暮らし・おひとりさま
入院したときのお金と連絡先、整理できていますか?
急に入院することになったとき、医療費の準備はあっても、家賃の引落しや保険会社への連絡先が分からず困ることがあります。この記事では、お金と連絡先を分けて整理する方法を解説します。連絡先を伝えることと手続きを任せることの違いや、暗証番号などの扱い方もあわせて整理します。
お金と連絡先を分けて整理しておきましょう。加入している健康保険、勤務先、保険会社、毎月の支払先、書類の保管場所を書き出します。入院時に連絡してほしい人や頼みたいことは、相手と相談して決めます。ただし、連絡先に登録しただけで、口座の手続きや医療上の同意などを何でも任せられるわけではありません。
この記事のポイント
- 資金と連絡先は分けて準備する
- 連絡先の登録と代理権は別
- 暗証番号などは一覧と分けて管理
目次
入院したときに困るのは、医療費だけではない
入院への備えというと、医療費の準備を思い浮かべるかもしれません。けれど、入院している間も、家賃の引落しなど毎月の支払いは続きます。保険会社への連絡先がすぐに分からず、手続きが遅れることもあります。
こうしたことを減らすために、自分で使えるお金の準備と、連絡先などの情報の整理を、分けて進めておきましょう。お金があっても、どこに連絡すればよいかが分からなければ、手続きは進めにくいためです。

医療費は貯金でなんとかなると思っていました。家賃の引落しや保険会社の連絡先までは、考えていなかったです。
入院に備えて書き出したい5つの連絡先と保管場所
書き出しておきたいのは、次の5つです。金額を細かく書くことより、どこに問い合わせればよいか、書類がどこにあるかが分かることを大切にします。
| 書き出すもの | 書いておくことの例 |
|---|---|
| 加入している健康保険 | 加入先の名前と、問い合わせ先 |
| 勤務先 | 休むときの連絡先と、連絡する相手 |
| 保険会社 | 契約している保険会社の連絡先と、証券などの保管場所 |
| 毎月の支払先 | 家賃・公共料金・カードなどの支払先と、引落しの金融機関 |
| 書類の保管場所 | 通帳や契約書など、大切な書類を置いている場所 |
一覧の形に迷うときは、公的機関が公開しているノートも参考になります。たとえば、神戸地方法務局は「わたしのエンディングノート」を公開しています。
連絡してほしい人と頼みたいことは、相手と相談して決める
入院したときに連絡してほしい人や、頼みたいことも決めておきます。相手は家族に限らず、信頼できる友人や知人の場合もあるでしょう。大切なのは、自分だけで決めずに、相手と相談して決めることです。
頼みたいことは、具体的に書き出しておくと話し合いやすくなります。たとえば、勤務先への連絡や、身の回りの物の用意などです。相手にも都合があるため、引き受けられる範囲を確かめておきましょう。
連絡してほしい人と決めておくこと
- 入院したときに、連絡してほしい人を決めた
- その人に、連絡先として名前を書いてよいか確かめた
- 頼みたいことを、相手と相談して決めた
- 相手が引き受けられる範囲を確かめた
- 決めた内容を、連絡先の一覧と一緒に書いておいた
連絡先の登録と代理権は別:何でも任せられるわけではない
連絡先として誰かの名前を書いておいても、それだけで、その人に口座の手続きや医療上の同意などを何でも任せられるわけではありません。連絡先の登録だけで、包括的な代理権(本人に代わって手続きをする権限)が生じるわけではないためです。
入院のときに関わることには、医療上の同意、身元保証、お金の管理など、性質の違うものがあります。これらは同じ権限としてまとめて扱われるものではありません。誰が何をできるかは、それぞれ別に確かめる必要があります。
| 頼みたいことの例 | 確かめる先 |
|---|---|
| 口座の手続き | 取引のある金融機関 |
| 医療上の同意など、医療に関わる対応 | 入院先などの医療機関 |
| 保険の手続き | 契約している保険会社 |
| 休むときの手続き | 勤務先 |
連絡先を伝えることと、手続きを任せることは別です。必要な手続きは、それぞれの窓口に確かめておきましょう。
パスワードや暗証番号は、一覧に書かずに別に管理する
連絡先の一覧に、パスワードや暗証番号をそのまま書いて渡すのは避けましょう。書いた紙をなくしたり、思わぬ人の目に触れたりすると、口座などを不正に使われるきっかけになりかねません。
認証情報(本人であることを確かめるための番号やパスワード)は、連絡先の一覧とは分けて、自分で安全に管理します。手伝ってもらう人に必要なのは、暗証番号ではなく、どこに連絡し、何を確かめればよいかという情報です。
一覧そのものも、どこに置き、誰に見せるかを決めておきましょう。一覧の置き場所を、連絡してほしい人に伝えておく方法もあります。
自分で使える予備資金と、手伝ってもらうための情報を用意
入院への備えは、お金と情報の両方です。自分で使える予備資金があれば、入院中の支払いに対応しやすくなります。手伝ってもらうための情報があれば、頼んだ相手も動きやすくなります。
自分で使える予備資金
- 入院中も続く家賃や引落しに使う
- 必要なときに自分で引き出せる形にしておく
- 医療費とは別に、生活費の分も考える
手伝ってもらうための情報
- 連絡先と支払先の一覧
- 書類の保管場所
- 連絡してほしい人と頼みたいこと
入院にかかる費用の内訳は、入院費用の内訳と見積もり方で解説しています。仕事を休む間の生活費の考え方は、一人暮らしで働けなくなったときの備えが参考になります。予備資金と情報のどちらも用意しておくと、急な変化に対応する準備につながります。

お金は自分で使える形に、情報は手伝う人が分かる形に。暗証番号は渡さずに、連絡先と支払先を整理しておきましょう。
よくある質問
入院に備えて、何を書き出しておけばいいですか?
加入している健康保険、勤務先、保険会社、毎月の支払先、書類の保管場所の5つです。金額を細かく書くより、どこに連絡し、何を探せばよいかが分かるように書いておきましょう。
緊急連絡先に登録した人は、口座の手続きもできますか?
連絡先に登録しただけで、口座の手続きや医療上の同意などを何でも任せられるわけではありません。本人以外が手続きできるかどうかや、その方法は、金融機関などそれぞれの窓口で確かめましょう。
入院時に頼む人に、暗証番号を伝えておいてもいいですか?
パスワードや暗証番号を、そのまま一覧にして渡すのは避けましょう。認証情報は連絡先の一覧と分けて、自分で管理します。手伝う人に必要なのは、連絡先や支払先などの情報です。
入院したときに連絡してほしい人は、どう決めればいいですか?
家族に限らず、信頼できる人と相談して決めます。連絡先として名前を書いてよいか、頼みたいことを引き受けられるかを、相手と話し合っておきましょう。
※連絡先として登録しただけで、包括的な代理権が生じるわけではありません。代理の手続きや医療上の対応などは、それぞれの機関で確かめてください。
※医療上の同意、身元保証、お金の管理は、それぞれ別のことで、同じ権限としてまとめて扱われるわけではありません。
※パスワードや暗証番号などの認証情報は、連絡先の一覧に書かず、別に管理してください。
※掲載している内容は、2026年10月2日時点の制度・公表資料にもとづく一般的な情報です。制度は改正されることがあります。
※税金・登記・法律などの個別の判断や手続きは、税理士・司法書士・弁護士などの専門家や公的窓口にご確認ください。あいマネのFP相談は、家計や希望、課題を整理する窓口です。
※特定の金融商品をおすすめするものではありません。

