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医療費控除は、払った医療費が戻る制度?控除額と還付額の違い
「医療費控除を使えば、払った医療費が戻ってくる」。そう思っていませんか? 医療費控除は、払った医療費をそのまま返してもらう制度ではありません。この記事では、控除額の計算例と、控除額と実際に軽くなる税負担の違い、高額療養費との違い、家計への反映のしかたを整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。税額・申告・登記・法律上の扱いは、個別の事情で変わります。具体的な判断は、税務署・法務局などの公的窓口や、税理士・司法書士・弁護士などの専門家に確かめましょう。
医療費控除は、払った医療費がそのまま戻る制度ではありません。条件を満たす医療費をもとに計算した金額を、所得から差し引く所得控除です。仮に対象医療費20万円・補てん0円・総所得金額等200万円以上なら控除額は10万円ですが、10万円が振り込まれるわけではなく、軽くなる税負担は所得や税率などで変わります。
この記事のポイント
- 医療費控除は所得控除
- 控除額=戻る金額ではない
- 高額療養費とは別の制度
目次
医療費控除とは?所得から差し引く「所得控除」
医療費控除は、条件を満たす医療費をもとに計算した金額を、所得から差し引く制度です。このように、所得から差し引くしくみを所得控除といいます。
税金は所得をもとに計算されるため、所得から差し引く額が増えると、税金を計算するもとになる金額が小さくなります。その結果として、税負担が軽くなる場合があります。

医療費控除を使えば、払った医療費がそのまま戻ってくると思っていました。
払った医療費そのものが戻ってくるわけではありません。実際に軽くなる税負担は、所得や税率などで変わります。
医療費控除の計算例:対象医療費20万円の場合
仮に、対象になる医療費が20万円で、保険金などで補てんされた金額がなく、総所得金額等(各種の所得の合計額など)が200万円以上だったとします。一般的な計算では、控除額は次のようになります。
- 対象になる医療費
- 20万円
- 保険金などで補てんされた金額
- −0円
- 差し引く金額(総所得金額等200万円以上の場合)
- −10万円
- 医療費控除の額
- 10万円
※控除額は、所得から差し引く金額です。還付される金額や、軽くなる税額とは別に計算します。
ここでの10万円は、あくまで所得から差し引く額です。10万円がそのまま振り込まれるわけではありません。
※総所得金額等が200万円以上という前提の例です。前提が違えば計算も変わるため、自分の場合は税務署等で確かめましょう。
控除額と還付額は別。控除額10万円が戻るわけではない
医療費控除の手続きをすると、納めすぎていた税金が戻る(還付される)ことがあります。ただし、その額は控除額とは別に決まり、所得や税率などによって変わります。還付があるかどうかも、人によって異なります。
控除額
- 所得から差し引く金額
- 計算例では10万円
- 医療費や補てんされた金額などから計算する
実際に軽くなる税負担
- 控除額とは別に計算する
- 所得や税率などで変わる
- 還付があるかどうかも人による

控除額は「所得から引く額」で、受け取る額ではありません。家計に入るお金と混ぜずに考えましょう。
会社員でも、医療費控除は年末調整ではなく確定申告で手続きします。年末調整と確定申告の関係は年末調整と確定申告の記事、ふるさと納税のワンストップ特例を申請している場合の注意点はふるさと納税と医療費控除の記事で取り上げます。
医療費控除の前に確かめたい、対象・補てん・高額療養費
対象になる費用か
医療費控除の対象は、条件を満たす医療費です。払った医療関係の費用が、すべて対象になるとは限りません。領収書や医療費の情報を整理して、対象になるか確かめましょう。
保険金などで補てんされた金額
保険金などで補てんされた金額がある場合は、その額を差し引いて計算します。計算例では0円としましたが、実際には受け取った保険金などを確かめる必要があります。
高額療養費とは別の制度
高額療養費は、公的医療保険の制度で、病院の窓口などで払う負担を軽くするものです(窓口負担を限度額までに抑える方法)。医療費控除は税金の計算で使う所得控除で、仕組みも手続き先も異なります。高額療養費の支給を受ける場合は、医療費控除の計算のしかたも税務署等で確かめましょう。
家計には、医療費の支払いと税負担の変化を分けて反映
医療費を払う時期と、医療費控除で税負担が変わる時期は同じではありません。家計では、医療費は払った月の支出として記録し、税負担の変化は、手続きをして結果が分かってから反映しましょう。
戻るかもしれない税金を先に見込んで、医療費の予算を立てるのは避けたいところです。実際に払った医療費と、保険金などで補てんされた金額を分けて記録しておくと、家計の医療の予算を考えやすくなります。
医療費控除を考えるときのチェック
- 領収書や医療費の情報をまとめた
- 対象になる費用か確かめた
- 保険金などで補てんされた金額を確かめた
- 控除額と、戻る税金の額を分けて考えた
- 適用できるかを税務署等で確かめた
よくある質問
医療費控除で、払った医療費は戻ってきますか?
払った医療費がそのまま戻るわけではありません。医療費控除は、条件を満たす医療費をもとに計算した金額を所得から差し引く制度で、実際に軽くなる税負担は所得や税率などで変わります。
医療費が20万円なら、医療費控除はいくらですか?
対象になる医療費が20万円、補てんされた金額が0円、総所得金額等が200万円以上と仮定すると、一般的な計算では20万円−0円−10万円で、控除額は10万円です。所得から差し引く額で、10万円が振り込まれるわけではありません。
医療費控除と高額療養費は、同じ制度ですか?
別の制度です。高額療養費は公的医療保険の制度で、病院の窓口などでの負担を軽くします。医療費控除は、税金の計算で所得から差し引く所得控除です。高額療養費の支給を受ける場合の計算のしかたは、税務署等で確かめましょう。
会社員でも、医療費控除には確定申告が必要ですか?
医療費控除は、年末調整ではなく確定申告で手続きします。適用できるかどうかや必要な準備は、税務署等で確かめましょう。
※計算例は、対象医療費20万円・補てん0円・総所得金額等200万円以上と仮定した一般的な計算です。実際の控除額は、対象になる費用や補てんされた金額などで変わります。
※控除額は所得から差し引く額で、実際に軽くなる税負担(還付額など)は別に計算します。還付があるかどうかや、その額は人によって異なります。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※税金・登記・法律などの個別の判断や手続きは、税理士・司法書士・弁護士などの専門家や公的窓口にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や希望、課題を整理する窓口です。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
