告する時点で給付金の支給額が決まっていない場合は、見込額で計算します。後で実際の支給額との違いが出たときは、申告の訂正が必要になる場合があります。訂正の方法は、税務署などで確かめましょう。
領収書を並べる
受診した人と支払日ごとに、医療費の領収書を整理します。
支給通知を対応させる
保険会社や健康保険の支給通知を、対象の医療費と組にします。
未確定なら見込額で
申告の時点で支給額が決まっていなければ、見込額で計算します。
支給後に再確認
実際の支給額と違いが出たら、訂正が必要かを確かめます。

給付金は、支給通知と領収書をペアにしておくと、どの費用から引くかで迷いにくくなります。
家族の医療費をまとめるときに、誰が支払ったかを確かめる点は、家族の医療費の記事で取り上げます。FP相談では、医療費と給付金の入出金を家計の記録として一緒に整理できます。差し引き方の判断は、税務署・税理士に確かめてください。
よくある質問
医療保険の給付金は、1年分の医療費の合計から差し引きますか?
基本は、その給付の対象になった医療費から差し引きます。家族の医療費の合計からまとめて差し引くのではなく、入院の給付金なら、その入院の費用と組にして考えます。
給付金が入院費より多かったら、余りは別の医療費から引きますか?
仮に入院費10万円に対して給付金が15万円なら、その入院費から引くのは10万円までです。余った5万円を、別の病気の通院費から差し引く必要はありません。
給付金の額が決まる前に申告するときは、どうしますか?
支給額が申告の時点で決まっていなければ、見込額で計算します。後で実際の支給額と違いが出たときは、訂正が必要になる場合があるため、税務署などで確かめましょう。
傷病手当金も、医療費から差し引く補てん金ですか?
傷病手当金のように、休んでいる間の所得を補う給付は、医療費を補てんする給付と一括りにはできません。何のための給付かを確かめ、扱いに迷うときは税務署などで確かめましょう。
※入院費10万円・給付金15万円は説明用の仮定です。医療費を補てんする給付を想定しています。給付の目的や対応する費用は、個別に確かめてください。
※傷病手当金など所得を補う給付は、医療費を補てんする給付と分けて確かめてください。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。確定申告は2026年分の所得税(原則2027年に申告)、ふるさと納税は2026年の寄附(原則2027年度の住民税)を中心に説明しています。制度は改正されることがあります。
※税額の計算や申告の判断など、個別の税務相談は税務署や税理士にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や資料、希望を整理する窓口です。
※特定の金融商品や、ふるさと納税の寄附先・返礼品・仲介サイトをおすすめするものではありません。

