暮らし・相続・生前贈与
子どもの家の購入を援助する前に、自分の老後資金は足りている?
子どもが家を買うときに、資金を少しでも援助したい。そう考えている方もいるでしょう。でも、その前に確かめたいのは、自分がこれから使うお金を残せているかどうかです。この記事では、援助した後の手元のお金を仮の数字で計算し、将来の出費まで含めた確かめ方と、贈与の税金との向き合い方を整理します。
2026年10月2日時点の制度にもとづく一般的な説明です。税額・申告・登記・法律上の扱いは、個別の事情で変わります。具体的な判断は、税務署・法務局などの公的窓口や、税理士・司法書士・弁護士などの専門家に確かめましょう。
援助の前に、渡した後の手元のお金で、今後の生活費や医療・介護、住まいの修繕などに対応できるかを確かめましょう。仮に貯金1,500万円から500万円を援助すると、手元は1,000万円です。援助したお金が戻る前提で計画せず、税金がかからない範囲かどうかとは別に、自分の暮らしを守る予算を先に決めることが大切です。
この記事のポイント
- 援助の前に自分の生活資金を確認
- 残額だけでなく将来の出費まで見る
- 贈与の税務は個別に確認
目次
子どもの住宅資金を援助する前に、手元に残るお金を計算
子どもの家の購入を助けたい、という気持ちは自然なものです。ただ、援助したお金は、その分だけ自分の手元から出ていきます。援助を決める前に、まず自分がこれから使うお金を残せているかを確かめましょう。
- 今の貯金
- 1,500万円
- 子どもへの援助
- −500万円
- 援助した後の手元のお金
- 1,500万円 − 500万円 = 1,000万円
※説明用の仮定の金額です。税金や手続きの費用、運用による増減などは含めていない単純な計算です。
1,000万円が残ると聞くと、十分に思えるかもしれません。けれども、このお金は、これからの生活費や、いつか来る大きな出費をまかなうお金でもあります。大切なのは残った額の大きさより、その額で将来の支出に対応できるかどうかです。

1,000万円も手元に残るなら、もう大丈夫だと思っていました。
援助後の残額で、老後の医療・介護や修繕に備えられる?
今の年金と毎月の支出が釣り合っていると、貯金を取り崩す場面は少なく見えるかもしれません。それでも、将来の大きな出費まで確認しておくことが大切です。たとえば、次のような支出を、援助した後の残額と並べてみましょう。
| 将来の出費の例 | 確かめておきたいこと |
|---|---|
| 今後の生活費 | 年金などの収入で足りない月が出てこないか |
| 医療や介護 | 自分で払う費用を、どのくらい見込んでおくか |
| 住まいの修繕 | いつごろ、どんな修繕が必要になりそうか |
毎月の不足額から老後資金を考える方法は、老後資金の必要額の考え方で取り上げています。医療や介護について、公的制度で抑えられる部分と自分で払う部分を分けて考えるときは、老後の医療費・介護費の準備も参考になります。
援助したお金は、必要なときに戻る前提で計画しない
援助したお金が、自分が困ったときに戻ってくる前提で計画しないことも重要です。子どもの家計にも、その時々の事情があります。必要になったときに返してもらえるとは限りません。
お金を「貸す」形にする場合も、返ってくるお金を自分の生活費の計画に入れないようにしましょう。また、贈与だけでなく、貸し付けにも税務の確認が必要です。扱いは税理士や税務署で確かめます。
こう考えがち
- 困ったら、返してもらえばいい
- 税金がかからない範囲なら、渡しても大丈夫
- 今の年金で暮らせているから、問題ない
確かめたいこと
- 戻らない前提で、手元の残額を見る
- 税金の線引きと、家計で無理のない範囲は別
- 将来の大きな出費まで含めて考える
渡す時期を分ける・金額を調整する。家族の希望と両立
援助は、まとめて渡すか、まったく渡さないかの二択ではありません。渡す時期を分ける、金額を調整するなど、家族の希望と自分の暮らしを両立できる方法を考えてみましょう。
考える順番は、先に自分の暮らしを守る予算を決め、その外側で援助できる額を考えることです。順番を逆にすると、気づかないうちに自分の生活費まで渡してしまうことがあります。生前に渡すか相続で残すかを、税金だけで決めない考え方は生前贈与と相続の比べ方で解説します。
援助を決める前のチェック
- 援助した後に、手元に残る額を計算した
- 生活費・医療や介護・修繕の見込みと並べた
- 介護や修繕が重なる場合など、いくつかの想定で確かめた
- 援助したお金が戻る前提にしていない
- 税金や手続きを、税理士や税務署で確かめる準備をした

応援したい気持ちと、自分の暮らしの予算。両方を同じ表に並べると、無理のない援助の額が見えてきます。
贈与の税金と特例は個別に確認。無理のない援助額とは別の話
子どもへの援助が贈与にあたる場合は、税金や手続きの確認が必要です。目的によっては特例もありますが、利用するには条件があります。自分の場合の扱いは、税理士や税務署で確かめましょう。
注意したいのは、税金がかからない範囲と、家計にとって無理のない範囲は別のものだということです。特例が使えるからといって、その範囲まで渡しても暮らしが守れるとは限りません。税金がかからない範囲だからと、生活費にあてるお金まで渡す理由にはならないのです。
援助の額は、税金のルールではなく、自分の暮らしを守る予算から考えましょう。家族への応援と自分の暮らしは、一緒に計画するものです。
FP相談では、援助した後の生活資金をいくつかの支出の想定で確かめ、援助できる額を整理できます。税額の計算や申告の判断は、税理士や税務署で確かめましょう。
よくある質問
子どもの住宅購入を援助する前に、何を確かめればいいですか?
援助した後に手元に残るお金で、今後の生活費、医療や介護、住まいの修繕などに対応できるかを確かめます。今の年金と支出が釣り合っていても、将来の大きな出費まで見ておきましょう。
貯金1,500万円から500万円を援助しても大丈夫ですか?
仮にこの例なら、援助した後の手元は1,000万円です。それで足りるかどうかは、将来の生活費や医療・介護、修繕の見込みによって変わります。残額だけで判断せず、将来の出費と並べて確かめましょう。
援助したお金は、困ったときに返してもらえばいいですか?
必要なときに戻る前提で計画しないことが大切です。お金を貸す形にする場合も、返ってくるお金を自分の生活費の計画に入れないようにし、税務の扱いは税理士や税務署で確かめましょう。
贈与税がかからない範囲なら、援助しても家計は大丈夫ですか?
税金がかからないかどうかと、家計が大丈夫かどうかは別の話です。特例にも条件があり、税務は個別の確認が必要です。援助の額は、自分の暮らしを守る予算から考えましょう。
※貯金1,500万円・援助500万円は説明用の仮定です。税金や手続きの費用、運用による増減などを含めない単純な計算です。
※贈与や貸し付けの税務、特例を利用するための条件は、税理士・税務署でご確認ください。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※税金・登記・法律などの個別の判断や手続きは、税理士・司法書士・弁護士などの専門家や公的窓口にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や希望、課題を整理する窓口です。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。
