税金・所得控除と2026年の改正
大学生の子の収入が増えたら、親の控除はすぐゼロ?特定親族特別控除のしくみ
大学生の子どものアルバイト収入が増えて、扶養の所得要件を超えそう。そうなると、親の所得控除はすぐゼロになるのでしょうか? 19歳以上23歳未満の一定の親族には、所得に応じて控除額が段階的に変わる「特定親族特別控除」があります。この記事では、2026年分の対象となる所得の範囲、年収と所得の違い、子ども本人の税金や健康保険の扶養との分け方を整理します。
2026年分所得税を中心に解説。2026年10月4日時点の制度にもとづく一般的な説明です。控除の額や申告の要否は、収入の種類・家族・ほかの控除などで変わります。具体的な判断は、税務署や税理士、お住まいの市区町村に確かめましょう。
大学生の子の収入が増えても、親の控除がすぐゼロになるとは限りません。2026年分の所得税では、19歳以上23歳未満などの条件を満たす親族の合計所得金額が62万円を超え123万円以下なら、親は特定親族特別控除の対象になり、控除額は所得に応じて段階的に変わります(最高63万円。所得から差し引く額で、現金で戻る額ではありません)。子ども本人の税金や健康保険の扶養は別に判定します。
この記事のポイント
- 19歳以上23歳未満などの条件
- 2026年分:子の所得62万円超123万円以下
- 本人の税金・健康保険とは別に判定
目次
扶養控除の所得要件を超えたら?特定親族特別控除とは
子どものアルバイト収入が増えると、通常の扶養控除の所得要件を超えることがあります。2026年分の所得税では、扶養控除の対象になる親族の所得要件は、合計所得金額62万円以下です。この要件を超えたら親の控除はすぐゼロになる、と考える方も多いかもしれません。
ただ、19歳以上23歳未満の一定の親族には、特定親族特別控除という仕組みがあります。通常の扶養控除の所得要件を超えても、親族の所得に応じて、親が受けられる控除額が段階的に変わります。
| 子の合計所得金額(2026年分) | 親の控除の考え方 |
|---|---|
| 62万円以下 | 通常の扶養控除の所得要件の範囲(年齢・生計などのほかの要件も確認) |
| 62万円超123万円以下 | 特定親族特別控除の対象になり得る。控除額は所得に応じて段階的に変わり、最高63万円 |
| 123万円超 | 特定親族特別控除の対象外 |

扶養から外れたら、親の控除はその時点でゼロになると思っていました。
控除額は段階的に変わる。最高63万円は現金で戻る額ではない
特定親族特別控除の額は、親族の合計所得金額によって段階的に変わります。最も大きい63万円になるのは、親族の所得が62万円超85万円以下などの範囲です。親族の所得がこの範囲より多い場合は、控除額は63万円より小さくなります。
思い込みやすいこと
- 所得要件を超えたら、親の控除はすぐゼロ
- 63万円がそのまま戻ってくる
- 子の年収の数字で判断できる
2026年分の考え方
- 62万円超123万円以下なら、所得に応じた控除がある
- 63万円は所得から差し引く額の上限
- 見るのは年収ではなく合計所得金額
63万円は、親の所得から差し引く控除の額です。63万円が現金で戻る制度ではありません。控除によって税負担がどれだけ軽くなるかは、親の所得や税率などによって変わります。控除額と、実際に軽くなる税額の違いは、控除額と還付額の違いの記事で取り上げます。
見るのは年収ではなく合計所得金額。勤務先が複数なら合算
62万円や123万円は、子どもの年収(給与の収入・額面)ではなく、合計所得金額の金額です。給与の収入と所得は違います。給与の場合は、収入から給与所得控除を差し引いた額が所得になるため、年収の数字をそのまま当てはめると、対象かどうかを取り違えることがあります。
アルバイト先が複数ある場合は、それぞれの給与を合算して整理します。1か所の明細だけを見ていると、1年分の所得を少なく見積もるおそれがあります。年の途中で働き方が変わったときも、年間の見込みで考えましょう。

「年収いくらまで」ではなく、所得で考えるのがポイントです。アルバイト先が複数あれば、全部を合わせて確かめましょう。
年齢・生計も確認。子ども本人の税金・健康保険の扶養は別
特定親族特別控除には、所得のほかにも要件があります。年齢は年末時点で何歳かを確かめ、親と生計が同じかどうかも確認します。親族が青色事業専従者などに当たる場合は、対象外となる場合があります。
また、この控除は親の所得税の話です。子ども本人に税金がかかるかどうかや、健康保険の扶養に入れるかどうかは、別に判定します。税金の扶養と社会保険の扶養を分けて考える点は、扶養内で働くときの記事でも整理しています。
家族で確かめるチェック
- 子どもの年末時点の年齢を確かめた
- 親と生計が同じかを確かめた
- アルバイト先ごとの給与を合算し、所得で見積もった
- 今年の収入の見込みを、家族で共有した
- 子ども本人の税金と健康保険の扶養を、別に確かめた
- 具体的な判定を、勤務先(年末調整)や税務署で確かめた
去年の年収の基準だけで判断せず、対象の年分の基準で確かめることが大切です。子どもの働き方は、家族で収入の見込みを共有しながら考えましょう。控除が使えるかや税額の判断は、親の勤務先や税務署・税理士に確かめてください。
よくある質問
大学生の子の所得が62万円を超えたら、親の控除はゼロになりますか?
2026年分の所得税では、すぐゼロになるとは限りません。19歳以上23歳未満などの条件を満たし、合計所得金額が62万円を超え123万円以下なら、特定親族特別控除の対象になり、控除額は所得に応じて段階的に変わります。
特定親族特別控除の63万円は、税金が63万円戻るということですか?
違います。63万円は所得から差し引く控除の最高額で、親族の所得が62万円超85万円以下などの範囲の場合です。現金で戻る制度ではなく、軽くなる税額は親の所得や税率などで変わります。
62万円や123万円は、子どもの年収のことですか?
年収(給与の収入)ではなく、合計所得金額です。給与の収入と所得は違うため、年収の数字をそのまま当てはめないようにしましょう。アルバイト先が複数あれば、合算して整理します。
親の控除の対象なら、子どもは健康保険の扶養にも入れますか?
別に判定します。親の所得税の控除と、子ども本人の税金や健康保険の扶養は、それぞれの基準で確かめる必要があります。健康保険の扶養は、加入している健康保険の窓口などで確かめましょう。
※2026年分の所得税についての説明です。控除額は親族の所得で異なり、青色事業専従者等は対象外となる場合があります。
※62万円・85万円・123万円は、親族の合計所得金額の金額で、給与の収入(年収)ではありません。
※年齢は年末時点で判定します。生計を一にしていることなど、ほかの要件もあります。
※掲載している内容は、2026年10月4日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。確定申告は2026年分の所得税(原則2027年に申告)、ふるさと納税は2026年の寄附(原則2027年度の住民税)を中心に説明しています。制度は改正されることがあります。
※税額の計算や申告の判断など、個別の税務相談は税務署や税理士にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や資料、希望を整理する窓口です。
※特定の金融商品や、ふるさと納税の寄附先・返礼品・仲介サイトをおすすめするものではありません。

